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【IDF Spring 2003 Vol.3】サーバー用プロセッサーとチップセットのロードマップを公開――2005年には90nmプロセスのItanium2“Montecito”が登場

2003年02月21日 21時50分更新

文● 塩田紳二

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IDFの3日目は、サーバーや通信関連の話題が中心となる。サーバー用のプロセッサーとしては、IA-32ベースのXeonと、64bitプロセッサーであるItanium系がある。

IA-32系のほうは、Itaniumがまだまだ立ち上がり時期にあることもあって、しばらくは、性能強化が続けられる。プロセッサーが速くなるのはもちろんだが、新しいチップセットに加え、ネットワークやストレージ関係も強化されるようだ。

IA-32系サーバー用プロセッサーとチップセットのロードマップ

デュアル/シングルプロセッサー用Xeonのロードマップ
デュアル/シングルプロセッサー用Xeonのロードマップ。2003年末までに90nmプロセス、1MBキャッシュの“Nocona”が登場

そのIA-32系サーバーのインテルのロードマップによれば、Xeonのシングル、デュアルプロセッサー用は、2003年第4四半期に“Nocona”(コード名)が登場し、マルチプロセッサー用には、2004年の下半期に“Potomac”と呼ばれるプロセッサーが登場する。

2004年下半期に90nmを使った“Potomac”が登場
2Wayを超えるマルチプロセッサー用のXeonは、2004年下半期に90nmを使った“Potomac”が登場予定。これは、おそらく“Prescott”などの“NetBurstマイクロアーキテクチャ”の改良を取り入れると思われる

これに対してチップセットは、年内は、7501/7505が使われるが、2004年には、Xeonの4Way、デュアル(Dual)、シングル/ワークステーション(WS)用に3つのチップセットが登場する予定。Xeon4Way用のチップセット名は、“Twincastle(ツインキャッスル)”(コード名)と呼ばれ、デュアル用は“Lindenhurst(リンデンハースト)”(コード名)という。シングル/WS用もチップセットが用意される予定だが、名称はまだないようだ。

いままで、インテルは、デュアルプロセッサー用までは、チップセットを用意し、それ以上は、メーカーまかせといった感じだったのだが、どうも、その方針はやめて、少なくとも4Wayまで(ここまでなら、それほど大規模な回路は必要ない。インテル系のCPUは、割り込み処理の関係から、4wayを超えるプロセッサーでは、ある程度の外部回路が必要で、構成がかなり複雑になってしまう)は、ちゃんとサポートすることにしたようだ。おそらく、これは米Advanced Micro Devices(AMD)社の“Opteron”対策ではないかと思われる。Opteronは、マルチプロセッサー化が容易で、CPUを増やしたほうが、メモリーアクセスが分散されるために性能が向上しやすいからである。

サーバー系のチップセットロードマップ
サーバー系のチップセットロードマップ。2004年には、Xeon用チップセットやネットワークコントローラー、RAID用I/Oコントローラーなども一新される

AMDは、どちらかというと、最初のターゲットをXeonにしているようで、Itaniumは無視している。というのも、システム価格が違い過ぎるからだ。逆に、Xeon相手なら、64bitというメリットを生かすこともできる。

2004年のチップセットであるTwincastleは急に出てきたコードネームだし、製品の存在のみを示してコードネームを出さない(Xeonのシングル/WS用チップセット)というのも珍しいことだ。ウワサによれば、90nmプロセスの開発が遅れており、これがインテル全体の製品計画に大きく影響したらしい。本来、90nmの製品は、今年の第3四半期あたりがターゲットだったのだが、1四半期遅れて今年末ぐらいからのスタートになる。

AMDの製品がインテルから見て悩ましい部分があるのは、必ずしもインテルの製品のようにシステムの切り分けが明確ではないことだ。Opteronは、サーバーにも使われるだろうが、製造の問題が解決し、大量生産が可能になれば、ハイエンドプロセッサーとしてデスクトップやWSといった範囲にも使われるだろう。とすると、WS分野についても、ある程度強化プランが必要になるうえに、2Wayを超えるマルチプロセッサーについても強化が必要になるからだ。半導体のことなので、何の用意もなくいきなり製品が登場することはありえないが、コードネームさえ未定で存在を明かにするというのは、いわゆる“口先介入”でしかない。OEMに対して、「この分野もちゃんと強化するんですよ」というメッセージなのである。

名前が出せないというのは、複数の設計があって、どれを使うか未定なのか、あるいは、手軽な方法として、すでに設計が進行、終了しているチップセットに対してバリエーションを作るのかといった対応策をどうするのかを決めかねている状態と思われる。Celeronのキャッシュのように、実際には存在している機能を使えないようにして出荷するようなやり方をするメーカーである。たとえば、デュアルプロセッサー用のチップセットに手を入れて、シングルプロセッサー用として出すぐらいのことは考えているだろう。

Itanium系ロードマップ

Itanium系は、“Madison”が“Itanium2”として出荷され、“Deerfield”が“低電圧版Itanium2”(ただしデュアルプロセッサーまで)として登場する。チップセットは8870が使われる予定。こちらの90nmへの移行は2005年となり、2004年は、“Madison”のキャッシュ強化版(もちろんクロックも上がるが)、および、Deerfieldのクロック強化版だけとなる。

2005年には90nmプロセスで作られる“Montecito”
“Itanium2”は、今年、低電圧版(1GHz、1.5MB3次キャッシュ)と1.5GHz、6MB3次キャッシュのプロセッサーが登場。2005年には90nmプロセスで作られる“Montecito”が登場

2005年には、“Montecito”が登場するが、これはマルチプロセッサー版はマルチコア(1つのパッケージの中に2つのプロセッサーコアが入っている)となり、そのシングルコア版が、低電圧版としてデュアルプロセッサーまでの製品ラインに登場する。

今回のキーノートでは、なぜかItanium2のマルチプロセッサーとクラスターの比較デモが行なわれた。プロセッサー数が同じ、2つのシステムを比較して、クラスターよりもマルチプロセッサーが有利ということを示すものなのだが、なぜ、わざわざこのようなデモを見せるのかが不思議なところ。

NEC“EXpress5800”がTPCベンチマークで記録更新
NECのItaniumマシンである“Express5800”が、またもやTPCベンチマークでの記録を更新。非クラスター分野で2位につける処理能力を達成した

1月末の“LinuxWorld 2003”など見るに、高性能なシステムとしてクラスター構造を取る“HPCC(High Performance Computing Cluster)”の市場は立ち上がりつつある感じで、従来の専用プロセッサーを使ったスーパーコンピューターに対して、XeonやItanium(あるいはOpteron)といった汎用プロセッサーを使ったHPCCが取って代わりそうな勢いがある。

なので、ここで、クラスターを否定するようなデモをわざわざ行なう必要はないし、逆に、クラスターシステムのメーカー(たとえば、米SGI社は、Itaniumを使うクラスターシステム“Alix 3000”シリーズを今年初めに発表)の反発もあるだろう。もっとも、キーノートのステージには、米ヒューレット・パッカード(HP)社のマルチプロセッサーマシンである“Superdome”(PA-RISCを使ったシステムをItaniumに変更したもの)が置いてあり、インテルとItaniumを共同開発したHPを優遇したのかもしれない。

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