Pentium 4:i850Eマザーボード+PC800 Athlon:Apollo KT333+PC2700 メモリ:256MB/OS:Windows XP Professional英語版
グラフ1 SYSmark 2001 Office Productivityの結果。 |
グラフ2 SYSmark 2001 Internet Contents Creationの結果。 |
数字どおりに
Pentium 4の順当勝ち
性能比較は、Pentium 4はi850Eマザーボード+PC800、AthlonはApollo KT333+PC2700という、チップセットメーカー公認の最速メモリを使って行った。グラフ1、2は、「SYSmark 2001」(BAPCo)によるシステム性能の比較である。Pentium 4は当初、同じモデルナンバーを持つAthlon XPよりも性能が低かったが、クロック向上につれて差が縮まっており、2200近辺では僅差になっていた。2400以上では逆転が見込まれたが、Athlonが2400+で周波数をいつもより1段階分余計に上げたため、逆転は発生せず、現時点ではちょうどPentium 4の性能直線上にAthlon XPが載る形になっている。
通常、CPUの内部クロックの倍率が上がると、低速な外部回路が足を引っ張る時間が相対的に大きくなり、性能の伸びが鈍るものだが、その気配がまったく見られない。確かに、Pentium 4-2.80GHzは、システムクロック(133MHz)比で言えば内部22倍動作になるが、実際に性能に影響するFSBとの比はまだ5.25倍と、そう大きくはないのが幸いしている。その意味ではAthlon XP-2600+のほうはすでに8倍に達しており、今後のリニアな性能向上にはそろそろFSB高速化が求められていると言える。
グラフ3 3DMark 2001SEの結果。 |
グラフ4 PCMark 2002の結果。 |
グラフ5 TMPGEncの結果。 |
グラフ3は、「3DMark 2001SE」(Madonion.com)の結果である。Athlon XP-2600+が僅差でPentium 4-2.53GHzにリードを許しており、当然トップはPentium 4-2.8GHzだ。
グラフ4は「PCMark 2002」(Madonion.com)によるCPU、メモリ、HDDの性能計測結果。ここのCPUの値はちょうどクロック=モデルナンバーに相当し、これまではAthlon XP-2600+がトップだったが、Pentium 4が2.8GHzで逆転した。
グラフ5は、「TMPGEnc」(Hiroyuki Hori氏 / Pegasys)によるMPEG圧縮ではモデルナンバーとP4クロックが相当していたため、2600+でのトップを2.8GHzが奪回、Windows Media Audioの圧縮ではAthlonのリードが大きく、Pentium 4-2.8GHzも及ばなかった。
グラフ6 Superπの結果。 |
さて、注目はグラフ6、「Superπ」(東大金田研究室)によるCPU演算性能のテストだ。Pentium 4-2.8GHzがトップなのはあまり違和感を感じないかもしれないが、問題はその性能の伸び率。2.53GHzに対して、実に25%も高速化されている。この原因については不明だが、コアの電圧が上がっただけでなく、ステッピングがB0からC1に上がっていることもあり、なんらかの変更が行われたものと思われる。
最高峰の性能以外にも
まだまだ続くCPU戦争
CPU/int、マルチメディア、およびWMA圧縮ではAthlon XP-2600+がまだトップの座にあるものの、そのほかの多くのテストではPentium 4-2.8GHzがリードしており、その幅は、Athlon XP-2600+をPentium 4-2.6GHz相当と見なすとぴったりくる。得手不得手を相殺すれば、2600対2800の数字に相当するリードがあり、Pentium 4は世界最高速の座を奪還したと言っていい。Athlon XPの王座は、8月21日~23日までの、文字どおり「三日天下」となった。
今回Pentium 4-2.80GHzがトップを得たが、価格的には6万円台と若干割高。しかし、これまで高嶺の花だった2.53GHz版が3万円を切るなど価格面でも攻勢を強めている。一方、Athlonファンにとっては、当分は2400+と2600+の登場を待ちわびる日々になりそうだ。