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【オーバークロック研究室】Pentium 4をガス冷でオーバークロック(その2)

2002年12月29日 01時32分更新

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●ガス冷却装置の性能と結露対策

 前回の(その1)で報告した通り、最初の冷却テストではCPUを動作させていない条件だとエバポレータ温度はマイナス16℃まで下がった。できることなら、もう少し下がらないものかと冷却能力の余力を探るつもりでVapochill本体の上部を占領している冷却装置を中心に調査してみた。

コンプレッサー本体に固定されている制御ユニットの端子(C)(T)間にはモーターの回転数をセッティングする抵抗が接続されている。

 まず、このVapochillの冷却装置は、Danfoss製「BD35F」がベースになっており、エバポレータを中心にAsetek社のアレンジを受けた仕様で組み込まれているようだ。さっそくDanfoss社のWebサイトからBD35Fのデータシートを入手してみたところ、電源やファンなど各装置の接続図や性能に関する数値表などが記載されていた。その中で主にコンプレッサーを制御しているユニットに注目してみる。実機では、プラスチック製のパッケージ(3.5インチFDドライブを少し縮めたほどのサイズ)がコンプレッサー本体の横に固定されている。この制御ユニットは、データシートに記載されている通り電源の入出力やLEDモニター端子に加えて、コンプレッサー内部のモーターの制御に関する端子を備えている。このうちモーターの制御に関する(C)(P)(T)という端子のセッティング方法を調べてみると(C)(T)間の外付け抵抗の抵抗値に応じてモーターの回転数が変化する仕様になっている事が判明した。ちなみに抵抗値が高いほど回転数が上がり、約1.5Kオームほどの抵抗値で最高回転数(3500rpm)に達する(逆に0オームだと2000rpmにセットされる)。すぐに実機のセッティングパラメータを調べてみたところ最高回転数を指定する1.5Kオームの抵抗が接続されていた。つまり、すでにコンプレッサーは、最高の性能を発揮するようにセッティングされているということになる(考えてみれば当然だが、ある意味残念)。

元のクーリングファンより厚みのあるファンに交換してみたが

 次に着目した点は、コンデンサに取り付けられたオリジナルの120mm角25mm厚ファン(12V160mA)である。これを同じ120mm角で厚みが40mm(12V540mA)のファンに取り替えてみた。通電すると予測通りにファンの騒音が大きくなり、コンデンサのエレメントを通過する風量も勢いも格段に増加したハズなのだが、その割にはエバポレータの温度をさらに下げるほどの効果は導き出せていないようだ。結局、Vapochillの周りをウロウロしただけで「さらに温度を下げる」という目的は達成できなかった。

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