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メルコ、IEEE802.11g対応無線LAN製品の記者向け説明会を開催

2003年02月27日 22時02分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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(株)メルコは27日、都内でプレス関係者を集めてIEEE802.11g対応無線LAN製品に関する説明会を開催した。これは、現在ドラフト段階の規格であるIEEE802.11g対応製品を発売しているメルコが、「製品が先行して市場に出ていながら、ベンダー(メーカー)から情報が出てこないという状態を解消するため」(広報担当の白水(しらみず)氏)に開いたとのこと。

石丸氏&柚木原氏 IEEE802.11g
IEEE802.11g対応製品の販売にいたる経緯と技術解説を行なった石丸氏(左)と柚木原氏(右)説明会場に出展されたIEEE802.11g対応無線LANアクセスポイント『WBR-G54』

最初にブロードバンドソリューションズ事業部 マーケティング担当の石丸正弥(いしまるまさや)氏が壇上に立ち、「メルコが過去に発表しながら製品化前に中止してしまった無線LAN製品(22Mbps製品やIEEE802.11a、およびIEEE802.11a/bコンボ製品など)と、正式な規格化の前に“ドラフト段階”でのIEEE802.11g対応製品を発売した理由から説明したい」と切り出した。石丸氏の話をまとめると、

  • 無線LANはノートパソコンを中心に搭載が進んでいるものの、まだまだ普及の余地がある
  • 普及が遅れている理由はIEEE802.11bの通信速度の上限(最大11Mbps)と、(有線LANに比べて)アクセスポイントやアダプターカードの価格が高いこと
  • より高速な(最大54Mbps)IEEE802.11a規格が正式に公開され、各社から対応製品が出てきているが、5GHz帯の無線は到達距離の短さや遮蔽物への回りこみにくさなど、2.4GHz帯に比べて使い勝手が悪くなる
  • 通信速度向上のメリットから、一時はIEEE802.11a対応製品を発表したが、メルコのユーザーには(ネットワークや無線機器の)初心者層が多く存在するため、通信速度が向上するトレードオフとして使い勝手が悪くなるものを提供するわけにはいかないと考え、発売を断念
  • 次に、IEEE802.11bの拡張規格としてスタートしていた22Mbpsの無線通信規格の対応製品を検討(ニュース発表)したが、最終的にIEEE802.11g規格としてドラフトがまとまったため、メルコはこちらを選択した

というのがこれまでの経緯となる。

また、「規格化直前のドラフト段階とはいえ、遠距離の到達率の向上のために、“無線コントローラーチップの性能向上”“RF(アンテナ周り)の回路設計の強化”“ファームウェアやデバイスドライバーの最適化”という3点から完成度を高めており、最新のRev 6.1(対応ファームウェア&ドライバーは3月7日にメルコのウェブサイトで公開)を使うことでIEEE802.11bとIEEE802.11gの混在時における転送レートへの影響をかなり(1Mbps程度の低下まで)低減できる」(石丸氏)としている。

IEEE802.11b/g混在 ベンチマークテスト
IEEE802.11bとgの混在における、パフォーマンス低下を最小限に会場で行なわれたテスト風景。1回4Mbpsまで落ちたが、ほぼ連続して19~20Mbpsを持続しているのが分かる

同じくブロードバンドソリューションズ事業部 マーケティング担当の柚木原 功(ゆきはら こう)氏は、その理由について「従来は転送速度の遅いIEEE802.11bと高速なIEEE802.11gにプライオリティー(優先度)をつけずに通信していたため、同じデータ量を転送する場合でもIEEE802.11bに占有される時間が長かった。新しいファームウェア&ドライバーではIEEE802.11gの優先度を高めることで、実効速度の向上が図られた」と説明した。

また、3月6日ごろにデスクトップパソコン向けにPCIバス用無線LANアダプター『WLI-PCI-G54』を発表予定で、価格は1万2800円。出荷開始は3月下旬。さらにUSB 2.0接続の無線LANアダプター『WLI-USB-G54(仮)』も開発しており、こちらは5月下旬出荷予定と、今後の製品展開の一部が明かされた。

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