マイクロソフト、“Xbox カンファレンス 2003 Summer”を開催――2003年後半以降の戦略、注目タイトルを紹介

2003年07月25日 16時50分更新

文● 編集部内田泰仁

カンファレンスでは、この秋～冬に発売される注目3タイトルのデモンストレーションも披露された。


『Project Gotham RACING2』


米ビザーレ・クリエイションズ社のリードデザイナー、ニック・ウィズウェル(Nick Wiswell)氏

まずは海外発のレーシングゲーム『Project Gotham RACING2』。『Xbox』立ち上げと同時に発表されたタイトルの続編に当たる作品で、今回は“Xbox Live”に対応している。前作から、グラフィックスエンジンを大幅に改良し、影や反射光の表現、奥行き感のある背景、破損した車のモデルなどがよりリアルになっている。また、コーナリングのテクニックに応じて点数が加算される新しい得点システムが追加され、ゲーム性も高められている。デモには、開発元の米ビザーレ・クリエイションズ社のリードデザイナー、ニック・ウィズウェル(Nick Wiswell)氏が登場し、実際の横浜を詳細に調査してデザインしたという新マップ“Yokohama”を披露した。


『True Fantasy Live Online』


(株)レベルファイブの代表取締役社長、日野晃博氏

日本発の多人数参加型オンラインRPG『True Fantasy Live Online』。これは、3Dグラフィックスで描かれた世界の中を、多人数のプレイヤーが同時にオンラインで冒険するタイプのゲーム。“Xbox Live”に対応し、プレイヤー同士の会話はボイスチャットを通じて行なわれる。今回はムービーでの紹介となったが、内容は実際のゲームの模様をほぼそのまま録画したもので、酒場で冒険に行く仲間を募ったり、モンスターの拠点で多人数で戦闘を行なう模様が紹介された。開発元である(株)レベルファイブの代表取締役社長、日野晃博氏によると、「ボイスチャットを取り入れることに開発の初期段階では抵抗もあったが、実際に実装してみると、文字だけのチャットでは忘れられがちだったちょっとした会話なども弾むようになった」とボイスチャット機能の面白さを語り、「多人数参加型RPGのよさはまだ一般には伝わっていない面もあるが、このタイトルでそれを広く伝えたい」と述べた。

なお、以上の2タイトルは、セカンドパーティープログラムとして“マイクロソフトゲームスタジオ”ブランドから発売される。


『NINJA GAIDEN』


テクモ(株)執行役員・Team NINJAリーダーの板垣伴信氏

最後に紹介されたのは、ムーア氏が「Xboxのゲームタイトル中、最も美しい映像を誇るゲーム」と絶賛した、テクモ(株)の3Dアクションゲーム『NINJA GAIDEN』。壁を使った連続ジャンプなどのアクションで迷路を進み、忍刀をはじめとする多彩な武器で敵(人間タイプのものからモンスターまで多彩)を倒していくゲームで、これも“Xbox Live”対応。この日披露されたデモは、米国で開催されたコンピューターゲームのトレードショー“Electronic Entertainment Expo(E3)”で公開された“E3特別仕様”のプレイアブルデモだが、スピード感のある各キャラクターのアクションとリアルなグラフィックス、HDDにマップデータなどを保存しておくことによる高速なステージ移動など、ゲームの肝となる部分がわかるものだった。デモを行なったテクモ(株)執行役員・Team NINJAリーダーの板垣伴信氏は、アクションゲームはプレイ中無口になってしまうので(実際のデモ中もトークをするのは大変そうだった)、ボイスチャットを使ったコミュニケーションに“Xbox Live”を利用するのではなく、「HDDと“Xbox Live”を通して、何度も遊べるアクションゲームにしたい」として、ネットワークを利用した追加ステージ/要素の配布といった目的に“Xbox Live”を活用するというプランを示した。なお、本タイトルは、欧米市場に先に投入され(2003年冬予定)、日本での発売は「その後なるべく早い段階で」(板垣氏)発売する予定だという。


“マイクロソフトゲームスタジオ”ブランドの注目タイトル		サードパーティーの注目タイトル。カプコン、ナムコ、セガ、テクモといったビッグネームが並ぶ
今後の注目タイトル