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【絵でわかるキーワード】国際化ドメイン(こくさいかどめいん)

【絵でわかるキーワード】国際化ドメイン(こくさいかどめいん)

2003年07月26日 16時46分更新

文● 渡瀬 圭市

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日本語ドメイン名とは?

 では、国際化ドメイン名としての日本語ドメイン名はどのような位置づけになるのだろうか。それは、日本人にとってより分かりやすいドメイン名を提供することである。ここで日本語の便利さを実感するために、例えば「小学校」をローマ字に変換してみていただきたい。それは「shogakkou」だろうか? 「syogakkou」だろうか? それとも……。ドメイン名の表記の揺れは、利用者にとって好ましいものではない。また、そのパターンが多ければドメイン名に対する信頼性も低下してしまう。現在では「google」や「Yahoo!」といった検索サイトの普及によりドメイン名を直接入力することは少なくなったが、そのニーズがなくなることはないはずだ。なんと言っても、新しいWebサイトは検索エンジンの検索結果として上位に来ることはないし、似たようなキーワードが連想される場合には数多くの表示の中に埋もれてしまうからである。検索サイトの普及は、Webサイトに強者と弱者を生み出している。このため、ダイレクトにWebサイトに案内できるドメイン名の直接入力は今後とも重要な誘導手段となる。そう考えるのは、あながち間違いではないだろう。こうしたとき、直感的で覚えやすいドメイン名の重要性は必ず増すはずである。ユニークで一時的に興味を引きそうなアルファベットを使うこともできるが、少なくとも直感的で覚えやすいという面では二歩も三歩も劣ってしまう。ちなみに、日本語JPドメイン名で利用できる文字種は上の表のものになる。

 日本語ドメイン名を使うためには、現状ではプラグインを入れるのが一番の近道だ。興味のある方は、JPRS(http://jprs.jp/)のWebページにアクセスしてみていただきたい。IE用の「日本語ドメイン名プラグイン」が無償で配布されていて、実に簡単にダウンロードできる。あまりにあっけなく済んでしまうため拍子抜けするかもしれない。プラグインを組み込んだら、実際にアクセスしてみよう。「大成建設.jp」や「稲本潤一.jp」「ハウステンボス.jp」「内田洋行.jp」など日本語でアクセスできる便利さが実感できると思う。

10月に関連RFCが承認

 ご存じの方も多いとは思うが、日本語ドメイン名は以前から存在し、実際に使うことができた技術だ。なかなか一般化しなかったのは、標準化のための作業が大きく遅れてしまったからだ。

 だが、この状況も2002年10月24日に国際化ドメイン名標準化提案のRFC発行がIETF(Internet Engineering Task Force)によって承認されたことにより大きく変わってくるものと考えられる。ご存じの通り、IETFはインターネットで使われるプロトコルなどを標準化する団体で、RFCはIETFの発行する技術文書だ。

 コンピュータの世界でも、かつてはファイル名に英数字しか使えなかった時代があるが、日本語が使えるようになった今、あえて英数字のみでファイルを保存しようという人々が大きく減ったということを考えてみてほしい。日本語が使える便利さというものは、決して小さくないのである。余談だが、そうした時代になったときに大事なのはどこのドメイン名を使うかだろう。日本語なら「.jp」を使ったほうがいい。なぜなら、“言語”ドメイン名として日本語に対するサービスが明確に定義されているのは.jpの日本語ドメイン名だけだからだ。それ以外は、単に「日本語みたいな文字が表示される」に過ぎないのである。他のドメイン(.comや.org)でも漢字やひらがな、カタカナなどを使ってドメイン名を登録できるかもしれないが、明示的に「日本語として提供している」と謳われていない場合、他の漢字圏の人々からの登録も行われているということでもあるから、そこに表示される文字が日本語であるという客観的な保証はどこにもないということには注意してほしい。

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