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J-COM、新社長就任記者発表会を開催――インフラ会社からサービス会社へ

2003年03月27日 23時02分更新

文● 編集部 栗山博行

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(株)ジュピターテレコム(J-COM)は27日、都内で報道関係者を集め、同日開かれた取締役会において森泉知行(もりいずみともゆき)氏が代表取締役社長 最高経営責任者(CEO)に、監査役の吉田幸弘(よしだゆきひろ)氏が取締役副社長(企画・管理担当)に、代表取締役社長 最高経営責任者の石橋庸敏(いしばしつねとし)氏が特別顧問に、それぞれ就任したと発表した。

(株)ジュピターテレコム代表取締役社長 最高経営責任者(CEO)森泉知行氏

森泉氏は、24時間放送のTVショッピング専門番組を手掛けるジュピター・ショップチャンネル(株)、多チャンネル放送への番組供給事業を運営する(株)ジュピター・プログラミングの社長を歴任し、TV番組のコンテンツビジネスを手がけてきた人物。新社長の人選には、今後の有料多チャンネルTVの伸びには、コンテンツサイドの見方が必要との判断などがあったという。

国内基準による連結財務データ
決算年月2000年12月2001年12月2002年12月
売上高543億1600万円922億700万円1255億200万円
経常利益-215億5900万円-235億8900万円-108億3900万円
純利益-209億7900万円-234億4600万円-110億8900万円

社長就任記者発表会に出席した同氏は、同社の業績および加入世帯数の推移などを示し、今後の経営方針と経営目標、事業展開について説明を行なった。それによると、「多チャンネルサービスは2002年のワールドカップ以来、加入者数の伸びに中だるみが見られる。営業部隊により加入者世帯を増やす方式が限界にきており、今後はTVについてはやり方を変え、商品説明をきちんと行ないながら顧客満足度の上昇を図ることが永続的な成功のキーポイントになるだろう。インフラ会社という意識からサービス会社という意識に転換する必要がある」とし、同社の持つ40チャンネルの特性、セールスポイントの明確化、訴求に力を注いでいくことを表明した。

加入者数の推移(年度末)。平均サービス数=(TV+Net+Phone加入数)÷総加入世帯数
決算年月2000年12月2001年12月2002年12月
総加入世帯数86万5700世帯129万800世帯159万800世帯
J-COM TV81万6500世帯119万1600世帯142万2800世帯
J-COM Net14万1500世帯32万700世帯50万4500世帯
J-COM Phone7万3200世帯16万6300世帯34万9900世帯
平均サービス数1.191.301.43

また、インターネット接続サービス“J-COM Net”、電話サービス“J-COM Phone”に関しては、「トータルで見れば接続料金に遜色があるとは思わないが、当社の顧客はファミリー層が中心で、ADSLなどがターゲットとする層とは違う。CATVの顧客が求めているのは質の高いサービスであり、加入者数の伸びを見てもJ-COM TVユーザーは順調にJ-COM Netを選択してくれている。値段で勝負することは考えていない」、「ファミリー層が電話に期待することは固定電話ということ。古い友人との連絡手段が電話だけというユーザーも多く、IP電話の“050”になり電話番号が変わることは顧客に受け入れられない。また、電話事業で利益を上げる気のない事業者の相手はしない」とし、IP電話のサービスメニューへの追加も検討しているが、CATVにとってそれがビジネスになるのかについて疑問があるという。

今期の経営目標としては、前年比で赤字が半減した連結収益を黒字転換することが挙げられ、J-COMでは主要な投資がほぼ完了し、今後はキャッシュフローの範囲内で事業の拡大を行なうとした。

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