NECのTVキャプチャカード「SmartVision HG/V」と同等の高画質化回路を持ち、民生向け専用機とすることで、PCよりも静粛性、安定性、操作性を大きく高めたAVサーバ。
高品質な録画映像を
LAN内のPC2台に配信
図 AX-10の接続イメージ |
ASCII24特別企画「アナタにもできるPC使いこなし講座 第1回:PCのホームAVサーバ化計画」。写真をクリックすると当該記事に移動します。 |
PCに録画データがコピーできるHDDレコーダ「AX10(PK-AX10)」レビュー。 |
ネットワーク上のPCで視聴、録画予約、編集できるHDDレコーダ「PK-AX10」レビュー。 |
NECのMPEG-2エンコーダ搭載TVキャプチャカード「SmartVision HG/V」には、録画品質を向上するためにゴーストリダクション、3次元Y/C分離、デジタルノイズリダクション、タイムベースコレクタという4つの回路が搭載されている。この高画質化回路をそのまま受け継ぎ、単体の民生用HDDレコーダとして登場したのが「PK-AX10」だ。
AX10は単体でも動作するが、背面のEthernet端子で家庭内LANに接続すれば、PCに映像配信を行うAVサーバとなる。PCで受信する際には付属ソフトの「SmartVision/PLAYER」が必要だ。有線の100BASE-TXを利用した場合、
- AX10に接続したTVでタイムシフト再生中に
- 1台のPCでAX10が受信中の番組を視聴し
- さらにもう1台のPCでAX10の録画済みの映像を見る
──といった具合に3カ所で同時にTV放送やビデオを楽しむことができるが、AX10の内蔵チューナは1つなので、2台のPCで異なる番組を視聴することはできない。10BASE-Tや無線LANなど帯域の狭い回線でTV番組を視聴する際には、コマ落ちなどが大量に発生してしまうので、転送速度に応じてPC側(SmartVision/PLAYER)からAX10の映像配信品質を下げる必要がある。また、AX10には一度録画した映像の画像品質を落としてPCに配信する機能はないため、低速回線で視聴することが分かっている場合には、あらかじめ低ビットレートで録画しておくほうが無難だ。
写真1、2 「PK-AX10」の前面および背面 |
IEEE802.11bを利用した環境では実効速度は最高でも4Mbps前後となる。目安としてはAX10で最低画質の「VideoCD画質」モード(MPEG-1/1.15Mbps)でタイムシフト視聴中に、1台のPCでAX10が現在受信中のチャンネルを 見られる程度だ。これでは動きの激しい場面では圧縮モアレが大量に発生してしまう。無線環境を利用するなら、最大54MbpsのIEEE802.11a/gの選択を強く勧める。
SmartVision/PLAYERがインストールされたPCからは、映像受信だけでなく電子番組表(ADAMS-EPG/ADAMS-EPG+)による録画予約も可能だ。さらに、追加モジュールをAX10に導入すれば、BIGLOBEの遠隔接続サービス「BroadPass」によって、外出先から携帯電話やPDA、PCで録画予約を行うことも可能になる(月額300円)。
PRICE LIST 見積り書
(1) 有線LANで接続する場合
- PK-AX10
(付属Ethernetケーブル5m) - 約10万円
- 合計
- 約10万円
(2) 無線LANで接続する場合
- PK-AX10
- 約10万円
- 無線LANカード(IEEE802.11g)
- 約9000円
- 無線LANアクセスポイント(IEEE802.11g)
- 約2万円
- 合計
- 約12万9000円
PK-AX10の主なスペック | |
製品名 | PK-AX10 |
---|---|
HDD容量 | 80GB(最大100タイトル、1タイトル最大12時間) |
チューナ | 地上波(VHF1~12ch、UHF13~62ch)/CATV(C13~63ch) |
録画モード | 高画質:最大8Mbps、720×480ドット、約20時間 標準:最大4Mbps、720×480ドット、約40時間 長時間:最大2Mbps、352×480ドット、約76時間 最長:1.15Mbps、352×240ドット、約124時間 最良:4~15Mbps、720×480ドット、約11~40時間 |
EPG(電子番組表) | ADAMS EPG/ADAMS EPG+ |
インターフェイス(通信) | 100BASE-TX |
ビデオ | S-VIDEO出力×1/コンポジット出力×1/S-VIDEO入力×2、コンポジット入力×2 |
音声 | ステレオライン出力×1/ステレオライン入力×2 |
サイズ(W×D×H) | 430×68×280mm |
重量 | 5.3kg |