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【SunNetwork Vol.1】“SunNetwork Conference 2002”が開幕――UltraSPARC III-1.2GHzやSun Enterprise Clientなどが登場

2002年09月19日 00時00分更新

文● 塩田紳二

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米サン・マイクロシステムズ社は、現地時間の18日から20日まで、サンフランシスコ市にあるモスコーニコンベンションセンターで“SunNetwork Conference(SunNetwork 2002 Conference and Pavilion)”を開催する。

スコット・マクニーリ氏
サン・マイクロシステムズの社長兼COOのスコット・マクニーリ(Scott McNealy)氏。キーノートの最初に登場

同社は、かつて、“SunWorld Expo”などの全社的なイベントを開催していたが、ここ数年は、“JavaOne”のみが大きなイベントだった。その意味では、久々にサンの方向性を見ることができるイベントでもある。

イベントに関連していくつかの発表もあるが、ハードウェア関連では、0.19μm(190ナノメートル)プロセスを採用して、1.2GHzのクロックで動く“UltraSPARC III”。年内にインテルがPentium 4で3GHzを達成するという話に比べれば、1.2GHzは“たいしたことのない”クロックなのだが、インテルの64bitプロセッサーであるItanium2(Mcinley)は、まだ0.25μmプロセスのままで、最高クロックも1GHzであることを考えると、64bitプロセッサーであるUltraSPARC IIIの1.2GHzの意味が違ってくる。プロセッサーのアーキテクチャーやメモリー空間の大きさなど、違いがあるために3GHzのIA-32ではカバーできない領域で利用されるプロセッサーであり、1.2GHzはその最高速というわけだ。

UltraSPARC IV
会場に展示してあった“UltraSPARC IV”。開催前日にサン副社長でプロセッサー担当のデビッド・イェン(David Yen)氏は、実際に動くUltraSPARC IVを持っていたので、すでにかなりのところまでできているようだ。ちなみに製造は米テキサス・インスツルメンツ社だという

また、UltraSPARC IIIは、Itaniumと違って、パッケージも小さく、Northwoodとさほど変わりなく、消費電力も54Wと小さい。
サンは、現在、マルチチップキャリアーで2つのプロセッサーを1つのパッケージに入れたSPARC IVを開発中。2つのプロセッサーは、キャッシュを共有し、キャッシュ内でデータとプログラムを別管理するハーバードアーキテクチャーを採用している。トランジスター数が少ないためダイが小さく、発熱量も小さくなっているために1つのパッケージに2つのプロセッサーを入れることが可能になっているわけだ。インテルの“ハイパー・スレッディング(HyperThreading)”は、2つのプロセス(スレッド)の同時実行が可能だが、多くのリソースを共有しており、ダイ自体は1つだけ。逆に、Pentium 4の発熱量なら、2つのダイを1つのパッケージに入れることは困難だろう。

ジョナサン・シュワルツ
“Sun Enterprise Client”を披露したサンのジョナサン・シュワルツ(Jonathan Schwartz)氏。ソフトウェア担当の副社長

もう1つ披露されたのがLinuxを搭載したパソコン。といってもサンがパソコンのハードウェア市場に参入するというのではなく、シンクライアント“Sun Ray”ではカバーできない領域のためにインテグレーターなどが使うもので、単体で販売されることはないようだ。OSにLinuxを採用し、クライアント上でのアプリケーション実行が可能。製造もOEM企業で、それにサンのロゴを付けてシステムの一部として利用するようである。Sun Rayは、表示のみを行なう端末に近く、この上となるとSPARCを使ったワークステーションになってしまい、クライアントとしてはこの間が空白地帯になっていたわけで、そこを埋める製品ということになる。

エンタープライズクライアント
キーノートで披露されたサンのロゴを持つ“Sun Enterprise Client”
サンが最初に出荷したワークステーション
会場に展示してあったサンが最初に出荷したワークステーション。すでに何台も出したようにみせるためにシリアル番号は15にしたそうだ

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