eラーニング(※1)が、ようやく日本でも注目を浴び始めてきた。コンテンツの内容が貧弱だったのか、eラーニングへの理解が足りなかっただけなのか、単に使いこなせなかったからなのか……、eラーニングが囁かれ始めた当初は、日本での普及は難しそうにも見えた。しかし、昨年あたりから、だんだんと状況が変わってきたようだ。
“クリック・トゥー・ラーン”ブース。写真の人物は、米Click2learn社会長兼CEOのケビン・オークス氏 |
それは、東京ビックサイトで開催された、インターネットを活用した学習素材/学習システムの専門展“e-Learning World 2003”(7月30日~8月1日)の様子でも伺い知れる。第3回目を迎える今年の出展社数は200社、来場者数は2万7000人となりアジア最大級のeラーニング総合展示会へと成長した(ちなみに第1回目の出展者数は100社、来場者数は1万7000人)。
ASCII24編集部では、今後本格化してくる日本のeラーニング市場について、e-Learning World 2003のために来日した米Click2learn(クリック・トゥー・ラーン)社(以下、C2L)会長兼CEOのケビン・オークス(Kevin Oakes)氏にインタビューを行ない、eラーニング市場の米国での状況や日本市場に対する見解などを中心にお話を伺った。(聞き手:ライター 遠竹智寿子)
インタビューに入る前に、C2Lについて少し説明しておく。同社は米国ワシントン州のベルビューに本社を置く、企業向けのeラーニングオーサリングツールおよびプラットフォーム事業を手掛ける大手eラーニング・ソリューション・プロバイダーである。米マイクロソフト社の共同設立者であるポール・アレン(Paul Allen)氏が1984年に設立した企業向け研修システムコンサルティング会社 米Asymetrix Learning System社が、1999年秋に現在のClick2learnに社名を変更し、現在のeラーニング事業を本格化した(米国ナスダック上場企業)。なお、2000年5月より開始した日本での事業展開については、インタビューに同席されたクリック・トゥー・ラーン(株)代表取締役社長、亀井朗(かめいあきら)氏にもコメントをいただいた。
米国では企業内研修に
eラーニングが浸透
Aspenは、従業員規模1000人以上の企業に効果的なeラーニング環境を構築するためのシステムとして、マイクロソフトや米国の大手不動産フランチャイズ企業のセンチュリー21(Century 21)など、400社以上に導入実績がある企業向けeラーニングプラットフォームです。この分野は、ここ2、3年の間にゆっくりと認知されてきましたが、最近1年間で目覚ましい伸びを見せるようになりました。今後はAspenが、企業においてERPやCRMと同等に重要視されると信じています。