IA(Intel Architecture)サーバーによる基幹業務システム構築を協議するユーザー団体である“ECA(Enterprise Computing Association)”は17日、物理的に1個のプロセッサーを論理的に2個のプロセッサーとみなす仮想マルチプロセッシング技術“ハイパー・スレッディング・テクノロジ”を採用したXeon MP-1.6GHzと、Pentium III Xeon-900MHzを比較するベンチマークテストを、日本アイ・ビー・エム(株)、インテル(株)、マイクロソフト(株)、ライトウェイトプロセス(株)、マーキュリー・インタラクティブ・ジャパン(株)と共同で実施したと発表した。
これによるとハイパー・スレッディング・テクノロジを有効にしたXeon MPは、物理的に同じCPU数のPentium III Xeonに比べ、処理パフォーマンスで最大14.3倍向上することが確認されたほか、4個のXeon MP(論理プロセッサー数は8個)で、8個のPentium III Xeonとほぼ同等のパフォーマンスが得られたという。
今回のベンチマークテストは、実ビジネスでの利用を想定し、仮想ビールメーカーのクローズドキャンペーン用ウェブアプリケーション“キャンペーンドットコム(仮称)”を使用して行なった。おもに携帯電話端末からのアクセスを想定し、合計2万5000名の仮想ユーザー(最大同時接続数は1300仮想ユーザー)から負荷を与えた。負荷の内容は、新規ユーザー登録、既存登録ユーザーによるクーポン登録、各種情報登録(アンケートなど)の3種類で、それらに対する、オンライン処理性能とデータベースサーバーの処理性能を計測した。
ベンチマークテストを実施したシステムは、3階層のウェブアプリケーションで、日本IBMのIAサーバー『xSeries 360』『xSeries 440』、マイクロソフトのサーバーOS『Windows 2000 Advanced Server』『Windows 2000 Datacenter Server』とデータベース『SQL Server 2000 Enterprise Edition』、マーキュリー・インタラクティブ・ジャパンの負荷シミュレーションツール『LoadRunner 7.02』を使用した。
なお、ライトウェイトプロセスは、(株)アテナと共同で、キャンペーンドットコムを、飲料メーカーや広告代理店に販売する予定としている。ベンチマークテストの詳細については、ECAのウェブサイトでホワイトペーパーを公開している。