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アドビ、PDF作成ソフト“Adobe Acrobat”を一新――閲覧用ソフトは『Adobe Reader 6.0』へ

2003年05月15日 14時24分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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アドビシステムズ(株)は15日、PDF作成ソフト“Adobe Acrobatシリーズ”の最新版として、『Adobe Actobat 6.0 Professional 日本語版』『同 6.0 Standard 日本語版』『Adobe Acrobat Elements 日本語版』、およびPDF閲覧ソフトの最新版『Adobe Reader 6.0 日本語版』を発表した。同社の直販サイト“アドビストア”では同日より予約を開始しており、アドビストア価格と出荷開始時期はProfessionalが5万4800円(通常版)、Standardが3万4800円(通常版)で、いずれも7月上旬予定。Elementsは、企業向けのライセンス販売(1000ライセンス単位)のみで、出荷開始時期は5月中旬予定。『Adobe Acrobat Reader』からリブランドされたAdobe Readerは、従来同様無償配布され(同社サイトよりダウンロードが可能)、提供開始時期は6月中旬予定。

『Adobe Actobat 6.0 Standard 日本語版』 『Adobe Actobat 6.0 Professional 日本語版』
『Adobe Actobat 6.0 Standard 日本語版』のパッケージ『Adobe Actobat 6.0 Professional 日本語版』のパッケージ。なお、Elementsはライセンス販売のみなので、パッケージは存在しない

Acrobat 6.0には、

Acrobat Elements
『Microsoft Office』などから1クリックでPDF文書を作成できる“アドオン機能”をはじめ、PDF文書の作成機能のみを利用する企業/グループ向けのライセンス販売製品
Acrobat 6.0 Standard
作成したPDF文書を複数人(プロジェクトチームなど)で推敲や校正できる“文書コラボレーション機能”や、電子証明書によるセキュリティー機能などを搭載した一般ユーザー向けパッケージ製品
Acrobat 6.0 Professional
Standardの全機能に加えて、CMYK色分解時のプレビューやカラーマネージメント機能、オートデスク(株)のCADソフト『AutoCAD』やマイクロソフト(株)のビジネスグラフィックス作成ソフト『Microsoft Visio』、プロジェクト管理ソフト『Microsoft Project』など、大判サイズのPDF文書作成にも対応する特定業務向けパッケージ製品

という3製品が用意されている。6.0で作成できるPDF仕様(アドビシステムズが策定し、公開している)は、“Adobe PDF 1.5”にバージョンアップされている。従来(PDF 1.4)に比べると、文書(アスキーデータ)もバイナリーデータとして圧縮することで、ファイルサイズの縮小が可能となったほか、PDF内コンテンツの階層管理(レイヤー情報の保持)に対応、Macromedia Flash/QuickTime/MP3/WMFなどのマルチメディアデータの埋め込み(従来は外部ファイルの参照のみ)をサポート、日本語の縦書きテキストやテーブル(表組み)にも対応するタグ付きPDFの改良、といった変更点が挙げられる。

レビュー画面 レビュー結果
アドビでは、コラボレーション機能による文書校正を“レビュー”と呼んでいる。画面は送付されたレビュー用PDFをAcrobat 6.0で開いたところ(製品版とは異なる場合がある)レビュー結果をまとめて1つのPDFファイル上で閲覧することが可能。画面のように引き出し線で編集場所を指示できるほか、編集内容を表組みにして一覧表示することも可能

文書コラボレーション機能とは、PDF文書に注釈などの編集情報を付加できる“FDF(Forms Data Format)”を利用したもので、メールにPDF文書を添付して関係者に送信し、先方が記入した注釈や変更指示をまとめて反映できる(1つずつ確認しながら変更も可能)というもの。文書コラボレーション機能で注釈や変更指示を付与するには、Acrobat Standard/Professsionalが必要。

対応OSは、ElementsがWindows版のみでWindows 98 SE/NT 4.0(SP6)/2000/XP。Standardは、Windows版がWindows 98 SE/NT 4.0(SP6)/2000(SP2)/XP/XP Tablet PC Edition(Meには未対応)、Macintosh版がMac OS X 10.2.2以降。Professionalは、Windows版がNT 4.0(SP6)/2000(SP2)/XP/XP Tablet PC Edition(Me未対応)、Macintosh版はMac OS X 10.2.2以降。

Standard/Professionalともに、通常版パッケージのほか、Acrobat 4.0/5.0ユーザー向けの“アップグレード版”と学校関係者向けの“アカデミック版”が用意されている。価格はアップグレード版/アカデミック版ともに、Standardが1万2500円、Professionalは1万9500円。また、Acrobatが同梱されていた“Collectionパッケージ”も、Acrobat 6.0の出荷と同時に内容が更新される。『Adobe Design Collection』(InDesign/Photoshop/Illustrator)にはAcrobat 6.0 Professionalが同梱され、アドビストア価格は22万5000円(アカデミック版は6万9800円)。『Adobe Publishing Collection』『Adobe Web Collection』にはAcrobat 6.0 Standardが同梱され、価格はともに17万8000円(アカデミック版は5万9800円)。

なお、アドビストアでは本日からAcrobat 6.0発売前日まで、“先行予約キャンペーン”として、製品版/アップグレード版/アカデミック版を予約した人の中から抽選で60名にソニー(株)のUSBメモリーアダプター『ポケットビット』をプレゼントする。

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