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NTT、プログレッシブ対応のリアルタイムMPEG-2エンコード/デコードが同時処理可能なCODEC LSI“ISIL”を開発

2003年02月13日 23時12分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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日本電信電話(株)は13日、都内で記者発表会を行ない、従来専用チップを複数個連携して実現していた“480/60P(プログレッシブスキャン)”のMPEG-2エンコード/デコードを同時にリアルタイム処理するCODEC LSI“ISIL(開発コードネーム)”を開発、エヌティティエレクトロニクス(株)(NTTエレクトロニクス)より製品名『SuperENC-III』として販売することを発表した。サンプル出荷開始は4月以降で、1万個ロット時の参考価格は5000円を切るものと見られる。

SuperENC-III
『SuperENC-III』のサンプルチップ

ISILは、3070万トランジスターを集積し、0.13μmプロセスルール(メタル配線)で製造されるCODEC LSI。内部にデコーダーコア/エンコーダーコア/オーディオ変換用DSPコア/デュアルメモリーインターフェース/マルチプレクサー&デマルチプレクサー(映像と音声の信号を多重化、または分離する機構)などを持ち、消費電力1.5W以下で動作するという。パッケージは457ピンBGA(Ball Grid Array)で、サイズは17×17mm。電源電圧はコア1.5V、I/O 3.3V。480/60Pのほか、従来のインターレーススキャンの480/30Iもリアルタイムエンコード/デコード処理が可能で、より解像度の高い720/30P(毎秒30フレームのプログレッシブスキャン)も、エンコードもしくはデコード処理のいずれか一方であれば実行可能となっている。

開発経緯 用途 チップ概要
NTTのリアルタイムMPEG-2エンコード/デコードチップ開発の経緯プレゼン資料より。想定される主な用途。将来的にはウェアラブルな映像デバイスにも組み込みたいというISIL(開発コードネーム)の内部。従来は多チップ構成に必要だったチップ間のリンク機能などを省略し、省電力化を図った

主な用途は、リアルタイム配信を行なうビデオカメラや、ノートパソコンなどに接続するモバイル動画キャプチャーデバイスなどのコンシューマー製品(DVカムコーダーへの搭載が予定されている)、ならびに高画質なTV電話やTV会議システムなどを想定している。また、同社の提案する光ネットワークによる多様なサービス展開“レゾナントコミュニケーション”構想の一翼を担う製品と位置づけている。将来は、720/60Pや1080Iなど、HDTVレベルの高解像度への対応に向けて開発に取り組んでいるとのこと。

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