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液晶マルチメディアモニター Crisia LL-M17W1/LL-M15X1

液晶マルチメディアモニター Crisia LL-M17W1/LL-M15X1

2003年07月31日 19時35分更新

文● 松本 俊哉

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液晶マルチメディアモニター Crisia LL-M17W1/LL-M15X1

シャープ

オープンプライス(実売9万5000円前後)

TVとPCの
微妙な関係

“Crisia”「LL-M17W1」
写真1 本体正面はスピーカとインジケータのみで、すっきりとしたデザインになっている。液晶には艶のある保護パネルが貼り付けられ、高級感を演出するとともに傷つきにくいよう配慮されている。
Sharp Online on ASCII
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 ここ数年のブロードバンド・インターネット接続環境とPCの低価格化により、家庭内LANの普及が急速に進んで、PCの利用スタイルは「家族で1台を共有」から「1人1台」へと大きく変わりつつある。こうした家庭では、家族それぞれが自室のスペースを割いてPCを設置し、家具やほかの家電との置き場所争いに頭を悩ませているはずだ。しかし、そもそもPCはこの5~6年で家庭に入り始めたばかりの新参者であり、和室洋室が入り乱れた典型的な日本の家屋には、定位置と呼べるほどの居場所がないと言ってもいい。

 一方、PC以上にスペースを要する存在でありながら、部屋の中でも絶好のポジションを獲得しているのがTVだろう。居間のどこに座っても目の届く位置、私室ならベッドや椅子に腰掛けた状態で最も見やすい場所にTVは鎮座している。部屋の中で好位置を獲得できるのは“TVは離れて見るもの”だからにほかならないが、ゲーム機やDVDプレーヤ、ビデオデッキなどをそばに置くための“ゆとり”が必要だからという理由もある。

 ということは、PCにTVと同等の機能が備わっていれば、部屋の中で好位置を獲得できる上に、TVを追い出して部屋を広くすることもできるわけだ。PCのモニタではTVとしては画面が小さいと思うかもしれないが、実際には私室に大型TVを置いているユーザーのほうが稀だろう。



高輝度高視野角のパネルに
高画質化回路を搭載

本体左側面 本体右側面
本体左側面。本体右側面。
写真2、3 本体に向かって右側面にはPC用の入力端子と操作ボタンが並び、左側面には外部入力とアンテナ入力が用意されている。

 シャープから発売されるPC向け液晶モニタの新シリーズ“Crisia”は、ワイド17インチ「LL-M17W1」(8月11日発売)と15インチ「LL-M15X1」(9月29日発売)の2モデルで展開し、どちらもTVチューナを内蔵している。TVチューナを内蔵したPCは数え切れないほどあるが、TV並みの簡便な接続性を持った製品は数少ない。Crisiaのポイントは、まさにモニタ側でTV表示機能を持っているという点にこそある。

 テープに代わる録画装置としてDVDレコーダやHDDレコーダが注目を集めている昨今、家庭用ゲーム機やDVDプレーヤもつなぎたいとなると、TVの外部映像入力端子は最低でも2系統は必要だ。ところがTV表示機能を持つPCの場合、外部入力はあっても1系統だけで、しかも映像をキャプチャするためのもの。TVのリプレイスを目的としたものではないので、D端子や色差端子など画質重視のコンポーネント入力も装備していない。その点、ワイド17インチのLL-M17W1には2系統の外部入力(コンポジット入力端子)が用意され、そのほかにS-VIDEO(ビデオ入力1)とD1端子(ビデオ入力2)が装備されている。

OSDメニュー
写真4 輝度や色味を調整するメニューはOSD(オンスクリーンディスプレイ)で、アナログ接続ながら自動調整機能を使えば、たいていのPCでピッタリ調整される。

 さらにLL-M17W1は、外部入力だけでなくTV表示についても高画質化のための機能を盛り込んでいる。インターレースのNTSC放送を液晶モニタ上できれいに映し出すにはプログレッシブ化(ノンインターレース化、IP変換とも言う)処理が必要になるが、表示エンジンにIP変換時のコーミングノイズを低減する回路が内蔵されているため、エッジのジャギーを抑えて滑らかな映像が得られる。また、映像のアナログ伝送時に起こる波形歪みを補正して鮮明な画作りをする「CTI(Color Transient Improvement)画質補正機能」や、映像ソースからノイズを取り除いてザワつきを少なくする「DNR(Digital Noise Reduction)機能」も内蔵するなど、高画質のための機能が搭載されている。液晶パネル自体も、このサイズではトップクラスの600:1のハイコントラストで上下左右170度の広い視野角を持ち、ソースを選ばず鮮やかな映像を味わわせてくれる。

 あいにく15インチのLL-M15X1はこれらの高画質化回路を非搭載だが、輝度信号と色信号の混入によって虹色のようなノイズとして現れるクロスカラーを低減する「4ラインY/C分離機能」はどちらのモデルにも搭載されているので、基本的な出画能力は十分高い。

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