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【IDF 2002 Fall Japan Vol.2】ゲルシンガー副社長兼CTOが基調講演

2002年10月24日 18時20分更新

文● 塩田紳二

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2日目は朝10時からの基調講演で始まる。メインのスピーカーは、米インテル社副社長でCTOのパット・ゲルシンガー(Pat Gelsinger)氏である。米国のIDFでは、研究開発の話を担当したが、今回は、米国でポール・オッテリーニ(Paul Otellini)社長が行なったスピーチに相当する“コンピューターと通信の融合”がテーマである。

インテル副社長でCTOのパット・ゲルシンガー氏
インテル副社長でCTOのパット・ゲルシンガー氏

コンピューターと通信の融合の始まりは、LANの誕生からだという。そして現在は、コンピュータと通信機器が融合しつつある状態で、インターネットやデジタルコンテンツが生まれ、ブロードバンドが可能になっているとしている。たとえば、ブロードバンドルーターの中身はほとんどコンピューターそのものであり、インターネットの登場によりさらに多くのユーザーがコンピューターを使うようになったわけである。

コンピューティングと通信が融合する
コンピューティングと通信が融合する

そしてその次のステップは“いつでも、どこでも、どのような機械でも”と、コンピュータと通信機器の融合がすすみ、コンピューターは、どこでも通信でき、通信機器にはコンピュータのような柔軟性を持つことになる。インテルは、このような未来に向けて、さまざまな技術開発や投資を行なうという。

シリコンで無線機能を含む通信技術の多くを実現できるようになってきた
コンピューターと通信の融合が現在のインテルのテーマ。それはシリコンで無線機能を含む通信技術の多くを実現できるようになってきたからである

その実現例として示されるのがBaniasプラットフォームである。高性能と低消費電力を実現し、無線LAN(BaniasとセットでIEEE 802.11a/bの無線LANモジュールが提供される)により、ホットスポットにより外出先でもインターネット接続を可能にする。Baniasは単なるプロセッサーではなく、こうしたシステムとして提案される予定だ。

:初期のLAN 現在
フェーズ1:初期のLANフェーズ2:現在
未来 :チップレベルの統合
フェーズ3:未来フェーズ4:チップレベルの統合
イーサネット(Ethernet)から通信とコンピューターの融合が始まり、最終段階のフェーズ4で通信とコンピューターはチップレベルで統合される、というのがインテルの考えるストーリーである

ただし、ホットスポットはインテルが提供するものではなく、インテルがサービスを始めるわけでもないのだが、インテルは、“ワイヤレス・コミュニケーション・ファンド”として1億5000万ドル(約180億円)をWi-Fi関連企業に投資する予定だという。プレスリリースによると「より使いやすく、より安全なワイヤレス・ネットワーク接続や、より簡単な課金方法、より強固なネットワーク・インフラストラクチャ、そして外出時に高速なネットワークに接続やサービスの提供をする新しい方法を可能にためのハードウェア並びにソフトウェア製品を開発している企業」に投資を行なうことで、Wi-Fiを使った屋外のネットワーク(たとえばホットスポット)技術が成熟し、結果的に広範囲なインフラが構築されると考えているわけだ。

1億5000万ドル(約180億円)の“ワイヤレス・コミュニケーション・ファンド”
1億5000万ドル(約180億円)の“ワイヤレス・コミュニケーション・ファンド”

エンタープライズ、つまりサーバー系ビジネスについては、ゲルシンガーの後に登場したマイケル・J・フィスター(Michael J. Fister)氏が話した。プロセッサーに関しては、Itanium、Xeonのロードマップが示された。

拡張するムーアの法則
拡張するムーアの法則
Itanium系のプロセッサのロードマップ
Itanium系のプロセッサのロードマップ。9月に開催されたIDFから特に変化はないようだ
Xeonのロードマップ
IA-32のサーバー/ワークステーション用プロセッサーXeonのロードマップ。“Nocona”だけ製品名が書かれていないのがちょっと不思議

デモには、NECのItaniumマシン『TX-7』が登場、1、4、28プロセッサーでオラクルによるデータ検索を行わせ、パフォーマンスの違いを見せた。

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