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【WPC 2002 Vol.1】“WPC EXPO 2002”開幕――ユビキタス・ネット社会を拓く

2002年10月16日 00時00分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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(株)日経BPが主催するIT関連製品の総合展示会“WPC EXPO 2002”(※1)が16日、東京国際展示場(東京ビッグサイト)で開幕した。期間は19日(土)までの4日間。

※1 WPC EXPO WPC EXPOは、従来の“WORLD PC EXPO”を改名したもの

テープカット
開会式のテープカット

テーマは“ブロードバンド時代―ユビキタス・ネット社会を拓く”で、東館6ホール(うち東1の半分で、企業の人材/組織戦略のためのイベント“ヒューマンキャピタル2002”を併催)と西館2ホールを使い、メーカー単位のブースのほかに大小40のテーマゾーンを設けて新製品や注目製品、参考出品などをまとめて展示した。テーマゾーンの中には、旧WORLD PC EXPOで来場者に好評を博した即売会場“ショッピングゾーン”をはじめ、“台湾/上海/天津/韓国/ブラジル/インド”など各国・地域のメーカーやソフトハウスを集めたパビリオン、“IrDA/USB/Wi-Fi/Bluetooth”など今後ますますの普及が見込まれる規格別のブース、ブロードバンド・インターネット接続環境の急速な浸透で注目度が上がっている“セキュリティー関連/ASP/ブロードバンドコンテンツ/ブロードバンドビジネス”などのブースも設けられた。

『CADIAS』
『ADDZEST AutoPC CADIAS』

西館の西2ホールで特に注目を集めていたのは、初日に別室で記者説明会が実施されたクラリオン(株)の『ADDZEST AutoPC CADIAS(カディアス)』だ。マイクロソフトの車載機器用OS“Windows CE for Automotive”を搭載した統合型車載端末(2DINサイズ)で、発売予定日は12月1日、価格は33万8000円(別途、通信サービス料として月額1500円程度かかる見込み)。ソフトウェアにより後から機能を追加・変更できるのが特徴。

Start Menu
CADIASのスタートメニュー。Windowsマークも見える

CADIASは標準で、

  • TV/ラジオチューナー
  • DVD-Video/MP3/WMA再生
  • Outlook Expressとデータ互換性のあるアドレス帳やスケジューラーなどのPIM(個人情報管理)
  • ウェブブラウズおよび合成音声による読み上げが可能なウェブメール

などの機能を持つほか、音声認識によるハンズフリー操作に対応し、スロットインタイプのDVD-ROM&CD-RW対応のコンボドライブ、TypeIIのPCカードスロット、USBポートと携帯電話接続端子を搭載。パソコンから音楽や住所録のファイルを取り込んだり、PCカードタイプの通信アダプターやFOMA(USB接続)、各種携帯電話などを接続してインターネットに接続して、最新の渋滞情報などを反映した効率的なカーナビゲーションが可能になるという。

クラリオン役員
CADIASの記者説明会に出席したクラリオン取締役。左手奥から取締役社長 泉 龍彦氏、取締役商品企画本部本部長 中川 泰彦氏、取締役技術開発本部本部長 皆川 昭一氏

ハードウェアスペックは、CPUに日立製RISC CPU(SH4-166MHz)を採用、HDDは搭載せず、メモリーは64MB(DRAM)、音声合成/音声認識用DSPを内蔵する。液晶ディスプレーは1440×234ドット/256色表示の7インチワイドTFT(タッチパネル方式)で、液晶画面に触れて操作するほか、前面に5つのショートカットボタン(カスタマイズ可能)が用意されている。

記者説明会では、「クラリオンでは'97年からマイクロソフトと共同で車載用端末の開発を進め、'99年から欧米で販売を始めている。『CADIAS』が日本では最初のWindows CE搭載の車載端末となる」(取締役社長 泉 龍彦氏)「CADIASは“Car Digital Assistants”の頭文字を取った造語で、車の情報通信の核となることを狙ったもの。情報がいつでもどこでも取り出せる“ユビキタス”時代の到来が叫ばれる中で、車内環境だけが情報の孤島として取り残されていた。ここに双方向の情報端末を投入することに意味がある」(取締役商品企画本部本部長 中川 泰彦氏)と述べ、通信対応車載端末の重要性をアピールした。また、通信環境を持つと言っても車載端末だけですべて行なうのではなく、あらかじめパソコンとブロードバンドインターネット環境で必要な情報(目的地までの地図情報など)をダウンロードしておき、そのデータをCADIASに読み込むためのユーティリティーソフト『CADIAS Editor』を同社ウェブサイトから無償ダウンロードサービスを行ない、パソコン(家庭内)と車内の連携を図るという。

『Air Navi』 『Air Navi』
パイオニアの通信対応カーナビゲーションシステム『Air Navi(AVIC-T1)』下にあるボックスはTVチューナー

同様の通信機能を持つカーナビゲーションシステムは、パイオニア(株)がIT関連および電子技術・製品の展示会“CEATEC”で参考出展した『Air Navi(AVIC-T1)』もある。こちらは従来のカーナビゲーションシステムにCDMA200 1xのデータ通信モジュール(最大144kbps)を内蔵したもので、渋滞などの最新の道路状況を加味した地図情報をリアルタイムでダウンロードしながら最適のルートを提示するというもの。11月中旬に発売予定で、本体価格は20万7200円(3年間の通信サービス料込み、4年目以降は月1980円)。

今回出展はなかったが、トヨタ自動車(株)も情報ネットワークサービス“G-BOOK”を8月末に発表しており、車載端末にもIT化が急速に波及している。

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