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PC-MM1-H1W

PC-MM1-H1W

2003年01月10日 00時02分更新

文● 月刊アスキー編集部・吉川

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ノートPCとしての性能

自動実行用ダイアログボックス MM1のドライブ構成
画面1 MM1をクレードルに装着した直後。(MM1の)Cドライブも見えてしまうからか、コンテンツの自動実行用ダイアログボックスが表示されてしまった。画面2 ホストPC側からMM1のドライブを見る。FドライブとGドライブがMM1。クレードルに挿してから1~2秒後にはこの状態になるし、外すときは抜くだけの気軽さだ。

 クレードル動作が最大のウリであるMM1だが、モバイルノートPCとしての能力も気になるところだ。スペックの詳細は末尾の一覧表を見ていただきたいが、まずはその外形と薄さに注目したい。MURAMASAシリーズは、一貫してシャープの基本コンセプトである「薄さ」を体現してきたノートPCなわけだが、MM1は最薄部13.7mmで、10.4型液晶搭載型のPCとしてはもっとも薄いモデルとなる。また、重量も1kg以下(950g)だから、フルピッチに近いキーボードを持つモバイルノートPCの分野では、形状・重量ともに小さく軽い部類に入るといえよう。

 HDDは15GBで、これは1.8インチHDDを採用した点ですでに容量もほぼ決まったという形だが、データストレージとして考えた場合、少し心もとない。そこでMM1には、ホストPCにMM1内のファイルすべてをバックアップ/リカバリできるように、HDDバックアップツールである「HD革命/BackUp Ver.3」(アーク情報システム)がバンドルされる。

キーボード
写真12 キーピッチは17mm。パームレストも十分とられているのに、キーボードの上下間隔も絶妙にちょうどよく、ストレスを感じさせない。

 キーボードはキーピッチ17mm、キーストローク1.7mm。評価機を触った限りにおいては、キータッチは多少固めだ。ストロークが若干短いので、多少詰まり感を感じなくもないが、キー配置がMURAMASAシリーズと同じである点や、どこかのキーを極端に小さくしてスペースを稼いでいないといった点はうれしい配慮だ。モバイルノートPCだからといってキーボードで四苦八苦することはないと言い切ってしまいたい。ポインティングデバイスはタッチパッドで、パームレストを十分確保するためか、横5cm、縦3.4cmと若干小さめ。クリックボタンはタッチパッドと同じ横幅で、特殊ボタンがないスタンダードなものだ。タッチパッドユーティリティも、Synapticsのものなので、一通りのカスタマイズは可能である。

ポインティングデバイス
写真13 タッチパッド。指との比較で、大体の大きさがお分かりいただけるだろう。

 ネットワークに関しては、IEEE802.11bと10/100BASE-TXが用意されているのだが、シャープお手製のネットワーク環境切り替えソフト「ブロードバンドチェンジャー」がプリインストールされている。これは、無線、有線などさまざまなシチュエーションのネットワーク設定(ブラウザのプロキシなども含む)をプリセットしておき、クリックひとつで切り替えるというものだ。無線LANに関しては、FnキーとF1キーの同時押しで、ハードウェアのオン・オフ切り替えができるようになっている。デバイスマネージャを見る限り無線LANモジュールは「LAN-Express IEEE 802.11 PCI Adapter」であり、Mini-PCIで接続されているようだが、本体の集積度から考えると、交換するなどの改造は難易度が高いだろう。ちなみに、10/100BASE-TXのほうは、Realtek RTL8139/810xとなっている。

 ネットワーク以外のインターフェイスで特徴的なのは、USBが2.0Hi-Speed対応である点だ。USB 2.0が2つ付いていることで、周辺機器との接続に関しても当分の間不安はなさそうだ。PCカードに関してはTypeIIが1基装備されている。



バッテリ
写真14 バッテリ装着部分。中容量、大容量バッテリを装着してもクレードルと物理的干渉が起きないようになっている。

 バッテリは標準で3時間だが、別売りオプションの中容量バッテリ「CE-BL24」(標準価格2万円)で約5.2時間、大容量バッテリ「CE-BL25」(標準価格3万円)で約9時間まで延長される。オプションバッテリはチルトスタンドとしても機能する。どのバッテリを用いても、クレードルに接続することは可能だ。バッテリの重量は標準バッテリが150gなのに対し、中容量が約230g(80g増)、大容量バッテリでは約410g(260g増)となり、大容量バッテリ装着時ですら約1.21kg程度だ。なお、ACアダプタはPC-MTシリーズと同じく、4.4×9.0×2.7cm(W×D×H)/約235gと小型のものが使われている。

 本体の剛性に関しては、触った限りたわんだりは一切しなかった。MM1は、MTシリーズの薄さの秘密である「ボックスラーメン構造(本体内部の骨組みに各パーツを配置し、その周囲を外壁でくるんで強度を確保する構造)」は採用していないが、液晶パネルを閉じた時の印象はボディカラーと相まって「小さな鉄板」といったところだ。


 MM1をノートPC単体として見た場合、競合製品もあるにはあるが、クレードルによる新しいPC運用スタイルを提案しているという点で、単純なスペック比較は意味を成さないだろう。仕事場と自宅、そして移動中という3つのシチュエーションで、いかにデータをうまく運んでいくか? こう考えた時に、MM1の真価が見えてくるはずである。


PC-MM1-H1Wの主なスペック
製品名 PC-MM1-H1W
CPU Crusoe TM5800-867MHz
チップセット ALi M1535+
メモリ(最大) 256MB(PC2100、CMS:コードモーフィングシステムで16MB使用)
グラフィックス Lynx 3DM+(ビデオメモリ8MB内蔵)
HDD 15GB
FDD オプション(外付け)
光メディアドライブ オプション(外付け)
スロット PCカード(TypeII×1、CardBus対応)
通信 10/100BASE-TX、無線LAN(IEEE802.11b)
I/O USB 2.0×2、オーディオ端子、外部モニタ端子
バッテリ 専用リチウムイオンバッテリ(標準:約3.2時間、中容量:約5.7時間、大容量:約9.5時間)
サイズ(W×D×H) 251×206×13.7~19.6mm
重量 約0.95kg
OS Windows XP Home Edition

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