写真1 有線LAN、CFスロットに差した無線LANカード、同じくCFスロットに差したPHSカードと、目的に応じてネットワークの運用形態を選ぶことができる。内蔵カメラだけでなく、ビデオ機器を外部映像入力端子につないで配信することもできる。 |
インターネットのアクセスラインのブロードバンド化がしきりに叫ばれるようになると、映画や音楽のストリーミング配信実験とか、ビデオ・オン・デマンド実験とかを、大手といわれるキャリア、ISP、コンテンツプロバイダなどが催したりする。はたしてインターネットはコンテンツでお金を取れるメディアとして成長するのか。技術は確実に進歩すれども、現実に直面すると課金の問題とか、回線帯域やバックボーンの問題とか、なんだか夢と現実の間をいったりきたり、一歩進んだあとはさらに一歩進んでいるのか二歩下がっているのかよく分からなかったりする。
インターネットの世界でオーディオやビデオのコンテンツがリッチになるのは歓迎すべきことだけど、大手の思惑とはまったく別の個人レベルで、ビデオタイトルがまるごと大量にヤミ流通していたりして、ますますなんだかなぁという気分になる。
画面 受け手側はグローバルIPアドレスをWebブラウザに入力すれば、このようなメニューが表示されビデオ配信を受けることができる。形式はWindows Mediaベース。リアルタイムからは約5~10秒程度の画像の遅れが出る。 |
そんなアングラな側面をクローズアップするつもりも正義を持ち出すつもりもないのだけれど、自由があってこそのインターネットだというのは今後もずっと変わらないように思う。ナローバンドの頃からインターネットの自由さの象徴として(わたしが)感じていたことにライブカメラがある。ありのままの姿の映像垂れ流し。あれをうらやましく思ってしまうのは、いったいどういう心のひだなんでしょうか。
常時接続回線と、このネットワークビデオサーバがあれば、インターネットライブカメラがすぐ実現可能になる。MPEG-4対応で、CIF(352×288ドット)サイズ時のビットレートは128kbpsでの配信が可能。受け手側はADSL1.5Mbpsのサービスでも帯域は十分。IPアドレスを持った単体のネットワーク機器として使えるので、運用時はホストPCも不要だ。
側面 | 背面 | |
写真2、3 内蔵カメラに加えてマイクも内蔵し、音も同時に配信される。写真には写っていないが、L字型のブラケットが付属し、壁掛け時でもカメラの向きは調節可能。 |
CFスロットに無線LANカードを差せば、本体の設置場所を選ばずにLANやWANネットワークへとビデオを乗せることもできる。IPネットワークに乗せて世界にビデオ配信することもできれば、P-in M@sterなどのPHSカードをCFスロットに差して、PHS/ISDN回線経由で極めてセキュリティの高いP to Pのビデオ配信もできる。柔軟性の高さもこの製品のポイントだ。実売で6万円弱という価格設定は今後急激な普及の可能性を秘めている。
BROAD STREAM TSR-MS4の主なスペック | |
製品名 | BROAD STREAM TSR-MS4 |
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エンコーダチップ | MegaChips製MA55132 |
カメラ部撮像画素 | 1/5インチCMOS 10万画素 |
動画圧縮方式 | MPEG-4(ASF形式) |
解像度 | 352×288/176×144/128×96ドット |
配信データレート | 32k~768kbps(10段階) |
通信プロトコル | HTTP/FTP/PPP/PPPoE/SMTP |
同時アクセス数 | 5アクセス |
ネットワーク | 10BASE-T、IEEE802.11b(CFにより対応) |
インターフェイス | 無電圧接点1入力、NTSCビデオ入力、マイク入力、CF TypeII |
サイズ(W×H×D) | 50×180×70mm |
重量 | 約390g |