シャープ(株)は14日、1万倍以上の明暗比に対応した対数変換型CMOSイメージセンサーを開発したと発表した。
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対数変換型CMOSイメージセンサーを車載用として利用する例(西日が差し込むトンネルの出入り口)。左が従来のCCD、右が対数変換型CMOSイメージセンサー |
開発した対数変換型CMOSイメージセンサーは、同社独自のイメージセンサー技術とドイツの公的研究機関“IMS(Institute for Microelectronics Stuttgart)”の“HDRC”技術を利用した回路設計技術を採用しており、従来のイメージセンサーと比べて、明暗比が約1万倍以上(同一画面内における明るい被写体と暗い被写体との明暗比が1千万倍)までの撮影が可能という。これにより、従来必要だった絞り機構も不要になるほか、一定の露出条件でさまざまなシーンを撮影することができるようになるとしている。また、高速に変化する被写体の撮影が行なえる“サブフレーム読み出し機能”を搭載し、毎秒4000フレームの高速撮影が可能(フルフレームは毎秒45フレーム)。サイズは1/2インチで、有効画素数は640×480画素、撮像可能センサー面照度は0.01ルクス~10万ルクス。電源は3.3V。
同社では、開発したCMOSイメージセンサーにより、夕日に向かうシーン、トンネルの内外、対向車のヘッドランプの後方の物体の確認などが可能となることから、車載用、産業用、監視用、産業ロボット用などに利用できるとしている。
