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「来年はメールによるマーケティングにフォーカスする」─ダブルクリックの木戸孝社長

2002年12月19日 17時06分更新

文● 編集部 阿蘇直樹

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ダブルクリック(株)は19日、トランス・コスモス(株)によるTOB(公開株買い付け)方式での子会社化が12月17日に完了したことを受け、2002年の総括と来年度以降の抱負を説明する記者懇親会を開催した。

トランス・コスモスによるTOBは11月26日に開始され、12月16日までにダブルクリック株5万2000株の買い付けが完了している。これにより、トランス・コスモスは、米国子会社である米Trans Cosmos USAが所有するダブルクリック株と合わせて62.39%を所有することになり、ダブルクリックはトランス・コスモスの連結子会社となっている。

ダブルクリック代表取締役社長兼CEOの木戸孝氏は、2002年は広告自体は成長したものの、広告単価が下落したにも関わらず、米DoubleClick社の影響で対応が遅れたとして「厳しい1年になった」と語った。

ダブルクリック代表取締役社長兼CEOの木戸孝氏
ダブルクリック(株)代表取締役社長兼CEOの木戸孝氏

一方、今年の成果として、各企業が自由にダイレクトマーケティングを行なうことができるといったインターネットのメディア特性が明らかになったと語り、“DARTmail”サービスを中心とした、メールによるダイレクトマーケティング分野にフォーカスしていくことを明らかにした。

また、トランス・コスモスによるTOBについては、日本市場に対応した意志決定をより迅速に行なうことが可能になったと評価し、携帯電話向けのサービスなど、日本市場にあった戦略についても柔軟に対応するとの考えを明らかにした。一方で、日本の電子商取引市場は米国に比べて2年は遅れており、今後はバナー広告などによるブランディングではなく、メールを活用したダイレクトマーケティングが中心になると語り、米DoubleClickのノウハウを活用し、RFM分析(※1)などをインターネットの世界でも実現するためのコンサルティングなども提供すると語った。

※1 顧客の購買履歴から、“Recency”(最近の購買)“Frequency”(頻度)“Monetary”(金額)を点数化し、合計ポイントで顧客を分析する手法。通信販売などで顧客分析に用いられる。

顧客のプライバシーの問題については、広告業界では厳密に管理している一方、一般企業では管理体制が整っていないと語り、顧客の同意があること、入手した顧客情報の目的外利用はしないといった基本的な事柄についての啓蒙が必要であるとの考えを示した。

広告業界全般については、地上波デジタル放送などの新しい媒体のもつ可能性を示唆する一方、インターネット上の“リッチメディア広告”との競合がおきるのではないかと懸念を示した。しかし、「それでもインターネットではメールによるダイレクトマーケティングが生き残る」と語り、“DARTmail”サービスや、メール配信管理ソフト『ClickM@il』といった製品を中心に、メールによるマーケティング分野に注力することを強調した。

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