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NECとTAO、量子暗号システムで100kmの単一光子伝送に成功

2003年07月04日 20時23分更新

文● 編集部

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日本電気(株)と通信・放送機構(TAO)は4日、量子暗号システムにおいて、既存の光通信で使用している光ファイバーと同性能の光ファイバーを利用して、長さ100kmで単一光子伝送に成功したと発表した。今回の成功を受けてNECとTAOは、都市内ネットワークでの量子暗号システムの実用化に向けた研究開発を進めるという。

概要図
今回の量子暗号システムの概要図

量子暗号システムは、単一光子の状態が測定前と測定後で変化すること(不確定性原理)を利用した暗号方式。無条件の安全性を保証する暗号方式として注目されているが、1個の光子で1bitの情報を伝送するため、極めて微弱な光信号の中から光子を検出する必要があり、受信器側の性能向上が求められていた。

今回、2002年の科学技術振興事業団(JST)の“今井量子計算機構プロジェクト”において、JSTとNECが共同開発した低雑音光子受信器を使用。TAOの“量子暗号技術の研究開発”プロジェクトにおいて、NECとTAOが開発した光源部の単一光子スペクトルを高純度化するフィルターと組み合わせて実験を行ない、都市内光ネットワークへの適用に求められる100kmの単一光子伝送に成功したもの。受信システムの信号対雑音比を従来の50倍に向上し、既存の光ファイバー網に使用されている光ファイバーと同じ損失と散乱特性を持つ光ファイバーで100kmの伝送が可能になったとしており、低散乱・低損失ファイバーを利用すれば、200km程度の長距離伝送も可能になるとしている。NECでは、量子暗号システムの開発において、光子の伝送距離が、受信器側ではなく、光ファイバーでの損失・散乱特性によって制限される領域に達したとしている。

光子検出確率グラフ
光子検出確率グラフ――低損失ファイバーを用いれば伝送距離は125kmまで延びる

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