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【レゾナント特集 Vol.1】ブルーノート東京の迫力あるジャズ演奏とセレスティンホテルのディナーを満喫!!

2003年03月12日 00時00分更新

文● 松本 俊哉

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NTTが昨年11月に発表した“光”新世代ビジョンに描かれる新しいコミュニケーション環境“レゾナント”は、単にウェブブラウズやダウンロードが速くなるだけではない。双方向の高速通信が実現する、真のユビキタス環境や迫力の映像/音楽コンテンツをASCII24編集部が一足先に体験!

昨年劇場公開された『スター・ウォーズ エピソードII クローンの攻撃』や、2003年正月映画として封切られた『ハリー・ポッターと秘密の部屋』など、一部の作品では衛星配信を利用したデジタル上映がときおり試験的に行なわれている。映画のデジタル上映が全国的に軌道に乗ることで、フィルムのプリントや流通、上映時の人手が削減でき、配給・興行両面での大幅なコストダウンが期待できる。加えて、どの劇場でも均一に高水準の画質・音質を提供することが容易になり、観客にとってもメリットは大きい。もっとも、設備導入にかかる初期費用の壁もあって、普及にはまだ時間がかかりそうだ。

こうした試みは空から(衛星配信)だけではなく、地上でも光ファイバーを利用した高速回線を通じて高解像度映像の配信システムのテストが繰り返し行なわれている。

NTT未来ねっと研究所
35mmフィルムを800万画素にデジタル化し、ネットワークを介してストリーム上映する。上映する際に特殊技能は要求されず、映写技師に頼らず高画質・高音質の映画を上映できる

例えば、神奈川県横須賀のNTT未来ねっと研究所では昨年、大森一樹監督の短編『明日からの記憶』を800万画素のデジタルシネマに変換して、IPストリーム配信の試験を行なった。800万画素と聞いてもピンとこないかもしれないが、解像度に直すとハイビジョンの4倍に当たる3840×2048ドット、データ転送レートは250~350Mbpsにも及ぶ膨大なデータ量になる。これを、D-ILAプロジェクター(反射画素電極と透明電極を組み合わせた反射式プロジェクター)によって350インチスクリーンに投射するという、きわめて大掛かりな配信試験だ。

同11月にはシカゴ-ロサンゼルス間で平均300Mbps転送の公開実証実験が成功し、その配信距離は前述の試験の飯田橋-銀座間の5kmから3000kmへと一気に長距離化した。また同時に、日米間の3拠点総延長6000マイル(1万km)で相互に6Mbpsの映像をリアルタイム配信する実験でも成功を収めている。

これらのノウハウは、今後劇場映画のデジタル上映が普及するための礎になるのは間違いない。映画のネットワーク配信が当たり前の世の中になれば、上映する時間帯や来場した観客の年齢層・男女比に応じて作品を切り替えたり、同じ作品でもその日の来客数によって広い劇場と狭い劇場を使い分けるなど、興行側の柔軟な対応が可能になる。地方に増えつつあるシネコンにとっては、願ってもない話だろう。また、導入コストが下がれば、市民ホールや公民館などでも高画質・高音質の映画上映ができるようになる。

ところで、こうした技術は業務用途向けで、エンドユーザーには直接恩恵をもたらさないのかというと、そんなことはない。実は、そのトライアルがすでに始まっているのだ。

南青山のジャズ生演奏の高画質映像を
都内と札幌にリアルタイム配信

NTTは、高速通信が可能な光ネットワークによるユビキタス化を見据えて、双方向のブロードバンドコンテンツ事業などの新規開拓を行なう“レゾナントコミュニケーション”を標榜している。現在その一環として、東京・青山のライブハウス“ブルーノート東京”のジャズ演奏を、東京・芝のセレスティンホテルと北海道・札幌のジャスマックプラザホテルにリアルタイム配信する試験サービスが予定されている。その開始に先駆けて、2月26日に““BB Live by Blue Note Tokyo”at GRAND CROSSプレビューナイト”がセレスティンホテルで実施された。

セレスティンホテル
トライアル当日のセレスティンホテル“GRAND CROSS”。ここでは、普段からバーカウンターの上に設置した100インチディスプレー3台で酒食にまつわるオリジナルコンテンツを流しているが、ライブ配信となるとまた趣が異なる。上品な雰囲気の中、音楽と一緒にゆったりと食事を味わえるわけだ

当日は、ブルーノートに4台のSDTVカムとステレオマイクが配置され、その映像と音声はスイッチャー/ミキサーを経由して、MPEG-2エンコーダーでリアルタイムに圧縮、6Mbps(CBR)/720×480ドットで送出した。データは映像専用線『メガライブ』を通じて配信サーバーへ送られ、NTT-BBのセキュアなコンテンツ配信ネットワーク上を“HSACプロトコル”に制御されて各サーバーに伝送、そこから地域IP網(Bフレッツ)へ入り、同ホテルの1Fレストラン・GRAND CROSSに設置されたSTB(セットトップボックス)へと渡される。GRAND CROSSのバーカウンター前には150インチの大型スクリーンが展開され、ライブ映像は液晶プロジェクターが投射した。

セットトップボックス
今回のテストに使われたSTB『光ビジュアルプレーヤー』

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