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アドビ、電子文書作成およびグラフィックス加工のサーバー向けアプリケーション群を発表

2003年04月22日 23時19分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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アドビシステムズ(株)は22日、HTML/XML/PDFなど電子文書の作成・管理を行なうアプリケーション群『Adobe Form Designer 5.0 日本語版』『Adobe Form Client 5.0 日本語版』『Adobe Form Server 5.0 日本語版』、Acrobat Reader 5.1以上を使ってPDFファイルにコメントの記入や取り消し、電子印鑑の捺印などの簡易編集を可能にする機能拡張ツール『Adobe Document Server for Reader Extensions 日本語版』、およびAdobe PhotoshopやAdobe Illustratorの一部機能をウェブブラウザー上から利用できるグラフィックスサーバーアプリケーション『Adobe Graphics Server 2.0』を発表した。いずれも、アドビシステムズがユーザー/企業などに直接販売は行なわず、SI(システムインテグレーター)などを通じたシステム販売となる。各製品の出荷開始時期は、Form Designer/Form Clientが5月12日、Form Serverが6月10日、Document Server for Reader ExtensionsとGraphics Server 2.0が第2四半期を予定している。この発表に合わせて、アドビシステムズ社内で記者説明会が開催され、製品概要の説明やデモンストレーションが行なわれた。

電子文書の作成・管理を行なうサーバーソリューション

Adobe Form Designer 5.0/Form Client 5.0/Form Server 5.0は、従来“Adobe Accelio Captureシリーズ”の名称で呼ばれていた製品の最新版で、バージョンアップに合わせてブランドが変更された。電子政府・自治体、製造業、金融業など定型フォーマットの文書作成や伝票の発行などを日常的に行なっている企業/部署が主なターゲットで、“人が介在するプロセスを省力化すること”が狙いだという。

Form Designer 5.0は、電子文書のレイアウトを行なうデザインツールで、既存の文書(PDF形式)を読み込んで部品やレイアウトを再利用できるため、従来より生産性の向上が見込めるという。必須入力項目(記入がないと警告のダイアログボックスを表示する)や、条件分岐(“はい/いいえ”の選択肢で、いずれか一方を選んだ場合のみテキスト入力領域が有効になる)などの設定をスクリプト言語(JScriptなど)で制御できる。作成結果はXML/HTML/PDF形式で出力可能。

Form Client 5.0は、Form Designer 5.0で作成した電子文書をウェブブラウザー(Internet Explorer 4.01 SP2以上)上で表示・利用するためのクライアントソフト。Form Server 5.0は、Form Designer 5.0で作成した文書を対応ウェブサーバー(マイクロソフトのIIS/BEAシステムズのBEA WebLogic Server/サン・マイクロシステムズのiPlanet/Apacheなど)を通じて配信するほか、Compact HTML形式に変換して携帯電話からの閲覧・入力も可能なサーバーソフト。

PDFファイルに捺印・取り消しなどの記入が可能!!

Adobe Document Server for Reader Extensionsは、Adobe Form DesignerやAdobe Acrobatなどで作成したPDFファイルを読み込んで、注釈の記入や電子署名、記入途中の状態での保存、記入内容の送信などの編集権限を付与する機能拡張ツール。編集作業はAcrobat Reader 5.1以上で行なえる。これは、Acrobat Reader 5.1に用意されているものの通常のPDFファイルを読み込んだ状態では利用できない、いわば“隠し機能”となっている編集関連機能を、Document Server for Reader Extensionsで権限設定したPDFファイルを読み込んだ場合のみ利用可能にするというもの。各種申請書や届出書、閲覧確認が必要な回覧情報など、従来紙でやり取りしていた文書の電子化が進む、とアドビでは説明している。対応サーバーOSは、Solaris 8/Windows 2000 Server。

定常的な画像の編集・加工をウェブブラウザーから自動実行

Adobe Graphics Server
『Adobe Graphics Server』の構成図

Adobe Graphics Serverは、画像のリサイズ/解像度変更やトリミング、色調補正など特定の画像編集・加工作業をサーバー側で実行するコンポーネント。ユーザーインターフェースはウェブブラウザーを想定しており、Java/Perl/COMなどのAPI(Application Program Interface)と実行ライブラリー群で構成される。読み込み可能な画像ファイル形式はAdobe Photoshop(PSD)/TIF/GIF/JPEG/BMP/PDFなど。編集内容(テンプレート)はPhotoshop/Illustratorおよびウェブページ作成ソフト『GoLive』、DTPソフト『InDesign』であらかじめ作成しておく。時節によって商品や価格を入れ替えてポスターやポップを制作する広告/店頭ポップの現場などで、定常的に行なうワークフローを単純化/省力化できるメリットがある、とのこと。対応サーバーOSは、Soralis 8/Windows 2000 Server SP2以上。

エンタープライズ戦略
アドビシステムズのエンタープライズ戦略

なお、説明会のまとめとして、アドビシステムズのマーケティング本部ePaperソリューション部 部長の市川 孝氏は「アドビシステムズの考えるエンタープライズマーケットは、既存のデータベース系製品群と対抗するものではない。ドキュメント(文書)を中心にしたソリューションの提案――新ビジネスへの展開や既存ビジネスの効率化を目指して、SI(システムインテグレーター)ベンダーやISV(独立ソフトウェアベンダー)、DB(データベース)ベンダーとの協業を図っていく」と述べた。

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