京セラブースの奥で、一眼レフデジタルカメラ『N Digital』の実演デモコーナーの脇に置かれていた、カールツァイスの望遠鏡にセットされたメガバズーカ仕様な『Finecam S5』。これならTvs DIGITALにレンズでも拮抗!? |
日本で24日に“Finecamシリーズ”を発表した京セラは、フォトキナ2002会場にも500万画素機『Finecam S5』を出展、同時にこちらはまったく未発表の新製品『CONTAX Tvs DIGITAL』の動作可能なデモ機を展示して来場者を驚かせた。CONTAX Tvs DIGITALは、500万画素CCDを搭載し3倍ズームのカールツァイスレンズを搭載した、銀塩カメラのCONTAX Tと同等のボディーを持つデジタルカメラだ。Finecam S5と比べると一回り大きいが、チタン仕上げのボディーは手になじむ大きさと重さで、マニュアルフォーカスも持つなど、カメラマニアにあわせた仕様となっている。ただし、出展された試作機はまだフォーカスが遅く、動作ももたつく印象が残るなどまだ調整前という印象を受けた。
CONTAX Tvs DIGITALの前に張り付いていたおっさん。Tvs DIGITALについて係員に質問しても、なぜかこのおっさんが答えてしまう。向かって右手にあるのが『Finecam S5』、左手にあるのが『CONTAX Tvs DIGITAL』 | 同じ5Mピクセル機として、Finecam S5とTvs DIGITALをサイズ比較 | |
背面 | 上面 |
CONTAX Tvs DIGITALの主なスペック
- 撮像画素:1/1.8インチ有効500万画素(総525万画素)CCD
- レンズ:3倍ズームAF(35mm換算35~105mm) F2.8~4.8 カールツァイス ヴァリオゾナーTレンズ
- デジタルズーム:4倍
- マクロ撮影:15~60cm
- シーンモード:なし
- 連射:3枚
- AEブラケティング:あり(0.3/0.5/1EV)
- AF:スポット/ワイド(パッシブ、マニュアルフォーカスあり)
- 記録解像度:最大2560×1920ドット、320×240/160×120ドットへのリサイズ機能あり
- 液晶ディスプレー:1.6インチ(8万5000画素)
- 記録媒体:SDカード/MMC
- 動画撮影:320×240ドット/30秒、160×120ドット/120秒(音声あり)
- 本体サイズ:幅112×奥行き33×高さ60mm
- 重量:210g(非装備)
- バッテリー:リチウムイオン専用バッテリー
光学12倍ズームレンズを搭載したPanasonicの意欲作に期待大 松下電器ブース
フォーミュラカーの周囲に新製品を揃えた松下電器のブース |
ブース全体をフォーミュラカーレースのピットに見立てた(係員もTOYOTAチームのつなぎを着用する徹底振り!)松下電器のブースでは、実際にフォーミュラカーを中央に設置し、その周りに新製品を並べて来場者の興味を惹いていた。日本未発表の新製品として、ライカレンズを採用する“LUMIXシリーズ”の最新モデル『DMC-FZ1』は200万画素機ながらかなりの注目株だ。光学12倍で全域F2.8という明るいズームレンズを搭載し、マクロ撮影も最短5cmまで寄れるという。価格は599ユーロ(約7万4000円程度)と200万画素機としてはかなり高価だが、あえて高画素化競争に乗らず、ユーザーが求める機能を高めた姿勢は評価できる。本体色はシルバーとブラックの2タイプがあり、実際に手に持った印象はかなり軽量。ズームしても前後に移動しないレンズはフォーカスも速く、試作機段階ではあるが使い勝手は良好に感じた。
LUMIXシリーズの最新モデル『DMC-FZ1』 | 背面 | |
電池室とSDカード/MMC対応のメモリーカードスロット | 側面。内蔵ストロボはZ字のように飛び出す。 |
DMC-FZ1の主なスペック
- 撮像画素:1/3.2インチ有効200万画素(総210万画素)CCD
- レンズ:光学12倍(35mmフィルムカメラ換算時35~420mm) F2.8 ライカDCヴァリオ-エルマリット
- デジタルズーム:3倍
- マクロ撮影:最短5cm
- シーンモード:5種類
- 連写:秒4コマ(最大4~7コマ)
- AEブラケティング:あり(1/3~1EV、3フレーム)
- AF:中央/スポット切り替え
- 記録解像度:最大1600×1200ドット
- 液晶ディスプレー:1.5インチTFT(11.4万画素)
- 記録媒体:SDカード/MMC
- 動画撮影:320×240ドット/10fps/10秒間、5秒間のアフレコ機能付き(音声付静止画作成)
- 本体サイズ:幅124.7×奥行き70.3×高さ83.3mm
- 重量:314g(非装備)/414g(装備重量)
- バッテリー:リチウムイオン専用バッテリー
精巧なミニチュアカメラのミノックスがデジタルにも進出 ミノックスブース
ミノックスといえば、実際に専用フィルムを装填して撮影もできるミニミニカメラで知られているが、フォトキナ2002では130万画素CMOSセンサーを搭載したデジタルカメラ『Digital Classic Camera LEICA M3』を出展した。価格は299ユーロ(約3万6000円)。ちなみに、巻き上げ部分は何をするのか? とたずねたところ、「何も機能しないよ。でも精巧なシミュレーションだろ」とにこやかに答えた。
タバコ箱よりも小さいデジタルカメラ『Digital Classic Camera LEICA M3』。このカメラを首から提げて歩くだけでも、楽しくなれそう |
背面にCMOSセンサーを内蔵したバックパックを背負っている。側面には本来USBポートが付くはずだが、展示品にはまだ搭載されていなかった |
Digital Classic Camera LEICA M3の主なスペック
- 撮像画素:有効130万画素CMOSセンサー
- レンズ:固定焦点、F3.0
- 記録解像度:最大1280×960ドット
- 液晶ディスプレー:なし(インジケーターモノクロ液晶あり)
- 記録媒体:内蔵フラッシュメモリー32MB(Highで60枚、Lowで99枚)
- 動画撮影:320×240ドット/10fps/10秒間、5秒間のアフレコ機能付き(音声付静止画作成)
- 本体サイズ:幅65×奥行き48×高さ44mm
- 重量:95g
このほか、オリンパス光学工業やニコン、ミノルタなども、フォトキナ開催に合わせて日本で発表した直後の新製品を展示したが、主役の座はなんと言っても1000万画素超のハイエンドデジタルカメラ2台にあっさり奪われた形だ。また、日本では家庭用製品としてはプリンターのイメージが先行するヒューレット・パッカードも、海外ではデジタルカメラ“photosmartシリーズ”を発売しており、400万画素光学8倍ズームの『hp photosmart 850 digital camera』という注目製品を展示していた。
日本とともにカメラ立国であるドイツならではの催し物だけに、日本からは出展メーカーの応援部隊だけでなく、取材や商談に来たという日本人もかなり見かけた。今後も注目度はますます上がるイベントになりそうだ。