フランステレコムグループの研究所であるフランステレコムR&Dは18日、光ファイバーを洋服に織り込んだ柔らかいディスプレー(ソフトディスプレー)のプロトタイプを開発、日本法人のフランステレコム(株)社内で報道関係者向けに公開した。
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光ファイバーを織り込んだソフトディスプレー。写真は背中部分にソフトディスプレーを組み込んだドレス。このドレスは世界初公開という |
このソフトディスプレーは、直径0.25mmの光ファイバーと繊維を特殊な方法で織り込むことで実現したもので、既存のウェアラブルスクリーンと異なり柔らかいことが特徴。これにより洋服やバッグ、垂れ幕等の布製品へ容易に組み込めるという。光ファイバーの付け根には発光ダイオードがあり、光を浮き出させるために光ファイバーに特殊な研磨加工を施している。35mm四方の正方形を1ピクセルとし、8×8ピクセルのマトリックスで構成されており、1ピクセル当たりには12本の光ファイバーが織り込まれている。
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ソフトディスプレー部。洋服自体に織り込むのではなく、ディスプレー部を洋服等に縫い付ける、貼り付ける等して装着する。ソフトディスプレー自体の触り心地は、アウトドア用リュック生地のような感じ。次期プロトタイプでは現在のものより細い光ファイバーを採用してさらに柔らかくする予定で、たたんだり丸めたりも可能になるという |
ソフトディスプレーは、リモコン操作部と、メモリーや電源(3.5V専用バッテリー)を内蔵した専用パックを接続して利用する。リモコン操作部、専用パックとも手に収まるサイズで、例えば洋服にソフトディスプレーを組み込んだ場合は、これらを服の裏側に装着して利用できるという。
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ソフトディスプレーのリモコン操作部。ボタンやケーブル等の必要最低限の部位以外は洋服と同じ布製 |
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専用パック。服の裏地などに装着して利用する |
ディスプレーに表示したいモチーフやテキストは、パソコンやGSM端末からワイヤレス通信で専用パックのメモリーに送信できる。メモリー内のデータは、リモコン操作でディスプレーに表示可能。なお同研究所は、ソフトディスプレーに表示するモチーフやテキストをパソコン上で作成できる専用ソフトも開発している。
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ソフトディスプレーに顔のモチーフを表示した様子 |
プロトタイプの連続駆動時間は2時間程度だが、同研究所は、製品化の際は連続して1日駆動できるようにしたいとしている。また、現在のプロトタイプは単色表示しかできないが、将来的にはマルチカラー対応を実現するという。同研究所は、2~3年後に製品化を目指すとしている。
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ソフトディスプレーを組み込んだリュック |
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フランステレコム(株)のフランソワ・ヴァンプラーグ代表取締役社長(右)と、ソフトディスプレーを腹部に組み込んだ服を着たモデル。社長が手にしているのは背中部にソフトディスプレーを採用した作業着 |
発表会で、腹部にソフトディスプレーを組み込んだ洋服を着て登場したモデルは、着心地について「重くないし柔らかいので、お腹にディスプレーがあるという違和感はない」とコメント。フランステレコム(株)のフランソワ・ヴァンプラーグ代表取締役社長は、「インテリアやファッション業界からも注目されており、工事現場の作業員や消防士などの服に利用したいといった要望も寄せられている。協力パートナーと共に製品化に向けて取り組んでいく」としている。