松下電器産業(株)は26日、マイクロソフトと協同で制定・開発した、音楽や映像を一括して取り扱うCDフォーマット“HighMAT”規格のプレスセミナーを開催した。今回のセミナーでは、19日に「世界初の“HighMAT”規格対応オーディオ機器」として発表された松下のMDステレオシステム『SC-PM77MD』およびDVD/CDプレーヤー『DVD-S75』『DVD-S35』による“HighMAT”規格によるCDの再生と、“HighMAT”規格に対応したマイクロソフトの『Windows Media Player 9』『Windows ムービーメーカー 2』を利用した“HighMAT”規格によるCD作成のデモンストレーションが行なわれた。
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“HighMAT”規格の概要を説明する松下電器産業・パナソニックAVCネットワーク社AVテクノロジーセンターの水上俊彦氏 | “HighMAT”規格に対応する『Windows Media Player 9』『Windows ムービーメーカー 2』の解説とデモを行なったマイクロソフト・ニューメディア&デジタルデバイス本部マーケティング部エグゼクティブプロダクトマネージャーの河野万邦氏 |
“HighMAT”規格では、“音楽用フォーマット”“データ用フォーマット”“動画用フォーマット”と収録内容によって使い分けられていたり、1枚のメディアを複数のフォーマットで切り分けてマルチメディアCDを作成したりしていた従来のCDフォーマットとは異なり、音楽(Windows Media AudioおよびMP3)、静止画(JPEG)、動画(Windows Media VideoおよびMPEG-4)を統一のフォーマットで記録/再生できるというもの。加えて、WMAやWMV、MP3のタグ情報、ファイル名やフォルダー名を活用した検索性やメニューの生成(ファイルの種類別メニューやジャンル別メニュー、アーティスト/アルバム名別メニューなどが作成可能)、パソコンで作成したさまざまなコンテンツを含むCDを誰でも簡単に扱える民生用AV機器で再生できることもメリットとしている。
“HighMAT”規格に対応した製品は、前述のAV機器『SC-PM77MD』『DVD-S75』『DVD-S35』、パソコン用アプリケーション『Windows Media Player 9』『Windows ムービーメーカー 2』がすでにリリースされている。今後、ビーエイチエーとアプリックスから“HighMAT”規格対応のCDライティングソフトがリリースされる予定となっていることがすでにアナウンスされているが、マイクロソフトは上記2タイトルのほか、『Shell Burn Wizard』(仮称、開発中)という新たなアプリケーションをリリースするという。これは、ウィザードに沿って画像をCDに保存、メニュー構造を自動生成し、音楽・映像・画像の混在する“HighMAT”規格CDを作成するものとのことだ。今回のセミナーでデモに利用された“HighMAT”規格CDは、この『Shell Burn Wizard』を利用して作成したものとのことだったが、残念ながら『Shell Burn Wizard』自体を見ることはできなかった。
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『SC-PM77MD』 | 『DVD-S75』 | |
19日に発表された松下電器産業の“HighMAT”対応AV機器 |
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『Windows Media Player 9』の“デバイスへ転送”の画面。右上部分のデータの転送先に“HighMAT”CDの項目がある(赤枠部分) |
現在のところ“HighMAT”規格はCD作成/再生を定めた規格となっている。CDのほか、SDメモリーカード、記録型DVDも手がける松下は、現段階でSDメモリーやDVDも“HighMAT”規格に取り込んでいくのは難しいとしながらも、これらの各規格のメリット、SDやDVD規格とのすり合わせなどを踏まえ、SDメモリーカードや記録型DVD分野への“HighMAT”規格の応用/適用も検討しているという。
