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セコム、指示者を認識して追尾するロボットを開発

2002年10月01日 18時11分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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セコム(株)は1日、現金護送用の指示者追尾型ロボット(プロトタイプ)を開発したと発表した。

追尾型ロボット
セコムの現金護送用指示者追尾型ロボット(プロトタイプ)

今回発表されたプロトタイプは、現金や貴重品などを収納した金庫を運搬するロボットで、現送隊員(指示者)を認識して、その指示者を追尾しながら走行するのが特徴。指示者の音声を認識することで、指示者の「進め」「止まれ」といった音声命令に従う。また、内蔵カメラによる指示者の映像とレーザーセンサー、超音波センサーを組み合わせることで指示者を認識し、障害物を回避しながら指示者の後を追尾して走行していくという。

追尾走行
指示者を認識し、追尾して走行する
カメラ映像
全方位カメラを搭載しており、前方、後方、およびパノラマ映像を撮影している。ロボットのカメラがとらえた映像は、指示者が装着しているモニター画面に表示される
指示者
指示者の右目部分にメガネのように装着されているのがモニター。このモニターにカメラ映像が映し出される。なお指示者はハンズフリーの専用コントローラーも装着している
金庫
金庫などの貴重品は後部に収納する。なおこのふたは指示者の音声命令で開くようになっている

走行速度は毎秒1.1m(時速約4km)と、人が歩くスピードと同程度。また、階段や坂、段差なども走行可能で、定地走行時は車輪駆動だが、階段/段差などを検知すると、キャタピラーを利用する“クローラ駆動”に切り替わる。35度の傾斜までなら走行可能という。

スロープ
スロープ走行
階段
階段/段差走行時は“クローラ駆動”で走行する

さらに、強盗に襲われる等の緊急時に備え、非常通報機能や威嚇機能、現在位置送信機能などを搭載する。非常通報機能は、指示者が緊急事態だと判断してロボットに指令したときや、指示者が倒れたり一定周囲からいなくなったりしたときに、ロボットからセコムのコントロールセンターに通報するもの。

威嚇機能は、同じく指示者の指令、もしくはロボット自身が緊急時と判断した際、威嚇音や音声、威嚇ランプ、電撃、発煙装置、網などを使用して防御するというもの。ロボット自身がどのような場合に緊急時だと判断するかについては、セキュリティー上、企業秘密という。現在位置送信機能は、同社の人/車両位置通知サービス“ココセコム”により、緊急時にロボットが現在位置情報を発信、ココセコムオペレーションセンターがその情報をキャッチするというもの。

電撃
ロボット本体のあちこちにスタンガンのような電撃装置が備わっている

ロボットの本体サイズは、幅87×奥行き120×高さ140cm、重量は380kg。電源は専用バッテリーで、今回のプロトタイプは連続2時間駆動するという。

同社は来年度中に、この現金護送用指示者追尾型ロボットの製品化および販売を目指すという。なお今回のプロトタイプは開発費用に数千万円かかっており、今後は量産化に向けたコストダウンを図るとしている。製品化されたロボットは、同社の現金護送で利用されるほか、金融機関向けにも販売する予定という。

セコム開発センタージェネラルマネージャーの増田美智雄氏は、「人間と同じような動作をすることで人間をサポートするというコンセプトでロボット開発に取り組んでいる。基本要件は、人間並みのスピードで動けること、段差/階段/スロープを乗り越えられること、障害物を避けながら指示している人間を追尾できること、の3つ。これらを実現することでロボットはセキュリティー分野で人間をサポートできる。今回開発したのは現金護送の指示者追尾型ロボットで、現金護送時における盗難のリスクを減らすことが目的。また今後は、このロボットをベースにセキュリティー分野だけでなく介護福祉の分野にも活躍の幅を広げていきたい」としている。

増田氏
セコム開発センタージェネラルマネージャーの増田美智雄氏

なお同社は、この現金護送用指示者追尾型ロボットを、2日に都内ホテルで開催する“SECOM FAIR 2002”に出展する。

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