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日本IBM、“エンジニアリング&テクノロジー・サービス”の記者説明会を開催

2002年11月28日 23時31分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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日本アイ・ビー・エム(株)(日本IBM)は28日、IBM箱崎事業所において10月8日に同社が発表した“エンジニアリング&テクノロジー・サービス”(E&TS)の記者説明会を開催した。

三井俊男氏日本IBM エンジニアリング&テクノロジー・サービスのAPディレクター 三井俊男氏

E&TSは、米国/欧州/アジアパシフィックなどIBMが世界的に行なう新事業で、企業の新製品・新サービスの研究/開発/設計/製造などのアウトソーシングをトータルまたは個別に引き受けるほか、資金面での援助(グローバルファイナンス)や保守サービス事業、知的所有権(IP)やノウハウの提供、ならびに顧客の持つIPの活用法を提案するコンサルティング業務まで、幅広いサービスを提供していくという。

E&TS
IBMが果たす役割を示す資料。顧客の要望を聞き取り、それに合った設計提案から試作モデルの製造、量産、メンテナンスまでトータルソリューションを提案するが、個別の案件のみでも受け付けるという

同事業は全世界で700名、日本ではAPディレクターの三井俊男氏を筆頭に170名のスタッフで構成されるとのこと。これらの事業は、IBM自身以前から個別に受注を受け、実施していた内容だが、「今後は企業がいかに早く市場に製品を投入するか、Time to Macketの迅速化、および低コスト化、新技術の取り入れなどが求められる。E&TSは市場規模として全世界で200~300億ドルが見込まれる」(三井氏)と説明し、新事業として注力していくことをアピールした。

BBユニット
ソニーの依頼で日本IBMが製造したシステムチップの一例。プレステ2のブロードバンドユニット内のコントローラチップ(右上)

具体例として、まず(株)ソニー・コンピュータエンタテインメントの家庭用ゲーム機『プレイステーション2』のブロードバンド接続ユニットのシステムチップを挙げ、IDEインターフェースとEthernetコントローラー、プレステ2とのインターフェースを1チップ化するにあたって、設計依頼から6ヵ月で量産化を可能にしたことを紹介した。

テーブルトップキヨスク
(株)ジェイ・シー・エムに提供し、2003年よりレストランチェーン・ガストに設置される予定の“テーブルトップキヨスク”。解像度は800×600ドット、120GB HDD、Pentium 4-1.6GHzを熱対策のため1.2GHzにクロックダウンして使用しているとのこと。サーバーは店舗ごとに設置し、1週間ごとに衛星通信で更新する

また、製品のシリアルナンバーなどを高速に読み取り、認識する画像処理システムを紹介し、ハードウェアの設計/製造だけでなくソフトウェア(アプリケーションやファームウェア、デバイスドライバー)の開発スタッフの技術力をアピールした。

画像認識ソフト 画像認識ボード
画面のデモは、製造ラインを流れるHDDからシリアルナンバーを検出し、記録していくというもの。微細なプリントを拡大するため、プリズムを通しているので、画像は反転表示されているが、ほぼ問題なく正確な処理が行なわれている左側の端子から映像を入力し、画像処理/認識チップとDSPが処理する。上端のコネクターは検査用で、製品では省略されるとのこと
INFO CORE
学校等の現場で、すでに導入実績がある、CPUとメモリー、HDDなどを各種インターフェース部分と切り離して管理・運用することで、個々人データやソフトウェア、環境を個別に管理できるシステム。ノートパソコンを持ち歩くよりも便利だという。左側のリムーバブルHDDのようなユニットを取り外し、中央のPDAタイプや右側のノートパソコンタイプの本体にセットすることで、同じソフト/環境をあらゆる場所で使うことができるというもの。ただし、PDAタイプとノートパソコンタイプの本体はモックアップで、これらはまだ実用化されていない
小型組み込み用プラットフォーム
米トランスメタ社の省電力CPU、Crusoe TM5800-933MHz(組み込み用)とSouthBridge、メインメモリーをPCカードサイズ(54×85mm)に実装し、24時間稼働可能な小型プラットフォームをデザイン。連続稼働では故障の原因になりやすいファンを排除し、企業が求める長期間(5年程度)の部品調達もIBMが保証するという

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