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ニューコアテクノロジー、デジタルカメラ向けイメージプロセッサー『CleanCapture』を発表

2003年05月14日 20時46分更新

文● 編集部 栗山博行

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ニューコアテクノロジー(株)は14日、デジタルカメラとデジタルビデオ向けのイメージプロセッサー『CleanCapture』を発表した。CleanCaptureは、CCDから送られるアナログ信号をA/D変換する『NDX 1260』と、NDX 1260が生成した画像データをデジタル処理する『SiP 1270』の2つのチップで構成される。処理能力は、NDX 1260が5000万画素/秒。SiP 1270には7500万画素/秒と5000万画素/秒の2モデルを用意する。主要顧客を対象にしたサンプル出荷はすでに完了しており、搭載製品の出荷は第3四半期を予定。価格は明らかにしなかった。

『NDX 1260』 『SiP 1270』
『NDX 1260』『SiP 1270』

ニューコアテクノロジーは、デジタルカメラ/ビデオメーカー向けに映像処理プロセッサーの開発/販売を行なう企業。米国本社を設立した、米ニューコアテクノロジー(NuCORE Technology)社副社長國土晋吾、最高技術責任者(CTO)渡辺誠一郎の両氏は、インテルジャパン(株)(在職当時。現インテル(株))出身で、最高経営責任者(CEO)ジェームス・チャップマン(James N. Chapman)氏は米トランスメタ(Transmeta)社の元セールス・マーケティング担当上席副社長、Crusoeを日本企業に売り込んだことで知られている。日本法人の社長和田信氏は、サイリックス(株)、米トランスメタ社において日本を中心としたマーケティング・営業活動を指揮した人物だ。

同社の特徴は、チップの販売に加え、OS/ファイルシステム/APIを含んだファームウェア、開発/評価ツールなどを提供することで製品開発を支援する点。開発/評価ツールを顧客に提供し、顧客が自社のチップを製品にインテグレートする手助けを行うサポート部隊を強化するという、インテルの営業手法を採用している。

同社によると、技術サポートにより複数の企業において、通常16ヵ月かかる製品開発期間を6ヵ月に短縮した実績があるという。提供するファームウェアはAPI以下のレベルのものであり、OEM各社が独自に培ってきたノウハウを活かし、最終的な絵作りでは差別化を図ることができる。

画質比較写真
400万画素機を使った画質比較写真(553KB)。CleanCapture搭載機(左)では、卵の表面に偽色、色ムラがほとんど見られない

アナログ信号プロセッサーNDX 1260の特徴は、A/Dコンバーターの前にCCDのアナログ信号を処理するステージを備えていること。ここでRGB各色のホワイトバランス調整を行なうことで、1CCDのカメラでも3CCDカメラのような偽色のない画像を生成できるという。信号は16bitでA/D変換され12bitで出力する。

SiP 1270は、最高2400万画素の静止画に対応したイメージプロセッサー。ガンマ補正やデジタルホワイトバランスなど、撮影した画像を処理するパイプラインエンジン、JPEGおよびMotion JPEGのハードウェアコーデック、ARM9コアの組み込みプロセッサーなどが1チップ化されている。

最高技術責任者(CTO)渡辺誠一郎氏
最高技術責任者(CTO)渡辺誠一郎氏

発表会に出席した米ニューコアテクノロジー社最高技術責任者 渡辺誠一郎氏によると「ノイズを後からフィルターをかけて取るのではなく、アナログ素材の段階からノイズをなくすように設計している。CCDのショットノイズなど、機構的に避けられないノイズもあるが、アナログ段階でのホワイトバランス調整やA/D変換の量子化精度の16bit化により、偽色や位相差ノイズの発生を抑えることができた。ノイズレベルの低減により、JPEG保存した時の圧縮率も上がりファイルサイズが小さくなるのも利点だ」という。

同社では、CleanCapture搭載製品の販売開始に向け、顧客支援体制を強化し、日本における事業拡大を目指すとしている。ちなみに、同社の旧製品『NDX 1250』『SiP 1250』は、松下電器産業(株)のデジタルカメラや、(株)日本ビクターのデジタルビデオカメラなどで採用実績を持っている。

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