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【IDF 2002 Fall Japan Vol.3】チャンドラシーカ副社長とテネンハウス副社長がモバイルと研究開発で基調講演

2002年10月25日 17時26分更新

文● 塩田紳二

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IDF最終日の24日は、モバイル担当のアナンド・チャンドラシーカ(Anand Chandrasekher)副社長の基調講演から始まる。内容は、『デジタル・メディア・アダプタ』や“Banias”、“BigWater”などについてである。デジタル・メディア・アダプタは、Xscaleを使った家庭向けのデジタル・メディア再生用の装置で、パソコンから音楽や画像、映像情報などを送り、テレビやステレオで再生するためのアダプター。これを無線LANやイーサーネット(Ethernet)で接続する(初日のレポートに写真がある)。パソコン側でサポート用ソフトウェアを実行する必要があり、パソコンの周辺装置の1種ともいえる。基本設計はインテルだが、これをパソコンメーカーなどが製造して販売を行なう。

アナンド・チャンドラシーカ氏
モバイル・プラットフォーム事業本部 副社長 兼モバイル・プラットフォーム事業本部長であるアナンド・チャンドラシーカ氏
相互接続
パソコンと家電が相互接続される

Baniasは、来年春ごろ登場予定のモバイル専用プロセッサー。インテルでは、フルサイズのノートパソコンには、モバイルPentium 4-Mを、それ以下のノートパソコンには、Baniasと考えているようだ。このBaniasは、単なるプロセッサーではなく、プラットフォームとしてメーカーに提供されるらしい。それは、IEEE 802.11a/bのデュアルバンド無線LANモジュールやベリサインの電子証明書などである。さらに、このプラットフォームとして、さまざまなホットスポット業者などと接続性についての協議も行なうという。また、今回のIDFでも発表はされなかったが、どうもプロセッサーだけでなく、プラットフォーム自体に名前を付けるらしい。となると、これがある意味“無線LANノートパソコン”の標準となる可能性はある。

Baniasは、来年上半期に登場予定
Baniasは、来年上半期に登場予定で、業界のウワサでは、4~5月ぐらいではと言われている。また、フォームファクターを重視した、ディスプレー機能一体型のチップセットも開発中である
セットで提供される
Baniasは、プロセッサー、チップセットに加え、無線LANモジュール(Calexico)やベリサインの電子証明書までをもセットにしてメーカーに提供される。また、無線LANの接続性などについても検証が行なわれるという
デジタル・メディア・アダプタの試作機をデモ
キーノートでは、デジタル・メディア・アダプタの試作機のデモが行なわれた。これは、パソコン上にあるデータの閲覧を行なうための機器でこれは無線LANで接続している。また、操作は、赤外線リモコンを使うようだ

キーノートスピーチ2人目は、インテルの研究開発を担当するコーポレート・テクノロジ本部副社長のデビッド・テネンハウス(David Tennenhouse)氏。同氏の話は、米国のIDFでゲルシンガー氏が話した内容に相当するもの。ナノテクノロジーやセンサーと無線を組み合わせた小さなコンピューターによるセンサーネットワーク、シリコンラジオなど多岐に渡るインテルの研究開発についての話が行なわれた。

デビッド・テネンハウス氏
コーポレート・テクノロジ本部 副社長 兼 リサーチ担当 ディレクタのデビッド・テネンハウス氏
開発中のTri-Gateトランジスター
プロセスが微細化するとトランジスターの構造も変える必要がある。これは、インテルが開発中のTri-Gateトランジスター。ソース、ドレイン間にチャネルを複数作り、これを導体で接続してゲートとする
シリコン・ナノワイヤ
インテルはカーボンナノチューブに対抗して“シリコン・ナノワイヤ”(中空ではなく中にシリコンが詰まっている)を研究中
無線回路もシリコンで
インテルでは、アンテナを除く無線回路をシリコンで作ることを目標としている

プレス向け説明会では“LaGrande”の新情報も

さて、昨日の夜、プレス向けにパット・ゲルシンガー(Pat Gelsinger)氏やアナンド・チャンドラシーカ氏が参加する説明会があった。そこで、インテルが開発中の“LaGrande”について多少分かったことがあるので報告しておこう。

LaGrandeは、コンピューターセキュリティーのための技術であり、インテルでは2~3年後の実現を目指している。このLaGrandeをチャンドラシーカ氏は“インストラクションセット”と呼んだ。つまり、LaGrandeは、プロセッサーに命令を追加することで実現されるもの(もちろんハードウェアにも変更はあるだろうが)だということだ。また、ゲルシンガー氏は、“RING -1”と言う。つまり、現在OSカーネルが走っているRING 0よりも上にくるモードを使って、セキュリティー環境を実現するわけである。

これから考えると、LaGrandeでは、RING -1に相当するモード(システムマネジメントモードや386エンハンスモードを想像するといいだろう)で、保護されたプログラムを実行し、OSなどに影響なく、メモリーやバス上のデータを保護するのだと思われる。

また、当初、LaGrandeはデスクトッププロセッサーにのみ搭載されるらしい。これは、インストラクションセットを追加し、新たな保護モードを作るために、大変な作業となり、いまや別設計となったBaniasへの対応は並行して進めざるを得なくなるために、リスクが大きいと判断したようだ。つまり、デスクトップ用プロセッサーを先に設計し、デバッグ作業などが終わって、デスクトップ版で使えるようになってから、Baniasへ組み込むことにしたらしい。

さて、これで3日間にわたるIDFが終了したわけだが、基調講演など、米国で行なったものをちょっと縮めて、アレンジしただけとなっており、米国IDFの報道なども多い最近では、少し新鮮味に欠ける部分もある。日本独自の話や今回初めて話されることもあるのだが、全体に占める割合は低い。これは、日本のメーカーがすでにパソコン市場で地位を失いつつあるということかもしれないが……。

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