インテル(株)は15日、都内で新年記者懇親会を開催し、米インテル社の2002年度第4四半期および2002年通年の決算を発表するとともに、Pentiumプロセッサーの誕生から10年の節目を迎えたとして、同社の代表取締役社長兼米インテルのセールス/マーケティング事業本部副社長のジョン・アントン(John Antone)氏、取締役兼通信事業本部長の高橋恒雄氏、取締役 開発・製造技術本部長の城 浩二(しろ こうじ)氏らが挨拶に立った。
代表取締役社長兼米インテルのセールス/マーケティング事業本部副社長のジョン・アントン(John Antone)氏 | 取締役兼通信事業本部長の高橋恒雄氏 | 取締役 開発・製造技術本部長の城 浩二氏 |
米インテルとしての2002年度の第4四半期の売り上げは約72億ドル(約9000億円)で、前期(第3四半期)と比べて10%、前年同期実績に比べて3%の増加。純利益は約10億ドル(約1250億円)で、同じく53%、108%の増になったという。会見では決算の内容(要約)、ならびに部門別の財務状況についても紹介された。これによると、マイクロプロセッサーやチップセット、マザーボードの開発・製造を行なう“インテル・アーキテクチャ事業”は堅調な伸びを見せているものの、フラッシュメモリーや無線/携帯端末向けプロセッサーを扱う“ワイヤレスコミュニケーションズ&コンピューティング事業本部”、およびEthernet関連製品を扱う“インテル・コミュニケーションズ事業本部”は2002年通年で赤字を計上している。
松下電器産業(株)が開発中のCentrino対応サブノート | (株)東芝が開発中のCentrino対応サブノート。これらはコードネームBaniasの記者説明会などで、すでに参考出展されていたもの | |
Centrinoアーキテクチャー対応のノートパソコンの参考出展 |
この点について同社では、「今年前半には、先日発表した低消費電力ハイパフォーマンスなアーキテクチャー“Centrino”を搭載したノートパソコンが各社から出てくる。これらを筆頭に、ワイヤレスLANを搭載した高性能パソコンが続々出てくる。インテルでは通信とコンピューティングの融合を押し進め、チップセットやプロセッサーへの通信機能の融合も図っていく。これは通信機器全体のコストを下げるメリットがある」(アントン氏)、「インテルの90nmプロセスの精密設計技術は、CPUだけでなく通信機器にも積極的に採用していく。合わせて300mmシリコン技術の採用により、低コスト化が進められる」「不況が叫ばれる日本だが、ハイテク分野では相変わらず高い競争力がある。インテルはそれらとコラボレーションしていくつもりだ。機械そのものだけでなく、今後は材料をいかに開発していくかが発展の鍵になる」(城氏)などと述べた。
インテルが参考出展した、ネットワークプロセッサ「PXA425」の開発プラットフォーム。こちらは動作デモも見せていた | NTT東/西日本が参考出展した、現在開発中というPXA425採用のブロードバンドルータの基板 |
また、会見後のデモルームでは東日本電信電話(株)(NTT東日本)/西日本電信電話(株)(NTT西日本)が開発中という、インテルのネットワークプロセッサー『IXP425』を採用したブロードバンドルーターのデモや、10年目となるPentiumプロセッサー誕生から現在までのCPUの進化をパネルで紹介した。
インテルの関連グッズも取り揃えられた |