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データメディック Enterprise

データメディック Enterprise

2003年06月23日 00時00分更新

文● 宇野 貴教

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データメディック Enterprise

NECインターチャネル

1万5800円(パッケージ版)
8000円(ダウンロード版)

最近は、各種文書ファイルのほかにメールの添付ファイル、デジタルカメラでの撮影画像、MP3/WMA(音楽データ)など、ユーザーが作成/利用するファイルの多種多様化と肥大化が進んでいる。HDDの中に保存しているファイルはどんどん増えていくため整理が大変だ。整理中にうっかり必要なファイルを消してしまったという人も多いだろう。しかし、消去したファイルも、なんらかの手段を講じることで取り戻せるケースがある。ここで紹介するNECインターチャネルの「データメディック Enterprise」は、そうした消去ファイルのサルベージを行うためのユーティリティソフトだ。

インストール作業無しに復元できる

メイン画面 復元中
画面1、2 操作画面はエクスプローラ風のシンプルな構成。左下が削除ファイル一覧で、ここから復元したいファイルを選択し「復元ボタン」おせば元に戻せる。

 本ソフトの特徴の一つに、なんら準備作業なしにCD-ROMから直接実行できる点が挙げられる。データを消したことに気づいてから復元ツールをインストールしたのでは、元データがあった位置に復元ツールのプログラムが書き込まれてしまい、サルベージできなくなる可能性が高くなる。つまり、このようなツールは事前にインストールしておく必要があるわけだ。本ソフトのようにインストール作業無しでCD-ROMから起動できれば、このような心配は無用で、データを削除してしまったことに気が付いてから、急いで本ソフトを購入してもまだ間に合う可能性が残されている。

 復元機能も他の製品にはない特徴がある。FATファイルシステムの場合、通常の復元ソフトは復元に必要なパーティション情報を持っているDBS(DOSブートセクター)を参照し、ルートフォルダから下層へ向かってフォルダをたどり、復元するファイルを検索する方式をとっていた。この場合、もしDBSが破損してルートフォルダが参照できないと、その下にあるフォルダは検索が困難になってしまう。本ソフトの検索方式である「ボトムサーチ方式」は、DBSに頼らずすべてのデータエリアの下層から検索を行うため、ルートフォルダを復元できなくても、その下にあるフォルダのファイルを復元できるようになっている。

復元前のプレビュー機能
画面3 BMP、GIF、JEPGタイプの画像ファイルは、付属のビューアで未復元状態でも画像を確認できる。ファイル名からは判断できないときに便利。

 復元作業は復元したいファイルがあるドライブを指定すると、復元リストが作成される。ドライブはHDDだけでなく、FDや各種メモリーカードも指定可能だ。作成されたリストは基本的にファイル名のみが表示されるだけだが、BMP/JPEG/GIFファイルは画像プレビュー機能が付いているので、画像を確認しながらの復元作業もできる。なお、復元ファイルの保存先には復元とは別ドライブまたは記録メディアを指定する必要があるが、ネットワークフォルダやFDDへの分割保存にも対応しているので、ノートPCなどを1ドライブで使っていても心配する必要はない。



電子シュレッダーで完全にデータを削除

電子シュレッダー機能
画面4 電子シュレッダー機能はファイル単位でデータを完全消去できる。もちろん消去後はこのソフトを使っても復元することはできない。

 電子シュレッダーとは、HDD上のデータをファイル単位で指定して復元できないように消し去る機能だ。これは、廃棄したりリース終了/返却したPCから、データを復元されて重要情報が漏れないようにする機能である。消去方法はいわゆる“ゼロライト方式”で、記憶領域に空白のデータを書き込んでいくものだ。この機能はセキュリティとしてパスワード保護が施されているので、他人にデータを消されるかもといった心配は無用である。



復旧ディスクの作成
画面5 ウイルスなどの要因によりシステムが起動しなくなった状態を復旧させる、復旧ディスクを作成することも可能。復旧ディスクのメディアはFD。

 ファイルのうっかり削除は、誰でも経験のあることだろう。手間暇かけて作ったファイルをもう一度作り直すのは、時間の無駄でもあり再作成してもクオリティは落ちがちだ。このソフトはそういった非常時にしか活躍できないが、得られるメリットと安心感は計り知れない。

 なお、NECインターチャネルのWebサイトに、どれだけのファイルが復元可能か検出できる試用版が用意されている。復元できるファイルの確率(可能性)がどれだけあるか、購入前に気になる人は、ぜひ試してみていただきたい。

データメディック Enterpriseの主なスペック
製品名 データメディック Enterprise
OS Windows 95/98/Me/NT 4.0/2000/XP
CPU Pentium-150MHz以上
メモリ 64MB以上を推奨
HDD 20MB以上
復元可能メディア IDE/SCSI/USB接続のHDD、FDD、MO、スマートメディア、コンパクトフラッシュ、SDメモリカード、メモリースティック

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