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VALUESTAR F VF900/4D

VALUESTAR F VF900/4D

2003年02月07日 00時25分更新

文● 川添 貴生

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VALUESTAR F VF900/4D

NEC

オープンプライス(30万円前後)

POINT

VALUESTAR F VF900/4D
「VALUESTAR F VF900/4D」
  1. 簡単にユーザーを切り替えられる『ファミリーボタン』
  2. 充実ライティング環境のDVDマルチドライブ
  3. 高輝度液晶をさらに明るくする『VISUAL』ボタン
NECの新カテゴリーである“ファミリー”に属する「VALUESTAR F」は、家族で使うことを想定して丁寧に作り込まれた製品だ。この家族向けの製品群は、他メーカーを見渡してもこれまで手薄だったジャンルであり、2002年冬モデル最大のヒットとなる可能性を秘めている。


ラインナップを一新
新カテゴリーも創出

 今回のNECの製品は、従来のデスクトップとノートという区分けを廃止し、家族全員での利用を想定した“ファミリー”、個人での利用に向く“パーソナル”、そして最先端の技術を投入し、モバイルやホームサーバーなど、特定の用途向けの“ニューコンセプト”の3つに分けた。この3つのカ テゴリのそれぞれに、デスクトップもあればノートもあるという形になっている。ここでは、新コンセプトとして登場した“ファミリー”の中から「VALUESTAR F(VF900/4D)」をレビューする。

ファミリーボタンで
ユーザーの切り替えを容易に

ファミリーボタン
写真1 4人のユーザーを瞬時に切り替えられる“ファミリーボタン”。現在利用しているユーザーをLEDで示してくれるのも親切だ。

 VF900/4DはVALUESTAR Fの最上位機で、省スペース型の本体に17型ワイド液晶ディスプレイ(1280×768ドット)を組み合わせた製品。前面のパネルはシルバーだが全体の外装にホワイト、そして製品ロゴ部分のオレンジがアクセントになって暖かな雰囲気を演出している。

 VALUESTAR Fでは、家族での利用を想定した工夫が、ハードウェアとソフトウェアの双方で組み入れられている。その1つが、キーボード上に用意された“ファミリーボタン”だ。スペードとハート、ダイヤ、クラブと、各々の記号が描かれた4つのボタンがあり、そのいずれかを押すと、あらかじめそのボタンに設定されたユーザーでWindows XPにログインできる。



ファミリー環境設定ツール
画面 ファミリーボタンのどの記号に誰を割り当てるのかを設定する“ファミリー環境設定ツール”。ボタンの機能が一目で分かる。

 このファミリーボタンを活用するために“ファミリー環境設定ツール”というソフトも用意されている。各ボタンごとにユーザー名や使用する壁紙、パスワードなどを設定可能だ。Windows XP単体でもこうした環境は構築できるが、キーボード上に専用のボタンがあることで、パソコンに不慣れな人でも気軽に自分の環境に切り替えて使用できる。ログオフなどの面倒な手順は必要ない。

 家族で1台のパソコンを共有するとき、家族でも自分のメールは読まれたくない、あるいは大切な書類を間違って消されたくないなど、それぞれのプライバシーや環境をどうやって守るのかが問題となる。今回のキーボード上のファミリーボタンは、そうした問題を乗り越える、現実的かつ非常にわかりやすい解決策と言えるだろう。



家族で使えるソフトも充実

左側面 前面
背面 右側面
写真2~5 筐体は「VALUESTAR T」「同 C」と共通だが、配色を変えたことでまったく印象が異なる。前面の右下のパネル内に、PCカードスロットと光デジタル出力、IEEE1394、USB 2.0×1が用意されている。また、背面にはUSB 2.0×2、IEEE1394、DVIポートなどが並ぶ。アナログRGB端子は装備しない。

 家族向けソフトの充実も見逃せない。お母さんにうれしい「お料理マム2 ポケットレシピ」や「家庭の医学」、子どものための教育用ソフト「ケンチャコ大冒険 ようちえん、小学1~6年生(2学年目まで無償で利用可能、3学年目以降はキー購入の必要あり)」や英語教育ソフトの「LittleFox」など、多くのソフトが詰まったDVDが付属する。こうしたソフトの選び方を見ていると、製品のターゲットユーザーに近い人たちが企画したというNECの言葉にも納得できる。

 有害なウェブサイトへのアクセスを遮断する『i-フィルター Personal Edition』もプレインストールされている。特に子供がいる家庭で、そうしたサイトを子供に見せたくない場合に活用したい。なお、フィルターソフトでポイントとなるのはウェブサイトのリストの更新だが、i-フィルター Personal Editionには最新リストを1年間入手できる権利が付属しており、安心して利用できる。

機能満載のテレビチューナカードに
高輝度液晶で充実の視聴環境を提供

DVDマルチドライブ
写真6 DVD-RAM/R/RW、CD-R/RWと多様なフォーマットとメディアに対応するDVDマルチドライブ。さまざまな用途で活用できるだろう。

 光学ドライブには、DVD-RAM/R/RW、CD-R/RWに対応するDVDマルチドライブを搭載する。また、テレビ/DVD関連の機能も充実している。ハードウェアMPEG-2エンコーダを搭載するテレビチューナカードは、3次元Y/C分離やデジタルノイズリダクション、タイムベースコレクタといった高画質を実現するための機能を持つ、豪華な仕様となっている。DVDの視聴では「InterVideo WinDVD」を利用する。これはNEC特別バージョンで、インターフェイスがテレビ視聴に利用する「SmartVison 2.0」と統一されている。こうした細かい配慮もうれしい。



液晶パネル前面
写真7 17型ワイド液晶ディスプレイは、そのままでも十分高輝度だが、テレビ視聴時などにさらに明るくできる“VISUAL”ボタンを用意する。

 付属する液晶ディスプレイは、そのままでも十分見やすい高輝度・高コントラストを実現しているが、“VISUAL”ボタンを押すことで通常時よりもさらに高輝度で表示できる。コントラストも維持されるので暗部にも締まりがあり、見栄えのいい画質で映像を堪能できる。

 テレビやDVD、音楽再生の操作を行なえるリモコンも付属する。テレビやDVDを見る場合なら、キーボードやマウスを使わず、リモコンだけでほとんどの操作ができる。リモコンでマウスカーソルの操作も可能で、Webブラウザを使う際に便利な“戻る”ボタンまである。リモコンの受光部が液晶ディスプレイにあり、本体とは別に受光部を設置する必要がないのもポイントが高い。



背面
写真8 背面のグレーのスイッチを動かせば、簡単に筐体を開けることができる。ドライバーなどは一切必要ない。

 “ファミリー”はNECにとって新しいカテゴリーだが、VALUESTAR Fの製品としての完成度は高く、今後ラインナップの中核となるであろうパフォーマンスを秘めている。特に、個々人の使い方に合わせ、ファミリーボタンでユーザーを一発で切り替えるというアイデアは秀逸だ。家族で使うパソコンを考えているなら、このFシリーズは間違いなく最良の選択肢となる。

VALUESTAR F VF900/4Dの主なスペック
製品名 VALUESTAR F VF900/4D
CPU Pentium4-2.0AGHz
チップセット SiS651
メモリ(最大) DDR SDRAM 256MB(1GB)
ビデオ チップセット内蔵
HDD 120GB
FDD 外付け(USB接続)
光メディアドライブ DVDマルチ(DVD-RAM2倍速/DVD-R2倍速/DVD-RW1倍速/DVD10倍速/CD-R12倍速/CD-RW8倍速/CD32倍速)
スロット PCI×2(ハーフサイズ)、PCカード(TypeII×2)
I/O USB 2.0×6、IEEE1394×2、パラレル、DVIポート、PS/2×2、モデム、光デジタルオーディオ出力、ビデオ入力
通信 10/100BASE-TX
ドライブベイ 5インチ×1、3.5インチ×1
サイズ(W×D×H) 120×373×350mm
重量 約8.6kg
OS Windows XP Home Edition
アプリケーション Office XP Personal、てきぱき家計簿マム3、SmartVision 2.0、WinDVD 4 for NECほか
ディスプレイ 17型ワイド液晶ディスプレイ(1280×768ドット)

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