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PC-MM1-H1W

PC-MM1-H1W

2003年02月18日 00時19分更新

文● 宇野 貴教

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PC-MM1-H1W

シャープ

オープンプライス(実売価格:約17万円)

  • 043-299-8021(コンシューマセンター 東日本相談室)/06-6794-8021(同 西日本相談室)
  • http://www.sharp.co.jp/

POINT

PC-MM1-H1W
「PC-MM1-H1W」
  1. B5サイズで13.7mmという圧倒的な薄さ
  2. 約950gと軽く持ち運びが苦にならない
  3. クレードルでデスクトップと素早く接続
独自の開発力で「薄さ」にこだわり続けるシャープ。その結果は“MURAMASAシリーズ”として市場に送り出されユーザーの評価を得てきた。そして今秋、ついにその薄さのノウハウを投入したモバイル特化ノートが登場。薄さ以外にもユニークな特徴が盛り込まれており、モバイルユーザーは要注目である。


薄さに注力するMURAMASAシリーズ

スタンド
写真1 言うまでもなく薄い。10.4インチ液晶搭載のノートPCでは最薄最軽量となる。薄いだけではなく剛性もとれており、天板と底面はマグネシウムを使用している。よく見るとネジも隠されて少なくなっている。
PC-MM1-H1W
「PC-MM1-H1W」レビュー(from 月刊アスキー)。写真をクリックすると当該記事に移動します

 「Mebius」シリーズはシャープのノートPCブランドだが、そのMebiusシリーズの中にはさらに「Mebius MURAMASA」と銘打たれたブランドが存在し、薄型、軽量とモバイル向けの個性豊かなノートPCばかりがラインナップされている。このMURAMASAブランドのノートPCは「薄さ」と「軽さ」の2つに重点を置いて開発されている。これまで登場したMURAMASAシリーズは、16.6mmという薄さを実現して話題となった「PC-MT1シリーズ」、厚さ25.4mm/重さ1.97kgで光ディスクドライブを搭載する「PC-MV1シリーズ」で、どちらも他社製品には見られない薄さと軽さを同時に持ち、MURAMASAブランドの地位を確立するのに十分な支持をユーザーから得ることになった。シャープの小型化と筐体設計技術の高さが優れていることの証と言えるだろう。



手持ち
写真2 誰に持たせても「軽い」のひとこと。それは950gという実際の軽さだけではなく、薄いことやシンプルなデザインなど、目からの印象も大きいだろう。雑誌を持ち歩く感覚で運用することができるマシンだ。

 そして今回登場したMURAMASAシリーズ新モデルとなるノートPC「PC-MM1-H1W」は、薄さと軽さの2つに加え、新たに「モバイル」に重点を置いて設計されている。初代MURAMASAの直系であるPC-MT1シリーズもモバイルノートに属するが、12.1インチ液晶を搭載するB5ファイルサイズノートであり、モバイルとデスクワークの両方をこなせるマシンというイメージであったため、このPC-MM1がMURAMASAシリーズ初のモバイルに特化したノートとなる。

 PC-MM1の液晶は10.4インチで本体の大きさはB5サイズに近い。10インチクラスの液晶を搭載したB5ノートPCはこれまでにいくつもの機種が登場しておりさほど目新しくないが、PC-MM1はこの大きさで最薄部13.7mm、重さ約950gという圧倒的なモバイル性能を持っている。一見しただけで強烈な薄さであることがわかるため、そのインパクトは絶大だ。キーボードやポインティングデバイスといった操作性も十分に確保されており、ボディのも外側にマグネシウム、内側にアルミニウム素材を使うことで質感と剛性のどちらも確保されている。実際に手に持って使ってみることで、見た目だけでなく中身もモバイルノートとして完成されたマシンであることが実感できるだろう。



クレードル連携
写真3 本機最大の特徴であるクレードル連携機能。USB 2.0対応というところもひとつのポイントだ。クレードル接続の際はMM1側は電源が切られているため、起動ドライブを含めたイメージショットをバックアップできる。

クレードルはメーカーが提案する
モバイルノートPCの使い方

天面
写真4~8 前面にはAC・バッテリ・無線LAN・HDDインジケータが、左面にはクレードル用接続端子、外部ヘッドフォン、USB 2.0端子が、右面にはPCカードスロット TypeII、USB 2.0端子、100BASE-TX、ACコネクタが配置される。USB 2.0端子が左右両方に配置されているのは、「ユーザーが便利なように」とのシャープ開発者のこだわりだ。
前面 背面
前面背面
左側面 右側面
左側面右側面
4側面

 このモバイルに特化した性能だけでも十分魅力的だが、本機は“クレードル”というPDAではおなじみだがノートPCでは聞き慣れないデバイスが付属している。クレードルにはバッテリ充電用のACアダプタ接続端子のほかにUSBコネクタがついており、PC-MM1本体を装着した状態で他のPCとクレードルをUSBで接続すると、PC-MM1のHDDを外付けHDDとして利用できるというユニークな機能を持っている。このUSBポートはUSB 2.0に対応しているのでデータの転送速度も申し分ない。これまでは持ち運ぶたびに机のスペースを空けたり、ACアダプタやLANケーブルといったケーブル類を接続する必要があったのを、クレードルによりバッテリ充電からデータの連携までワンタッチかつスマートに行えるようにしたわけだ。本体は立てたままでよいので設置面積も取らないというメリットもある。屋内でもデスクトップとノートの両刀使いだという人にはあまり意味がないものの、ノートをモバイル専用マシンとして使うのならこのクレードルの利用価値はかなり高い。メーカーサイドが提案する新たなモバイルノートの利用方法だと言えるだろう。

 また、他のPCとの連携にクレードルを使うという発想には、使い勝手の配慮のほかにPC-MM1のスリムなボディをアピールしたいというメーカーの思いが込められている。確かにクレードルに装着したPC-MM1を正面から見ると、机に置いておくよりもその薄さがはっきりとわかる。モバイルノートを欲する人が販売店やオフィスでその姿を見たならば、所有欲をくすぐられることは間違いなく、クレードルの開発者はなかなかの策士と唸らざるを得ない。

PC-MM1とクレードルによる
モバイルライフ

 PC-MM1の魅力はなんといってもモバイルに特化したボディとクレードルだ。B5サイズの薄いボディと1kgを切る軽さは、積極的にパソコンを外へ持ち運びたいと思わせる雰囲気を放っている。事実、薄いため鞄の中への出し入れはスムーズで、小さく軽いために鞄の中で邪魔にならず重さも苦にならない。流行の無線LAN機能を内蔵しているのもポイントが高い。接続設定切り替えソフトがプリインストールされているので、オフィスやホットスポットごとの接続設定もワンタッチで切り替えることが可能だ。ホットスポットでインターネットなんて面倒くさいと敬遠していた人でも、やってみようと思わせるほどの手軽さを備えている。

 外出先で得たデータをデスクトップPCで使う際もクレードルによりワンタッチで接続できケーブル着脱の手間はない。これは持ち出す際も同様で、とにかく素早くスマートに着脱できるのがクレードルのよいところだ。また、クレードル接続時は外部HDDとして見えているため、PC-MM1のバックアップやリストアを簡単に行えるというメリットがあり、そのためのツールとして「HDD革命BackUp/Lite」が付属している。何かしらの要因で起動できなくなっても、データの待避や復活作業は行えるわけだ。ただし、これらはいずれもPC-MM1をセカンドマシンとして利用することを前提とした話である。母艦となるデスクトップマシンがオフィスなり家庭なりにあってこそ、PC-MM1のモバイルと独自の性能が生きてくると言えるだろう。

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