- ファイアウォール規則のカスタマイズ、機能自体を切り離してほかの製品と組み合わせられるなど上級ユーザーにとっても使いやすくなった。
- β版の段階では無線LANモードの具体的な内容が不明で、実際の効用がわからない(製品版での詳しい説明に期待したい。)。
【A】ファイアウォールの指定などは、設定画面にまとめられている。/【B】シンプルモードは全ドライブのワンタッチ検索、状況の表示、アップデートの3つだけ。/【C】プロフェッショナルモードではドライブ/フォルダ単位でのウイルスチェック、履歴の表示などができる。 |
ウイルス対策の定番ツール「ウイルスバスター」に、新たに“リアルセキュリティ”というサブネームが付いた。看板は多少変わったが、ウイルスやネットワークの不正アクセスからPCを守ってくれるというスタンスは不変だ。
●【ワンタッチで無線LAN用にファイアウォールを変更】 ファイアウォールの設定を無線LAN環境向けにワンタッチで切り替えてくれる。暗号化やユーザー認証などを行ってくれるわけではないが、ホットスポットのような公共の無線LAN環境を使う機会が多い人にはうれしい機能。 |
さらに今回は、特に危険なウイルスが流行していると、感染しているいないにかかわらず、メッセージで警告してくれる。しかも最新パターンファイルのダウンロードまで自動化されたので、更新を怠ったためにウイルスの被害に遭う可能性はかなり減りそうだ。
また、ウイルスの隔離機能に付随して、新たにウイルス処理アシスタントという一種の対話形式ヘルプが登場。これまでは感染ファイルが隔離されても、そこでどう対処していいかわかりにくかったが、アシスタントが付いたことで状況に応じた処理方法が明確になった。これなら初心者でも安心だろう。
●【ウイルスを発見しても慌てず処理できる】 「ウイルス隔離」をクリックすると、処理画面に切り替わる前に「ウイルス処理アシスタント」が起動。隔離したファイルを削除する場合や残しておく場合に、どのようにしたらいいかを対話形式で教えてくれる。また、Webメールのウイルスにも新たに対応した。 |
ファイアウォールの設定も標準的なものはあらかじめ登録済みだから、通常の使用においては特に設定の必要はない。ファイアウォール設定が「中レベル」(デフォルト)の場合、標準以外のアクセス(Windowsのエラー報告もこれにあたるようだ)があると警告メッセージが出るが、ここも許可/不許可を選ぶだけなので特別な知識は不要だ。
●【スパイウェアが動作すると警告】 スパイウェアなど、ファイアウォールの初期設定に登録されていないアクセスが発生すると自動的に警告を表示。ユーザーがポートやプロトコルを指定して規則を登録することもできる。 |
このように初心者向けの配慮を推し進める一方で、ポート番号やプロトコル指定によるファイアウォール規則のカスタマイズも可能になっている。しかもファイアウォール機能自体をアンインストールして、ネットワークセキュリティはより高度なソフトに任せるという分業も可能だ。初心者向きという全体の性格は崩していないものの、上級者にとっても選びやすくなったといえるだろう。
編集部注:なお、同社では会社と家庭など、2台以上の環境でウイルスバスター2003 リアルセキュリティを利用する際に便利な「ウイルスバスター ダウンロード販売」(オンライン販売のみ)、および「ウイルスバスター2003 リアルセキュリティ 2ユーザパック」(店頭販売、通信販売)も用意されている。詳しくは同社Webサイトをご確認ください。
ウイルスバスター2003 リアルセキュリティの主なスペック | |
製品名 | ウイルスバスター2003 リアルセキュリティ |
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OS | Windows 98/Me/NT 4.0(+SP6a以上)/2000(+SP2以上)/XP |
CPU | Pentium-166MHz以上(Windows 98/Me/NT 4.0)、Pentiumクラス-300MHz以上(Windows 2000/XP)、マルチプロセッサには未対応 |
メモリ | 32MB以上(64MB以上を推奨、Windows 98/Me/NT 4.0)、64MB以上(128MB以上を推奨、Windows 2000)、128MB以上(Windows XP) 128MB以上(仮想メモリをオンにした状態) |
HDD | 250MB以上、RAID環境には未対応 |
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