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インテル、Centrinoに関する“事前”説明会を開催

2003年02月28日 00時00分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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インテル(株)は28日、都内で記者・パソコン雑誌関係者を集めて3月12日に正式発表を控えるモバイルパソコン向けアーキテクチャー“Centrino(セントリーノ)”の事前説明会を開催した。通常、こうした事前説明会では情報開示までの期限が定められ、守秘義務が発生するのだが、今回は「IDF(Intel Developers Forum) 2003 Springで開示された資料がほとんどなので、一部情報を除き即日公開していただいて結構です」(バニアス タスクフォース マネージャ 菅原直人氏)という異例の説明会となった。

菅原直人氏
バニアス タスクフォース マネージャ 菅原直人氏

実際、菅原氏の説明はIDFでの発表内容と重複するものが多く、記者や雑誌関係者には新鮮みの欠けるものではあったが、情報をまとめると

  • Centrinoモバイル・テクノロジーは、CPUの『Pentium M』、Pentium M対応チップセット(Intel 855PM/GM)、最初はMini PCIモジュールで提供されるIEEE802.11b準拠の無線LANアダプター『Intel PRO/Wireless 2100』の3つが揃って、Centrinoと呼べる(ロゴプログラムの対象となる)
  • 上記のうち1つでもかけた場合、例えば無線LANモジュールに他社製品を使った場合はCentrinoマシンではない
  • Centrinoは当初0.13μm(130nm)プロセスルールで設計されるが、2003年後半には90nmプロセスルールに微細化され、現在よりも低電圧での稼働が可能になる
  • Pentium Mのラインナップは、通常電圧版が1.30/1.40/1.50/1.60GHz、低電圧版は1.10GHz、超低電圧版は0.90GHz(900MHz)
  • 省電力機能として、“拡張版SpeedStepテクノロジ”を採用するが、これは同名のモバイルPentium 4のものとは異なり、負荷に応じて動作クロックが200MHz刻み(動作クロックに関わらず最低動作クロックは600MHz)で細かく調整される

などとなる。

Centrinoモバイル・テクノロジ Centrinoの位置づけ
“Centrinoモバイル・テクノロジ”を構成する3要素Centrinoは一部の(高クロックCPUを求める)フルサイズノートパソコンを除き、ノートパソコンの全領域をサポートする、と説明

また、省電力設計や無線LANの普及への同社の取り組みについても紹介され、ハードウェアサプライヤー(米シスコシステムズ社ら)/ISP(インターネット・サービス・プロバイダー)/SI(システムインテグレーター)/公衆無線LANなどのロケーション/セキュリティーソリューションなど、無線LANを取り巻くソフトウェア/ハードウェアなどの環境をまとめた“エコシステム”を提案、関連企業との協業により提供していると説明。具体的には、すでに空港やホテルなどで設置されている公衆無線LANスポットで接続性やVPN(仮想プライベートネットワーク)/ファイアウォールの検証を行ない、安定して接続できる場所を一目で見分けられるようなステッカーを張って認知を高めていく、地図サービスを提供するウェブサイトと提携して、プロバイダーを問わずに指定した場所の近辺で使える公衆無線LANスポットを一覧できるサービス“Lycos無線LANスポット”を提供している、などと同社の活動を報告した。

Intel 855PM Intel 855GM
チップセットにIntel 855PMを使った場合のシステム構成グラフィックスアクセラレーターコアを内蔵したIntel 855GMでの構成例。どちらもサポートするメインメモリーの容量は最大2GB

最後に記者から、「無線LANのIEEE802.11gへの取り組みは?」という質問に対し、「6~7月に正式に仕様が公開された段階で検証し、その後対応していくことになるだろう。ただし、企業にアンケートした結果、当面求められているのはIEEE802.11aで、天井にアクセスポイントを設置するだけで、見通しのいいオフィスであれば高速な無線通信が可能になる。一方、家庭では壁を通過する必要があるため、IEEE802.11bや11gなど2.4GHz帯の規格が有望だろう」と答えた。

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