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綜合警備保障とレスキューナウ、災害時の安否確認システムを2003年1月に提供

2002年11月20日 20時27分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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綜合警備保障(株)と(株)レスキューナウ・ドット・ネットは20日、都内で記者会見を行ない、災害時に従業員らの安否を確認する法人向けの新サービス“SOK安否確認サービス”を2003年1月に販売開始すると発表した。サービスの実施は2003年2月からの予定。販売価格は数十~数百人ごとに定額を徴収する方式を予定しており、ユーザー1000名で年額200万円、初期費12万円程度になる見込み。

松本智氏 市川啓一氏
綜合警備保障 常務執行役員の松本智氏レスキューナウ・ドット・ネット 代表取締役の市川啓一氏

記者会見では、まず綜合警備保障の常務執行役員の松本氏が壇上に立ち、「犯罪検挙率の低下が叫ばれ、先日も検挙率が戦後最悪を記録したことが報道された。綜合警備保障としても、災害が起きたあとの対応だけでなく、災害や被害の予防、被害の縮小を考慮した“安全ソリューションカンパニー”として、今回新たなサービスの提供を行なう」と新サービス発足の背景を説明した。

2社の連携
記者会見での説明パネルより。平時から情報収集/管理/配信をレスキューナウ側で24時間365日行なっており、災害などの異常が発生の場合には綜合警備保障が現場へ急行する、というスキームになっている

次に、レスキューナウ・ドット・ネット 代表取締役の市川啓一氏から、同社の設立の経緯、ならびに新サービスの具体的な内容が説明された。市川氏は幼少時をチェコスロバキアで過ごし“プラハの春”と呼ばれるソ連侵攻を経験。小学校での消防車の写生会では生徒の中で唯一、火災現場で消火活動を行なっている場面を想像して絵を書き、表彰された。その絵は現在もオフィスに飾られているという。レスキューナウ・ドット・ネットの設立は2000年4月1日で、前職の日本アイ・ビー・エム(株)での金融機関営業担当時代にTVで阪神淡路大震災を目の当たりにして、自分の経験を被災者救難の役に立てる方法を模索し、災害情報の収集・管理・配信を行なう同社の設立に至ったとのこと。

災害時メール 平常時メール
災害時には安否を確認するメールを登録した相手に配信し、返信結果が自動集計される。サービス開始時点ですべてのキャリア/端末(インターネット経由のメールが送受信できるもの)をサポートするとのこと災害時以外でも、地震や天気、交通情報などが日々配信される

今回のサービスは、

  • 災害時に事前に登録された相手(従業員ら)に対して、安否確認のメールを出し、結果をレポート
  • 災害以外の緊急時に登録された相手を呼び出す“呼集”サービス
  • 平常時においても、地震や天気、交通情報などの各種情報を配信

という3つが主な内容となっている。安否のメールはインターネット経由で主に携帯電話向けに配信され、メールを受けると“無事です。出勤できます”“無事ですが出勤できません”などのステータス選択画面が表示され、いずれかを選択すると結果がサーバーに蓄積、自動的にレポートが作成される。法人の危機管理担当者は、ウェブブラウザーからレポートを確認でき、安否が未確認の相手を知ることができる。また、平常時の情報配信は、普段から同サービスの存在をユーザーが意識しておくとともに、アドレス変更などで連絡不能になることを防ぐ役目も果たしている(メールが到着不能の場合には、法人に管理担当者に新しいアドレスの報告を促すよう連絡される)。サーバーは札幌にメインシステムを置き、東京と名古屋にサブシステムを設置して非常時のバックアップ態勢をとっているという。また、災害だけでなく伝染病の発生や食品のリコールへの対応など、法人側の要望に応じて機能追加/拡張が可能とのこと。

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