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SL-C700

SL-C700

2003年05月24日 00時00分更新

文● 及川 晴生

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SL-C700をより快適に使う
SL-C700にスワップ領域を作ろう!

技術協力:株式会社アックス 文:編集部
ご注意

 本稿でご紹介している方法はサポート外の使い方ですので、実行する際には自己責任で行ってください。ハードウェア破損、データ破損、その他ユーザーの一切の不利益につきましては、株式会社アックス、株式会社アスキー、さらにシャープ株式会社は責任を負いません。

 また、本稿の内容について、シャープ株式会社、株式会社アックスには絶対に問い合わせをしないでください。

SL-C700を快適に使うための方法としてメジャーなのが、スワップ領域の作成だ。データ破損などの危険度は高いものの、メモリ不足に悩まされることがなくなるだろう。便利と危険、あなたならどちらを取る?

スワップを作る前に

 スワップ領域を作るには、大きく分けて2つの方法がある。ひとつは容量を固定したファイルをスワップ領域として動作させる方法、もうひとつはSDやCFといったデバイスをフォーマットして、パーティション全体をスワップ領域とする方法だ。

 作業を行う前にはターミナル内で“ルート”になっておこう。ルートとは管理者権限を持ったユーザーで、WindowsでいうところのAdministratorと同じ存在だ。ルートになるには、ターミナルで「su」と入力すればよい。シークレット設定で暗証番号を設定している人はパスワードを聞かれるので、暗証番号を入力しよう。

 まずは、スワップ領域を作成するデバイスの位置を確かめる必要がある。これは、デバイスのマウントを実行するコマンドで確認可能だ。Linuxでは、各デバイスは空のディレクトリ(マウントポイント)にマウントされ、以降ユーザーからはディレクトリとして見えるようになる。この作業を行うのが、「mount」コマンドだ。ターミナルを起動して「mount」と入力しよう。SDを差した状態でmountを実行すると、最下段にSDカードの項目が見える。SDカード「/dev/mmcda1」が「/usr/mnt.rom/card」というディレクトリ(マウントポイント)にマウントされている状態を示しているのがわかるはずだ。

メディアにファイルを作成して スワップ領域にする

 C700にスワップを作る方法のうち、もっとも手頃なのがSDの中にスワップファイルを作る方法だ。作業の流れとしては、SDの中に容量を固定した空のファイルを作成し、スワップファイルとして指定、スワップ機能をオンにする。従来Linuxのスワップは専用のパーティション内に作成されるため、パフォーマンスの心配もあるが、そもそも全体的なボトルネックは他にある。それほど心配することはない。むしろ、スワップを作成して得られるメリットを考えれば、手軽さからいってもこの方法がもっともオススメだ。

(1)空のファイルを作成する

“dd”というコマンドで空のファイルを作成する。

dd if=/dev/zero of=/usr/mnt.rom/card/zaurus.swap bs=512 count=65536

 ddはファイル(の中身)を取り出して別のファイルとして出力するコマンドだ。ifで指定しているのははddで中身を取り込むファイル。この例では「/dev/zero」を指定しているが、これは特殊なファイルで、中身が何もない=0を出力する。そしてofは出力先のファイルだ。SDに、「zaurus.swap」というファイル名で/dev/zeroの中身を出力するように指定したわけだ。さらに、bsでブロックサイズ(bytes単位)を、countでブロック数を指定している。512bytes×65536で、「zaurus.swap」という32MBの空のファイルを作成したことになる。

(2)zaurus.swapをスワップファイルに指定する

スワップ領域を指定する“mkswap”を使う。

mkswap /usr/mnt.rom/card/zaurus.swap

 これで単なる空のファイルであったzaurusu.swapが、スワップ領域として動き出す準備が整う。

(3)実際にスワップをオンにする

“swapon”コマンドで、zaurus.swapを動作させる。

swapon /usr/mnt.rom/zaurus.swap

(4)スワップの動作を確かめる

“free”コマンドにて、メモリの動作状態を確かめる。

free

 ターミナルからC700の「アプリケーション」画面に戻り、いくつかのアプリケーションを起動し、再度ターミナルに戻って“free”コマンドを実行してみよう。「Swap」と書かれた項目の「used」欄にスワップされたメモリが存在しているはずだ。

(5)スワップ動作をオフにする

SDを抜く際などに、“swapoff”にてスワップ動作を終了する。

swapoff /usr/mnt.rom/zaurus.swap

 スワップをオンにしたままSDを抜くと、システムが不安定になるのはご想像の通りだ。だから、SDカードを外す際はswapoffコマンドをzaurus.swapに適用するのを忘れないようにしたい。

はみ出しコラム

SL-C700のバッテリは、実際どの程度持つのか?
 SL-C700は、モバイルとして完璧なスペックを誇っているように見えるが、バッテリの駆動時間は果たしてどうなのだろうか?

 最近はホットスポットも増えてきたことだし、無線LANカードを挿入した状態でのバッテリ駆動時間を計測してみた。ホットスポットでインターネットを参照している状態に近づけるため、無線LANを繋ぎっぱなしで、8箇所のWebページを時間を置いてぽつぽつと閲覧する形をとった。途中、3回ほどスクリーンセーバが起動するまでC700に触れないようにした。使用した無線LANカードは、メルコの「WLI-CF-S11G」。C700ではサポートされていないのだが、筆者のC700では問題なく認識・動作した。

 実際の計測は、フル充電にしたC700のバッテリを交換し、WLI~を本体に挿入して電源をオンにした時間から開始した。即ネットワーク接続状態にして、液晶の明るさは2番目に暗い状態に(蛍光灯の下では一番暗くすると少し辛い)、アプリケーションはNetFront v3.0(Webブラウザ)を使う。スワップは稼働させていない。

 結果は、約1時間30分の稼働時間となった。最短時間のカタログスペック(液晶が最も明るい状態で、無線LANによる連続したWeb閲覧を行った場合、約1時間)と照らし合わせると、液晶のライトを落としたこと+αにて30分の接続時間を稼いだとも言えるだろう。常識通り、液晶の消費電力には気を配ったほうがよさそうである。

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