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NECがエンタープライズLinuxへの取り組みを発表─「来年は2倍の売り上げを目指す」

2003年03月27日 03時46分更新

文● 編集部 阿蘇直樹

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NECペンギン
イベントなどでおなじみのNECペンギン。名前はまだ決まっていないとのこと。

日本電気(株)(以下、NEC)は26日、Linuxを活用した基幹システムの構築を短期間に実現するという“NEC エンタープライズLinuxソリューション”を強化すると発表し、記者発表会を開催した。

今回の発表では、これまで“NEC エンタープライズLinuxソリューション”が対象としてきた研究機関や官公庁、特定業務向けシステムのソリューションに加えて、企業の業務アプリケーション領域についてもソリューションを提供すること、それによりグループ全体で来年度のLinux関連事業の売り上げ倍増を目指すことが明らかにされた。

NECは1999年より、IAサーバのLinux対応や、カーネルパッチの開発、“Linuxソリューションセンター”の設立などといったLinuxへの取り組みを行なっている。これまでに大学などの研究機関やNEC系のISP『BIGLOBE』のメールシステム、図書館情報システム、新聞製作システムなど、Linuxを利用して1000件以上のシステム構築を行なってきた。

同社は、今後のエンタープライズLinuxソリューション強化策として、以下の3点を挙げている。



  • Linuxシステムの信頼性、可用性、運用性を強化する基盤パッケージの提供
  • NECグループ全体の業種別、業務別パッケージソリューションの強化
  • NECグループ全体のLinuxソリューションサポートの強化

システムの信頼性、可用性、運用性を強化する基盤パッケージは、2月20日付けで発表した“VALUMOウェア”として提供する。“VALUMOウェア”は、システムの自律、仮想化、分散、協調を実現するミドルウェアやシステム構築基盤ソフトウェア群で、業務構築運用基盤“DiosaGlobe”、サービス構築基盤“ActiveGlobe”、統合システム運用基盤“WebSAM”、システム構築基盤“SystemGlobe”という4つの製品群から構成されている。“VALUMOウェア”のうち、現在のところLinux対応が表明されているのは以下の製品となる。

ActiveGlobe製品群
アプリケーションサーバ『WebOTX』(5月15日出荷、12万円~)
WebSAM製品群
ジョブ管理ソリューション『DeliveryManager Standard Edition FileTransfer』(3月31日出荷、48万円~)
SystemGlobe製品群
ストレージ基盤ソフト『StoragePathSavior』(3月31日出荷、57万円~)

NECグループ全体の業種別、業務別パッケージソリューションの強化は、これまで構築したシステムの実績をもとに、大きくは官公庁および教育機関マーケット、民間の特定業務マーケットの2つにターゲットを絞ってソフトウェアパッケージを提供する。また、ERPやEIPなど共通の業務基盤パッケージを全てのターゲット向けに提供する。

NECグループ全体のソリューションサポートについては、4月までに全国規模でサポート拠点を設置し、全体の統括はNECのLinux技術センターを中心に行なう。NECグループ全体ですでに1000名程度のLinuxエンジニアがおり、今後はパートナーなども含めてLinuxの技術サポートを提供することになる。

顧客ニーズを考えれば、前年比2倍の売り上げは達成可能

記者発表会では、NECソリューションズ 執行役員の池原憲二氏が、NECのこれまでのLinuxへの取り組みと、エンタープライズLinuxソリューション強化策について説明した。

NECソリューションズ 執行役員の池原憲二氏NECソリューションズ 執行役員の池原憲二氏

池原氏はIDG Japanの調査をもとに、現在国内のLinuxサーバ市場で22%のシェアを占めていることなどを紹介。また、昨年の売り上げについては、実際の数字はまだ出ていないとしながらも、およそ100億円程度になるとの予測を述べた。

来年度の売り上げを2倍にするという計画については、「UNIX部門といったほかの部門の成長などを検討して挙げているわけではなく、顧客からの要望から倍は行くだろうと考えている」と説明。当面は「エンタープライズLinuxにはまだ不足する機能もあるので、UNIXからの置き換えといったものではなく、おもに新規の需要を開拓していくつもり」であると説明した。

記者発表会終了後、NECソリューションズ コンピュータソフトウェア事業本部長の丸山好一氏と同社ITソリューションマーケティング事業本部長の山崎幸雄氏に、エンタープライズLinuxのマーケティング戦略について伺うと、「Linux自体の強化が必要で、本格的に業務基幹システムに利用できるようになるのはまだ先だと考えている。我々のエンジニアも開発に参加しているので、OSDLの標準といった技術動向や、市場動向などを見ながら検討することになる」(丸山氏)「現状のLinuxを業務基幹システムに採用するのは難しい。当面は特定業務向けのパッケージソリューションを中心に提供することになる。必要であればパートナーのハードウェアやソフトウェアも組み合わせながら、全国規模のサポート体制を生かして顧客に必要なソリューションを提供する」(山崎氏)との回答を得ることができた。

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