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「次期モデルには『Red Hat Enterprise Linux WS』を採用する」──日本HPのLinuxワークステーション担当者インタビュー

2003年08月07日 20時43分更新

文● 編集部

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日本ヒューレット・パッカード(株)(以下、HP)は4月より、『Red Hat Linux 7.3』をプリインストールしたワークステーションを販売している。6月にLinuxサーバ出荷金額で1位となった同社にとって、Linuxワークステーションはどのような位置づけにあるのか、また、なぜOSに『Red Hat Linux 7.3』を採用したのか、さらに今後の64ビットワークステーションの戦略などについて、同社パーソナルシステム事業統括 ワークステーション・ビジネス本部 ワークステーション・マーケティング部の松本浩一氏にうかがった。

日本ヒューレット・パッカード(株) パーソナルシステム事業統括 ワークステーション・ビジネス本部 ワークステーション・マーケティング部の松本浩一氏
日本ヒューレット・パッカード(株) パーソナルシステム事業統括 ワークステーション・ビジネス本部 ワークステーション・マーケティング部の松本浩一氏

Linuxワークステーション登場の理由

[編集部] そもそも、Linuxをワークステーションに搭載されるようになったのはいつ頃からですか。
[松本氏] コンパックコンピュータ(株)との合併前から、以前の日本ヒューレット・パッカード(株)(旧HP)でもLinuxワークステーションをやっていました。しかし、当時はデジタルコンテンツ系など狭いマーケットに向けた製品でした。また、搭載されたOSも『Red Hat Linux』とは呼んでいませんでした。まだレッドハット(株)との取り決めごとの制約もあって、中身はほぼ『Red Hat Linux 7.1』だったのですけれども、当時は『HP Linux』という名称で搭載していました。商標や中身の構成で純然たる『Red Hat Linux 7.1』ではなかったわけです。
2001年10月に発表されたLinuxワークステーション『xw 4000』
2001年10月に発表されたLinuxワークステーション『xw 4000』
当時の『Red Hat Linux 7.1』は、特にグラフィックスなどのドライバ関係が追いついていませんでした。いろいろなグラフィックスカードを使いたいけれども、『Red Hat Linux 7.1』では入らない、では7.1プラスアルファにすると『Red Hat Linux 7.1』と呼べないという矛盾があり、当時は『HP Linux』ということになったわけです。
[編集部] 当時、Linuxを搭載されるようになったのはどういった理由からでしょうか。
[松本氏] きっかけとなったのは、米国で大きなニーズがあったことです。大手の映画会社さんでLinuxシステムを米HPから全部買う、という案件のために、OSまで全部セットアップしてLinuxのモデルを作ったわけです。当時はタブレットなどいろいろな周辺機器関係がまだ『Red Hat Linux』にはそろっていなかったのですが、お客様と一緒に作る、あるいはお客様が作り、そこを我々が全面的にサポートしていくといった形でセットアップして出荷する大口案件がありました。
そのノウハウをもっと生かせないかということと、そのニーズがデジタルコンテンツ系だけでなくてほかにもありそうだという状況があり、一昨年の暮れに旧HPがLinuxプレインストールモデルを作ったわけです。旧HPとしては、まだまだそれはトライアルでした。しかし、当時ニュースにもなりましたし、我々としてもせっかくだからというので積極的にプロモーションした案件ではあります。ニーズがあったことに加え、期待をこめてモデル化したものです。

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