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企業情報システム展示会“NET&COM2003”開催

2003年02月08日 01時44分更新

文● 編集部 阿蘇直樹

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NET&COM 2003

(株)日経ビー・ピーが主催する、企業向け情報・ネットワークシステムの展示会“NET&COM2003”が5日から7日まで幕張メッセで開催された。

前身となる展示会“Open Systems Expo”から数えて11回目にあたる今回は、“実践! ブロードバンドで企業革新”がテーマ。“ネットソリューション”“システムソリューション”“ネットセキュリティ”“Webソリューション”“CT/CRMソリューション”の5つの展示ゾーンを設け、ネットワークを活用した企業情報システムに関する多様なソリューションを展示していた。



ソニーのポータブルサーバーが人気のネットソリューションゾーン

ネットソリューションゾーンに設けられたソニーマーケティング(株)のブースでは、4日に発表したばかりのポータブルサーバー『FSV-PGX1』を展示し、多くの来場者の関心を集めていた。

『FSV-PGX1』プレゼンテーション
『FSV-PGX1』のプレゼンテーション。ファイルサーバーとしての機能を中心に紹介していた

『FSV-PGX1』は、無線LAN機能と20GBの2.5インチHDD(ユーザーエリアは17GB)を搭載し、OSにLinuxを採用した小型のサーバー。CPUは米ナショナル セミコンダクター社のGeodeを採用しているという。ファイルサーバーだけでなく、ウェブサーバーやftpサーバー、DHCPサーバーとしても利用できる。サービスの起動/終了やネットワーク設定はウェブブラウザーを通じて行なう。

『FSV-PGX1』展示 『FSV-PGX1』設定画面
展示されていた『FSV-PGX1』。ファイルの管理にはウェブブラウザーを利用している『FSV-PGX1』設定メニュー。ウェブブラウザーを通じて、起動するサービスの設定やネットワーク設定、無線LANの電波強度などを設定する

独自の機能として、無線LANの電波強度を3段階で調整する機能が搭載されている。これにより、無線LANの利用可能範囲を最大100m程度から最短で5m程度(障害物がない場合)の範囲で調整でき、セキュリティー強化が可能になるという。

同社の説明員は、「職場にも自宅にもPCがあるのに、わざわざ重たいノートPCを持ち運ぶのは不便だという意見や、プレゼンテーション会場で参加者にその場で資料を配付したいという意見など、社内でもこういった製品のニーズがあった」と語り、自宅に仕事を持ち帰る場合や、出先でファイル共有する必要が生じた場合などを想定した製品であると紹介した。

VoIPとCRMパッケージが目を引いたCT/CRMソリューションゾーン

CT/CRMソリューションゾーンのエヌ・ティ・ティ・コムウェア(株)のブースでは、VoIPソフトスイッチやIP電話端末など、VoIPソリューション製品“NEXIPT”シリーズを出展していた。

“NEXIPT”ラック既存の電話回線とIP電話を併用する装置『UNI-GW』やソフトスイッチ『SS70V』、構内PHSをIP電話網に接続するためのサーバーなどを搭載したラック。

NEXIPTシリーズには、大きくIP電話事業を行なうキャリアー向けのソリューション、事業所内で利用するビジネスユーザー向けのソリューション、顧客対応窓口などのコンタクトセンター向けソリューションの3タイプがある。今回展示されていたのは、ビジネスユーザー向けのソリューションに利用される機器群で、Solaris 8上で稼働するソフトウェアスイッチ『SS70V』や、既存の構内PHS電話をIP電話に対応させるためのサーバー、IP電話端末などだ。

各種IP電話端末
さまざまなIP電話端末。通常のビジネスホンと同様に利用できるものや、PDAに無線LANカードを搭載してIP電話として利用する機種などが展示されていた

同じくCT/CRMソリューションゾーンにブースを構えていたエヌ・ティ・ティ・ソフトウェア(株)(NTTソフトウェア)は、米CosmoCom社が開発したVoIPコールセンター構築ソフト『CosmoCall Universe』や、(株)ベイテックシステムズのCRMシステム『BayContact』などのデモを行なっていた。

『CosmoCall Universe』デモ
『CosmoCall Universe』システムのデモ。右側にあるのがコールセンター側の端末、左にあるのが顧客の端末となる。

CosmoCall Universeは、顧客からのウェブやメール、電話による問い合わせを管理し、各オペレーターに接続する機能を持つサーバーと、ウェブ、メール、電話のメッセージを管理するサーバー、各オペレーターが利用する専用クライアントソフトなどからなるシステム。参考出品されていたシステムでは、ショッピングサイトを見ている顧客がウェブページに用意された問い合わせボタンを押すことで、オペレーターとのチャットが可能になるといったデモが行なわれていた。なお、CosmoCal Universeは現在のところ日本語版は販売されておらず、今回の展示の反響などを見ながら発売時期などを検討するとしている。

『CosmoCall Universe』顧客側の端末
顧客側の端末には特別なソフトは必要なく、Windowsに標準で含まれるウェブブラウザーや『Windows Media Player』などを利用してコールセンターとコミュニケーションを行なう。テレビ電話を利用するには、顧客側でもウェブカメラを用意する必要がある

BayContactは、顧客からの問い合わせメールを形態素解析し、適切な返事メールを用意するというシステム。NTTソフトウェアの形態素解析エンジンとCRM(Customer Relationship Management)システム『BayMarketing』を組み合わせ、顧客の問い合わせ情報の管理や、広告メール配信の効果などを測定し、マーケティングデータを収集することもできる。ベイテックシステムズの説明員は、BayContactについて「これまで顧客に送信するメールをカスタマイズするツールはあったが、顧客からのメールを分析するツールはなかった。この製品を使うことで、これまでのCRMから、顧客情報を活用した戦略であるCRS(Customer Relationship Strategy)を検討できるようになる」と説明した。

『BayContact』オペレーター画面
『BayContact』で顧客の問い合わせに返信メールを作成する画面。形態素解析エンジンでテンプレートが用意されるが、最終的にはオペレーター自身でチェックする必要がある
『BayContact』顧客管理情報画面
『BayContact』から、これまでの顧客の問い合わせ状況などの顧客情報を参照することができる。この情報をもとに、オペレーターは必要な返信メールを作成する

和風建築型のブースも登場したシステムソリューションゾーン

システムソリューションゾーンの(株)SRAのブースでは、先月31日にベータ版を公開したデータベース『PowerGres』を利用したソフトとして、都築電気(株)のグループウェア『Intramerit』を展示。IntrameritはJavaベースのアプリケーションで、Windows、UNIX、Linuxなどで動作する。グループウェアとして一般的な機能を持つだけでなく、GUIのワークフロー編集ツール“ワークフローパック”を利用して自由にカスタマイズすることができる。データベースエンジンには、これまでOracleやDB2、PostgreSQLなどに対応しており、今回『PowerGres』に対応したことで、「Windows上で低価格のグループウェアシステムを構築することが可能になる」(都築電気の説明員)としている。

『Intramerit』 『Intramerit』ワークフローエディター 『Intramerit』インターフェースエディター
『Intramerit』のポータル画面。スケジュール管理やワークフロー管理など、グループウェアの基本的な機能はひととおり用意されている『Intramerit』と組み合わせて利用する“ワークフローパック”。GUIでワークフローを設計することができる『Intramerit』のインターフェイス作成ツール。インターフェースを作成すると、必要なJavaのオブジェクトが自動的に組み込まれるため、サーバーサイドJavaプログラミングの知識がなくても容易に機能を追加できる

同じくシステムソリューションゾーンに和風建築のようなブースを構えていたのは、ERPパッケージ“奉行シリーズ”で有名な(株)オービックビジネスコンサルタント。全12種類の“奉行シリーズ”を紹介していた。また、4月には人事管理システム『人事奉行21』を発売する予定。既存の給与管理システム『給与奉行21』や就業管理システム『就業奉行21』などと連携し、人事考査情報や異動履歴情報などを管理する製品になるそうだ。

和風ブース
会場正面から向かって右側奥にあったオービックビジネスコンサルタントのブース。「奉行シリーズのイメージにあわせて和風にしてみました。ちょっと浮いてるかも知れませんが……」(説明員)

システムソリューションゾーンとネットソリューションゾーンの境にブースを置いたエヌイーシーソフト(株)は、日本電気(株)のブレードサーバー『Express5800』を展示。同製品を利用したメールサーバーシステム構築サービス“エンタープライズメッセージングソリューション”を紹介していた。このサービスは、企業向けのメールシステムについて、導入前のコンサルテーションからシステム提案、設計、構築、運用管理までを行なうもの。基本的にはLinuxと商用のメールサーバーソフト『Sendmail』を利用してシステムを構築する。説明員によれば「ブレードサーバーを利用しているのは、将来のスケールアップが低価格で可能になるため。顧客の要望に応じて、NEC以外のハードを利用したシステム構築にも対応する」とのことだ。

ブレードサーバー『Express5800』
NECのブレードサーバー『Express5800』。ブレードを増設するだけでシステムのスケールアップが可能なため、メールサーバーやウェブサーバーなど、ビジネスの拡大にあわせてスケールアップが必要なシステムを容易に管理することができる

ワコム“手書きサインで電子認証”-ネットセキュリティゾーン

ネットセキュリティゾーンの(株)ワコムは、イスラエルのWonderNet社が開発した手書きサイン認証システム『PenFlow』と、ワコムの液晶ペンタブレット『PL-550』やタブレットPC、PDAを組み合わせたシステムを展示していた。

『PenFlow』デモ
『PenFlow』システムのデモを行なっていた、液晶タブレット『PL-550』

『PenFlow』は、手書きサインの形状や入力時の筆圧、ペンを動かすときの速度などで判定する認証システム。認証の際にデータベースに登録された手書きサインデータを更新し、サインの経年変化にあわせて学習するといった機能を持つ。すでにイスラエルの金融機関で個人認証に利用されているほか、裁判所で文書へのアクセスコントロールにも利用されているという。現在のところWindows XP/2000/Me/98およびWindows CE 3.0に対応したコンポーネントとして提供されているが、必要に応じてほかのプラットフォームに移植することも可能だ。ワコムの担当者は「電子認証のシステムはほかにも生体認証やIDカードによる認証などさまざまなものがあるが、すべての認証システムを同じ技術にする必要はないだろう。適材適所で検討してほしい」と語った。

『PenFlow』とPKIを組み合わせたシステム
『PenFlow』と公開鍵認証システムを組み合わせたデモ。文書の同一性を保証するシステムを構築することもできる

Linux版ウイルス検出ソフトも話題に

ソフトの受託開発や販売を行なう(株)シースターコーポレーションは、システムソリューションゾーンにブースを設置し、日本エフ・セキュア(株)のLinux版アンチウイルスソフト『F-Secure アンチウィルス Linuxゲートウェイ』などを展示していた。日本エフ・セキュアはネットセキュリティゾーンに自社ブースを設置し、同ソフトや、それを利用したソリューションなどを紹介していた。

『F-Secure アンチウィルス Linuxゲートウェイ』デモ
『F-Secure アンチウィルス Linuxゲートウェイ』の管理画面。プロキシーサーバーに組み込み、リアルタイムでパケットを調査する

『F-Secure アンチウィルス Linuxゲートウェイ』は、プロキシーサーバーに組み込むことでPOP3/SMTP/HTTP/FTPのパケットをスキャンし、ウイルスを検出するソフト。カーネル 2.2以降のLinuxに対応している。Linuxウイルスだけでなく、WindowsやMS-DOSのウイルスやワーム、トロイの木馬などを検出することも可能。パターンファイルは1日に数回自動的に更新される。単体パッケージだけでなく、ホライズン・デジタル・エンタープライズ(株)のファイルサーバーソフト『HDE File Server 2.5』に組み込む『HDE Anti-Virus for File Server』などにも採用されている製品だ。説明員によれば「他社製品と比べて日本での知名度はまだ低いが、クライアントPCに組み込む製品と比べて管理が容易というメリットがある。企業ネットワークなどをターゲットに販売を進める」ということだ。

目新しい機能を紹介するコンシューマ向けのイベントではなかったこともあり、全体として派手な展示は少なく、むしろ企業のCRM戦略や情報管理戦略などに直接訴求するような製品が多く見られた。とはいえ、来場者の多くは展示そのものよりも、各展示ブースで行なわれるプレゼンテーションを通じた情報収集に関心があったようだった。

トレンドマイクロのプレゼンテーション
トレンドマイクロ(株)ブースで行なわれていたプレゼンテーション。出展社ブースで行なわれていたプレゼンテーションはいずれも人気を集めていた

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