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【オーバークロック研究室】Pentium 4をガス冷でオーバークロック(その2)

2002年12月29日 01時32分更新

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 ここまでの施工段階でCPUにエバポレータを装着し、試験的にマシンを動作させてみた。動作クロックは様子見でもあり、規定値をセットした。すると運転時間の経過とともにエバポレータを囲うプラスチックハウジングの一部に結露現象が発生。コンプレッサー本体の一部にも霜と水滴が付着する事が判明。そこで一旦、運転を打ち切って次の対策を施した。

当初の予定では、パテをここまで盛りつけるつもりはなかった。しかし運転時間の経過と共にエバポレータを囲うプラスチックハウジングの一部に結露現状が発生。そのための対策としてハウジング全体をパテで覆った。
コンプレッサーに霜と水滴が…
コンプレッサーにもパテで結露対策を施した。結果は意外と効果的で、60分経過でも先ほどのような霜と水滴の発生を抑えられているようだ。
Pentium 4-2.8GHzを3.36GHzにオーバークロックしてエバポレータ温度マイナス16℃、ヒートスプレッダー温度マイナス8℃にまで下げてVapochillの冷却性能をテストした。

 CPU周辺とコンプレッサーに少々大げさとも思える結露対策を施して、どうにか常用可能と思える所まで到達した(フイルム状のヒーターや断熱材などが揃った純正のSocket478用追加キットを使うことなく)。なお、結露対策を終えてこのVapochillの冷却性能を数値的に調べた結果をグラフにあらわしてみた。これは、規定クロックとオーバークロック設定のそれぞれにおいてSuperπを走らせながら30秒おきにエバポレータ温度とヒートスプレッダー温度を記録したものだ。双方のグラフを比較すると一目瞭然だが、エバポレータの温度はスタート直後から30秒ほどでおおむね落ち着いてしまう。その一方で、ヒートスプレッダー温度は時間の経過とともにジリジリと上昇している点に違いがみられる。これは、現状のリテンション方法ではエバポレータとヒートスプレッダーの密着度に限界があることを意味しているように思われた。仮に両者をロウ付け等の方法で固定する(そのままだと確実にコアは焼けてしまうのでペケ)、あるいはヒートスプレッダーを省いてコアを直接冷却できるものなら、グラフはもう少し違ったカーブを描くのではないだろうか。つまり、理想的にはPentiumIIIのFC-PGAパッケージのようにコアがムキだし状態のPentium 4があれば更に冷やし込めると考えられる。しかし、現状のPentium 4を改造して実践するには、CPUを壊してしまうリスクが大きい。

VapochillのChillcontrolが表示するエバポレータ温度の変化状況。
ヒートスプレッダーに接触させておいたセンサーで温度変化を調べてみた。

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