アドビシステムズ(株)と日立ソフトウェアエンジニアリング(株)は30日、都内のアドビシステムズ本社で記者説明会を開催し、両社が協力してアドビのサーバー向けアプリケーション『Adobe Document Server for Reader Extensions』『Adobe Graphics Server』の販売体制を確立したこと発表した。両製品の日本での販売は、日立ソフトが初となる。
日立ソフトウェアエンジニアリングの開発事業部開発本部 次長の原田 淳氏(左)と、アドビシステムズの代表取締役社長の石井 幹氏(右) |
Document Server for Reader Extensionsは、アドビシステムズが無料提供しているドキュメントビューアー『Adobe Reader』(旧称:Adobe Acrobat Reader)を使って、申請や届出書の電子化、メールを使った文書交換などを行なう電子文書作成システム。Graphics Serverは、“Adobe Illustrator”“Adobe Photoshop”の画像編集機能をサーバー上に持たせ、リサイズやファイル形式の変更、レイヤーの重ね合わせ、ロゴの貼り付けといった定型の画像編集作業をウェブベースのインターフェースから実行できるサーバー用アプリケーション。
販売ルートを示す図 |
説明会場には、アドビシステムズの代表取締役社長の石井 幹氏と、日立ソフトウェアエンジニアリングの開発事業部開発本部 次長の原田 淳氏が出席し、両社の協業によるメリットや販売戦略について紹介した。
Document Server for Reader Extensionsのターゲット市場 | Graphics Serverのターゲット市場 |
まず石井氏が、日立ソフトの販売体制や販売網の広さ、これまでのアドビのサーバー製品群の販売実績、加えて2製品へのコミットメント(積極的な賛同)を得たことを、日本での販売協力体制を組むに至った理由として挙げた。販売ルートについては、日立ソフトから直接販売する窓口のほか、協力関係にあるTIS(株)、(株)大塚商会の販売網を通じて、官公庁や金融、保険、証券会社、製造業、サービス業などに販売推進していく、と説明した。
続いて原田氏は、Adobe Graphics Serverの販売促進の一環として、導入向けミドルソフト『Renopulse(リノパルス)』を開発中であることを発表した。Renopulseは、GUIベースの開発支援ツール“Renopulse Designer”と、外部データベースシステムなどと連携する“Renopulse Server Library”で構成される。Adobe Graphics Serverでは、用意されている機能を組み合わせて一連の編集手順をXMLベースで記述しておく必要がある。Renopulseはこれを支援するツールで、Renopulse Designerを使ってアイコンを順番に並べて編集機能や設定(パラメーター)を入力し、操作手順を視覚的な操作で組み立て、Renopulse Server Libraryで読み込む画像やロゴデータ、変数などをデータベースから抽出する。これら一連の操作は、最終的にXMLファイルで出力され、Adobe Graphics Serverを導入したアプリケーションサーバーにセットアップする。Renopulse Designerは8月8日発売予定で価格は32万円、Renopulse Server Libraryは9月上旬発売予定で価格は1CPUあたり18万円から。
日立ソフトでは、2005年3月までに2製品で5億円程度の売り上げを目標としている。
Renopulse Designerの画面 |