登場するなり注目を集めた日本電気(株)の『VALUESTAR FS』。英NXT社が開発したフラットパネルスピーカー技術“SoundVu”を搭載した同製品は、液晶パネルそのものがスピーカーになっている斬新さが目をひいた。
モジュールを搭載したサンプル品 | ピエゾ自ら振動することで300MHzまで対応 |
今回、NECのブースでは“SoundVu”の携帯版とも言うべき製品がデモ展示されていた。製品の開発にあたった(株)オーセンティック戦略営業室顧問の西川彰氏は「『VALUESTAR FS』はマグネットとボイスコイルによる電磁型で振動板を振らしているんです。しかし、このタイプでは携帯電話のようなサイズの小さいものには使えない。直径はいくらでも小さくなるんですが、奥行きが収まらない。これではダメだ、ということで今回は圧電方式(ピエゾ)を採用しました」と話してくれた。完成したモジュールは長さ40×幅8×高さ4mmというもの。しかも、ピエゾ素子自らが共振するというものを開発することによって、300MHzまでの低音を再生できるようになったとのこと。
「2005年には地上波デジタルがやってきますし、携帯電話は単なるテレコミュニケーションの道具からアミューズメント要素が強くなっていく。今回の製品は新しいソリューションのひとつとしてのピーアールになります」と回答している。