AMDは8月21日に動作クロックが2GHzを超えるAthlon XP 2600+(2.13GHz)と2400+(2GHz)を発表した。発表時点での最速Pentium 4は2.53GHzであり、2600+はモデルナンバー的にはPentium 4-2.53GHzを超える最速のCPUとなったわけだ。しかし直後の27日にIntelはPentium 4-2.80GHzを発表し再逆転してしまった。同時にPentium 4-2.66GHz(FSBは533MHz)、Pentium 4-2.60GHz/2.50GHz(FSBが400MHz)もリリースしている。
ついにAthlon XPも
実クロックが2GHzを突破
8月21日に発表されたAMD「Athlon XP 2600+」。 |
2600+(2400+)、Pentium 4-2.80GHz(2.66GHz)とも、基本的な仕様に変わりはないが、ステッピングを変更することで細かい部分が改良されているのが特徴だ。2600+(2400+)は0.13μmプロセスのThoroughbredコアを使用しているが、ダイサイズがこれまでの80mm2(トランジスタ数は3720万個)から84mm2(同3760万個)と大きくなり、目に見えない部分で機能強化が図られていることがうかがえる。コア電圧は1.65Vのままだが、TDP(熱設計電力)は2200+に比べてほとんど上がっていない。今後はAthlon XPのクロックを上げやすくなるはずだ。Pentium 4-2.80GHz(およびPentium 4-2.66GHz)もステッピングが従来の「B0」から「C1」に変更されたコアを使用している。これに伴いコア電圧は従来の1.50Vから1.525Vと若干上がっている。
AMD発表の翌週、27日に登場したIntel「Pentium 4-2.80GHz」。 |
このように細かい部分で変更はあるが、実際のパフォーマンスをチェックするためベンチマークテストを行ってみた。テストに用いたのは3D性能を測定する「3DMark2001 SE」、CPUやメモリ、HDDの基本性能を測定する「PCMark2002」、アプリケーションベースのベンチマークテストである「SYSmark2002」の3つ。両CPUともハイエンドタイプなので、マザーボードやメモリ、ビデオカードなどもハイスペックなものを用意している。
まずPCMark2002の結果を見てみると、Athlon 2600+はCPUスコアでPentium 4-2.80GHzには及ばないものの、Pentium 4-2.53GHzよりは高くなっている。これはモデルナンバー的に妥当な結果だ。しかしアプリケーションベースや3D系のテスト結果では、Pentium 4と850Eの組み合わせは2600+を超えるパフォーマンスを発揮している。
Pentium 4チップセットの主流はDDRメモリを使うタイプだが、絶対的なパフォーマンスを要求するなら、Intel850EチップセットとPentium 4-2.80GHzの組み合わせは魅力的だろう。ただし8月末時点でのPentium 4-2.80GHzの実売価格は6万円とかなり高い。2600+はまだ販売されていないので比較はできないが、コストパフォーマンス的には2.80GHz/2.66GHzの登場で実売価格が3万円を切ったPentium 4-2.53GHzがお勧めだ。
Athlon XP 2600+およびPentium 4-2.80GHzの主なスペック | ||
製品名 | Athlon XP 2600+ | Pentium 4-2.80GHz |
---|---|---|
実クロック | 2.13GHz | 2.80GHz |
FSB | 266MHz | 533MHz |
コア | Thoroughbred | Northwood |
製造プロセス | 0.13μm | 0.13μm |
2次キャッシュ | 256KB | 512KB |
コア電圧 | 1.65V | 1.525V |
価格(1000個ロット時) | 3万7125円 | 6万870円 |
実売価格(8月末時点) | - | 6万円前後 |
競合製品レビュー
Intel/AMD「Pentium 4-2.80GHz/Athlon XP-2600+」レビュー(from ASCII PC Explorer) | VIA Technologies「C3-933AMHz」レビュー |