2月26日、米Turbolinuxが保有していたサーバ管理ソフト『PowerCockpit』関連の資産を買収し、新たに『PowerCockpit 2.0』として発売した米Mountain View Data。同社CEOであり、米Turbolinuxの前身となるパシフィック・ハイテックの創業者でもあるCliff Miller氏に、Mountain View Data設立の経緯や、『PowerCockpit』資産買収までのいきさつ、今後の事業などについてインタビューした。
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米Mountain View Data CEOのCliff Miller氏。 |
ユーザーのニーズを考えて製品を作るというのは変わっていない
ちょっとTurbolinuxの話になってしまうのですが、1997年に最初に製品を出したときから一緒にバンドルしていたソフトウェアもありました。当時Applixが作っていたワープロとか、Officeソフトウェアですね、それから、リョービの商用フォントとか、いくつかの商用プログラムをバンドルして製品を出していたので、フリーな部分とそれからプロプライエタリな部分が両方ありました。
Mountain View Dataでも、フリーな部分だけでなく、クローズドな部分もあります。『PowerCockpit』は、開発環境とコンソール部分のサーバはLinuxで動いていますけれども、管理ターゲットのサーバはWindowsでもLinuxでも対応しています。いずれにせよ、ユーザーのニーズを考えて製品を作っていかないといけないと思うんです。もちろん、Mountain View Dataの『MVD Powered NAS』も、Macユーザー、Windowsユーザー、Linux/UNIXユーザーが使える製品です。
アイディアはいくらでも出てくる
もう1つ、『PowerCockpit』の特徴としては、かなりレベルの高いソフトウェアといいますか、クラスタリング自体は、かなり技術の高い分野ですので、たとえばグラフィックレンダリングや医療関係など、ターゲットが割と上の方になります。中小企業というよりは、巨大なエンタープライズシステムや、技術的に優れているところ、たとえばCADやCAMをやっている会社のように、エンジニアがたくさんいるところ、あるいは特殊な業界、医療関係の製品を作っているところとかですね。ただ、こういう分野はですね、“Early Adopters”(初期の採用者)になります。クラスタリングはこれから広がっていくと思いますが、そのためにはやはり、ソフトウェアが使いやすくならないといけません。『PowerCockpit』は、そこの部分をかなりうまくやっていると思うんです。管理ソフトウェアがないと、クラスタの構築や管理がものすごく厄介なんですね。
例を申しあげますと、ビデオ・オン・デマンドのシステムがありますね。たとえば、全国50個所にホテルがあるとして、東京に配信するビデオのライブラリを置いて、それぞれのホテルにキャッシュサーバをおきます。ビデオは必要に応じて、キャッシュサーバを通じて配信されますが、これもやはり、インターネットを通じた大きなクラスタシステムだという風に考えられます。こういったシステムの管理には『PowerCockpit』が向いているんですね。インストールの時やアップデート、それから管理自体にも使えるわけです。さらに、我々の『MVD Sync』を利用してデータの配信も可能です。また、バックエンドにはストレージが必要ですね。ビデオのライブラリには『MVD Powered NAS』を使えるわけです。ですから、『MVD Sync』と『MVD Powered NAS』を『PowerCockpit』のプラグインモジュールにすることによって、より充実したシステム構築が可能になるわけです。
もう1つの例は、全国にたくさんあるコンビニの店舗で、各店舗にアプライアンス+カメラがあって、インターネットを通じてそのデータを中央に集めるというようなシステムも考えられます。アプライアンスの管理は『PowerCockpit』で、それからデータのやりとりに『MVD Sync』を使って、バックエンドに集まってくるところに『MVD Powered NAS』を入れることが考えられます。こういうシステムは、アイディアを考えれば考えるほど、いっぱい出てくると思うんです。
