撮影サンプルと総評
Pシリーズ最上位機種というだけあって、高級感のあるデザインに加えてキビキビとした動作は好感が持てる。短くなった横幅や各所にあるモールドやダイヤルなどの突起のため、横長スリムというにはややゴツゴツした印象はあるものの、それだけに持ちやすくホールド性も向上している。
撮影画像に関しては、同社ならではの記憶色を強調するものの淡めの発色で、ノイズを低めに抑えた絵作りなのはCyber-Shotシリーズならではと言える。同一の被写体を同条件で撮り比べたわけではないが、P9と比べて輪郭強調処理を控えめになっているように見受けられ、より自然な印象を受けるもののややノイズ感は増したように感じる。
撮影サンプル3(a)。2592×1944ドットの元絵を640×480にリサイズした | 撮影サンプル3(b)。2592×1944ドットの元絵の部分をトリミングした | |
マクロ撮影結果。合焦範囲はマクロモードで広角時10cm~、望遠時60cm~。マクロモードのままでも遠距離にAFが効くが、広角時と望遠時の最近接撮影距離が大きく異なるため花などの撮影時には注意が必要。元画像は2592×1944ドット。 |
コンパクトデジタルカメラでも高スペック化が進んで500万画素クラスの製品も多数登場してきている。もちろんこれはデジタルカメラ市場の激しい製品競争のおかげなのだが、コンパクト機にこれほどの高画素が必要かという疑問も残る。しかし、PC側で画像をトリミングして必要な部分のみを残す場合、高画素で撮っておけば切り出した画像の品質も高いわけであり、撮影時に時間をかけてフレーミングしにくい場合が多いスナップ用途においても高画素の必要性は高い。
Cyber-shot Pシリーズのラインナップもエントリーからハイエンドまで豊富に揃っているが、DSC-P10は初代DSC-P1以来の「コンパクトでスタイリッシュなボディに高スペック」というコンセプトを体現する製品と言えるだろう。
Cyber-shot DSC-P10の主なスペック | |
製品名 | Cyber-shot DSC-P10 |
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撮像素子 | 1/1.8インチ有効510万(総530万)画素CCD |
レンズ | 光学3倍ズーム f=7.9~23.7mm(35mmフィルムカメラ換算38~114mm)、F2.8~5.2 |
記録媒体 | メモリースティック(PRO対応。32MB付属(※1)) |
記録画素数 | 2592×1944/2592 x 1728(3:2)/2048×1536/1280×960/640 x480ドット |
動画記録 | 640×480/160×112ドット |
記録時間 | MPEG1、メディア容量に依存。例えば、128MBメモリースティックの場合、VXモード(640×480ドット)で最大連続約5分50秒 |
液晶モニタ | 1.5インチTFT(12万画素) |
インターフェイス | USB、AV出力、DC入力 |
電源 | 専用リチウムイオン充電池 |
本体サイズ | 約108(W)×35.1(D)×51.5(H)mm |
重量 | 約172g(本体のみ)/約200g(装備重量) |