このページの本文へ

インテル、ハイパー・スレッディング・テクノロジ搭載のデスクトップPC向けPentium 4-3.06GHzを発表

2002年11月14日 18時37分更新

文● 編集部 高橋洋子

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

インテル(株)は14日、1個のプロセッサーを論理的に2個のプロセッサーのように動作させることで処理性能を向上させる“ハイパー・スレッディング・テクノロジ(HTテクノロジ)”を搭載したデスクトップパソコン向けCPU『インテル Pentium 4 プロセッサ 3.06GHz』を発表した。同日付けで出荷を開始し、価格は1000個受注時の単価で7万9320円。

『インテル Pentium 4 プロセッサ 3.06GHz』は、533MHzのシステムバス(FSB:Front Side Bus)をサポートし、10月に発表したHTテクノロジ対応チップセット『インテル 845GE チップセット』、『インテル 845PE チップセット』、『インテル 845GV チップセット』、『インテル 850Eチップセット』と組み合わせて使用する。処理性能は、米国の非営利の業界団体“Standard Performance Evaluation Corp(SPEC)のベンチマークプログラムでは、SPECint_base2000で1099、SPECfp_base2000で1077。Pentium 4-2.80GHzから10%以上の性能向上となっている。搭載パソコンでは、HTテクノロジを有効にした場合、音楽とビデオの編集が約21%高速に行なえるようになるという。0.13μmプロセスで製造され、パッケージは478ピンのFC-PGA2。ワールドワイドの7ヵ所のFab(生産拠点)で生産する。

ウイリアム・スー(William M. Siu)氏
米インテル社の副社長兼デスクトップ製品事業本部長のウイリアム・スー(William M. Siu)氏

記者発表会では、米インテル社の副社長兼デスクトップ製品事業本部長のウイリアム・スー(William M. Siu)氏が、今回発表したプロセッサーについて、3.06GHz動作による卓越した性能と、HTテクノロジによる処理性能の向上を、パソコン業界にとって2つの大きなマイルストーンであると説明した。

氏は、ウェブサービスやeラーニング、オンラインゲーム、デジタルミュージックなどの分野で、パソコンの利用形態が劇的に変化すると予想されていることから、同社の技術は、現時点で最高の環境を提供できるだけでなく、今後もエンドユーザーに利益をもたらすことができることを強調した。HTテクノロジのメリットとして、オンラインゲームでは、サウンドや音声を再生しながら、ほかのプレイヤーと音声でコミュニケーションをとるような場合、どちらかが犠牲になってしまうといった例を引き合いに出した。

デモ1
デモでは、CD-R/RWの書き込みとゲームを同時に実行してみせた

また、3年前のパソコン(クロック周波数500MHz)と比較して、ゲームで8倍、デジタルミュージックで8.6倍、ビデオエンコードで7.1倍、イメージ処理で4.9倍、プロダクティビティー(生産性)で6.4倍、それぞれ処理性能が向上するとし、HTテクノロジを搭載したことにより、複数のアプリケーションの同時実行や、デジタルコンテンツの作成などの負荷のかかるタスクの高速処理、セキュリティーの強化など、ユーザーにとって使いやすい環境が実現できるとした。ソフトウェアベンダーがアプリケーションをマルチスレッド対応にすれば、アプリケーションの処理がより高速になるといったデモも行なった。

デモ2
グラフィックスソフトではレンダリングが高速化することをでデモ。HTテクノロジに対応することでさらに高速になるとした

最後に、HTテクノロジを、ユーザーがいま使っているソフトの良さがより実感できる技術と位置付け、アプリケーションの幅が広がればさらにそれを実感してもらえるだろうと締めくくった。

デモ3
ユーザーがいま使っているソフトでもマルチタスクの実行性能を体感できることをデモ

質疑応答では、HTテクノロジを利用していて1つのスレッドが停止した場合でもOSは別のスレッドを立てられるためパフォーマンスが半分になることはないことや、対応OSについてデュアルCPUをサポートしていれば理論的には対応できるが、Windows XPを推奨したいことなどが明らかになった。

各社が一斉に搭載パソコンを発表

HTテクノロジを搭載したパソコンには、“HTテクノロジ インテル Pentium 4 プロセッサ ロゴ”が貼られて出荷される。

ロゴ
“HTテクノロジ インテル Pentium 4 プロセッサ ロゴ”

記者発表会では、インテルがPentium 4-3.06GHzを搭載したマザーボードを展示したほか、パソコンメーカー各社がデスクトップパソコンの新製品を展示、あるいは参考出展した。

マザーボード
インテルのマザーボード。左上から時計回りに、『D845EMV2R』、『D845PEBT2』、『D845GVAD2』、『D845GEBV2』

展示された製品は、アプライド(株)の『CV-3060GPN』、アロシステム(株)の『AmhisValue3000 R48』、日本電気(株)の“Mateミニタワー型(参考出展)』、エプソンダイレクト(株)の『Endeavor MT7000』、(株)エムシージェイの『Easy-Cube52』、(株)神代の『GB-P30VDR/PE』、(株)サードウェーブの『Prime Monarch GRS』、(株)ソーテックの『PC STATION GX4001』、ソフトバンク・コマース(株)の『BENEFIT-HT』、(株)ソフマップの『スペシャルバーガーパソコン(MV-AV300/P6B4L)』、九十九電気(株)の『TS-P30KA7R-P1』、ツートップ(株)の『ViP PEN-EX3000』、デルコンピュータ(株)の『Dimension 8250』、(株)パルテックの『PAL-GR3060SL II』、富士通(株)の『FMV-W600』、同『CELSIUS M410』(参考出展)、(株)ヤマダ電機の『AXCEL-PC 3066』など。

『PC STATION GX4001』 『Dimension 8250』
『PC STATION GX4001』『Dimension 8250』
『FMV-W600』 『CELSIUS M410』
『FMV-W600』『CELSIUS M410』

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン