ドイツ産業見本市(株)は24日、都内で記者会見を行ない、2003年にドイツ国内で開催される同社主催のイベントについて発表した。その中で、2003年3月12~19日にハノーバーの国際見本市会場で開催される世界最大級の情報通信技術に関する展示会“CeBIT(セビット) 2003”の概要も明らかにされた。
ドイツ産業見本市(株) 取締役副社長E.ラウエ氏(左)と、ドイツ産業見本市日本代表部 ゼネラルマネージャーのH.ヴィッティヒ氏 |
会見場には、ドイツ産業見本市 取締役副社長E.ラウエ(Ernst Raue)氏、ドイツ産業見本市日本代表部 ゼネラルマネージャーのH.ヴィッティヒ(Holger Wittich)氏、ドイツ産業見本市日本代表部 代表 佐々木 貴氏が出席し、展示内容や規模について説明した。
それによると、CeBIT 2003の展示内容は、
- 情報テクノロジー(IT)の装備とシステム
- テレコミュニケーションおよびネットワーク
- ソフトウェア&サービス
- 情報セキュリティー、カードテクノロジー
- 金融に関するIT技術および融資サービス
- ヒューマンリソース、自動データ把握
- フューチャーパーク――ビジネスと研究開発
- ジョブ&キャリア市場
という8つのテーマに分類され、「中でもIT分野、テレコミュニケーション、ソフトウェア&サービスの3つに高い関心が集まるだろう」「デジタルカメラへの関心が高まっていることを受けて、1号館にはデジタルカメラメーカーのブースを集めている」(ラウエ氏)などと述べた。また、出展社は現時点で70ヵ国から7100社以上が予定しており、国別の出展社数は台湾、米国、英国、韓国、香港の順。近年は特に、アジア地域からの出展が増えているという。日本からは、(株)NTTドコモ、ソニー(株)、松下通信工業(株)をはじめ24社(10月24日時点、海外法人や代理店経由での申し込みを除く)が出展を予定している。
CeBIT 2003会場(ハノーバー国際見本市会場)の見取り図 |
また、「通信産業の成長率は2000年から急激に悪化しているが、回復を期待させる要因はある」(ラウエ氏)として
- 通信インフラの整備
- 公共機関からのIT需要の増加
- リスクマネージメントやセキュリティー市場の拡大
- 企業システムの合理化に伴うエンタープライズ製品の需要拡大
- 無線通信技術やソフト/サービスの発展
などを挙げた。同時に不安な要因として、経済不況の長期化やそれに伴うベンチャー企業などに対する融資の絞込みが進んでいること、移動体通信の技術や製品の成長はあるものの、市場がすでに飽和状態にあること、日本では流通している第3世代の移動体通信だが、ドイツや欧州ではインフラの整備が遅れていること、などを説明した。
なお、CeBIT 2003では、初の試みとして開幕直前の3月10、11日の2日間に同じ会場で情報通信関連企業のCEOらを集めて、技術のトレンドや戦略の立案などを紹介する講演会“ICT World Forum @CeBIT 2003”が開催される。