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NTTエレクトロニクス、次世代光ネットワーク向け『AWGルータ』の販売を開始――スター型接続でフルメッシュ型ネットワークに対応

2003年03月20日 23時45分更新

文● 編集部

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エヌ・ティ・ティ エレクトロニクス(株)は20日、“波長周回性”を持たせた新型の“アレイ導波路格子(AWG:Arrayed Waveguide Grating)”型光合分波器を開発し、『AWGルータ』として同日付けで販売を開始すると発表した。

『AWGルータ』の入出力波長対応の例
『AWGルータ』の入出力波長対応の例(入力側の5ポートに入力された5波多重化された光が、5波多重化された光として出力側の5ポートに出力されている)

“波長周回性”は、複数(N個)の入力チャネルと複数(N個)の出力チャネルを持つ光合分波回路において、異なるチャネルから入力された同じ波長の光信号が、過不足なく必ず異なる出力チャネルから出力されるような光合分波特性で、これを利用すれば、波長を変えることでネットワークの経路を選択できることから、次世代フォトニックネットワークのキーとなる“波長ルーティング”のひとつとして注目されているもの。多重化された光信号の波長の種類を、入力/出力ポート数と同じ数だけ用意すれば、波長を単位としてすべての入出力ポート間をフルメッシュに接続できるのが特徴。

スター状の光ファイバーでフルメッシュ型ネットワークを構成
スター状の光ファイバーでフルメッシュ型ネットワークを構成できる。左は物理的な接続構成で、右が論理的な接続構成

これにより、AWGルータを中心として光ファイバーでN個のノードをスター状に接続すれば、N個のノードをフルメッシュ型で構成する場合に比べて光ファイバーの本数を大幅に削減できるという(ノード数が8で約29%、32では6%まで削減可能)。また、光合分波器を受動部品“平面光回路(PLC:Planar Lightwave Circuit)”で構成しているため、光と電気の相互変換を行なう必要がなく、電源も不要となり、信頼性も高いという。

『AWGルータ』には、“CWDM(Coarse Wavelength Division Multiplexing:低密度波長多重)”対応の小規模版と“DWDM(Dense wavelength division multiplexing:高密度波長多重)”対応の大規模版を用意する。“CWDM”対応製品の基本仕様は、入力/出力が8ポート(MUコネクター)で、中心波長が1471nm、1491nm、1511nm、1531nm、1551nm、1571nm、1591nm、1611nm。バンド幅は±5nmで、最大光強度は+23dBm。挿入損失は8.5dB以下。電源は不要。筐体サイズは1Uで19インチラックに搭載可能という。

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